海外短信

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No.658 2018年7月

パナソニック・ベトナム ハノイで
エネルギー高効率化と空気質改善のワークショップを開催

荏原もホーチミンでポンプとチラーの技術セミナーを実施

 パナソニック・ベトナムは、建設省の科学技術環境局と協力して、「室内空気質(IAQ)の改善に向けての省エネルギーの取組み」についてワークショップを開催した。産業界の専門家、投資家、建設業者、およびコンサルタントなど80名が参加して、ビルにおける快適性を損なうことなく、エネルギーを節約し空気質を改善する方策を討議した。
 ベトナムの大都市は現在深刻な大気汚染に直面しており、IAQの改善に関心が集まっている。パナソニックはIAQシステムと空調システムのトータルソリューションを提案している。

写真1:パナソニック・ベトナムの松下和宏本部長によるスピーチ
〔JARN, April 25, 2018〕

 荏原製作所は、ホーチミン市のベトナム日本人材開発インスティチュート(VJCC)においてポンプとチラーの技術セミナーを実施した。VJCCのもとでおこなうセミナーはこれが8回目。チラーのセミナーでは民間企業や大学などから29名が参加した。ベトナムでは都市化や工業化によりポンプやチラーなどの社会インフラの整備が欠かせないものとなっている。

写真2:ホーチミンにおける荏原製作所の技術セミナー

〔JARN May 25, 2018〕



青島海信日立 中国でヨークのVRFを販売

 ジョンソンコントロールズ(JCI)と青島海信日立空調系統有限公司(青島海信日立)は2月1日、JCIから青島海信日立へ中国でのヨークのVRFの事業移管を完了したと共同発表した。ヨークのVRFは青島海信日立の事業となる。JCIの承認を得たことで、青島海信日立は中国でヨークのVRFを販売できることになった。日立ジョンソンコントロールズ空調はヨークのVRFについて製品開発の支援をおこなう。
 中国のVRF市場は毎年20%以上の伸び率となっている。今後は住宅用のミニVRFと大形ビルでのモジュラー製品への販売も見込まれ、この分野でのより高い収益性を達成することは強い市場競争力を得るカギとなる。
 2018年にヨークはJCIの技術を取り入れてVRFの新シリーズを市場投入した。これにより青島海信日立のVRFは市場競争力を高めている。

〔JARN May 25, 2018〕



三菱重工サーマルシステムズ スウェーデンのベイヤー・レフと事業協力
英国とアイルランドにおいて空調機とヒートポンプの販売拡大を目指す

 三菱重工サーマルシステムズとベイヤー・レフは、英国とアイルランドで空調機とヒートポンプについて戦略的な事業協力をすることで合意した。ベイヤー・レフはスウェーデンに本拠地を置く国際的な冷凍空調機器の販売会社。三菱重工のグループ会社である欧州三菱重工空調(MHIAE)がベイヤー・レフと3月12日、ロンドンで製品の販売とサービスについての合弁会社(JV)の設立と運営についての契約に署名した。協業により連携を強化し、これらの市場でシェア拡大を図る。
 MHIAEは欧州市場での空調機の販売とサービスを担当し、この提携を活用して英国とアイルランドで空調機の販売シェアを伸ばす。JVは5月末に運営を開始し、社名を「3Dプラス・リミテッド」とする。空調機とヒートポンプの販売・サービスを強化するために、エンジニアリングとコンサルティングの両方の業務をおこなう。MHIの技術力とベイヤー・レフの販売力を組み合わせることにより、顧客への対応力を強化する。

〔JARN April 25, 2018〕



ダイキンヨーロッパ 空調、ヒートポンプ、制御など
5つの製品で「iFデザインアワード2018」を受賞

 「iFデザインアワード」はドイツのハノーファーを拠点とするiFインターナショナル・フォーラム・デザインが主催する世界的なデザイン・コンテスト。今年は54か国から6,400件以上の応募があった。ダイキンが受賞した製品は、アルサーマ 3の床置型 R32冷媒ATW ヒートポンプ、アルサーマ 3壁掛型ATW給湯タンク付き、D2CND ガスコンデンシングボイラ、壁掛型 R32冷媒 スタイリッシュ・エアコン、小型業務用有線リモートコントローラーの5つの製品となっている。

図:iFデザインアワード2018のロゴ

〔JARN May 25, 2018〕



欧州委員会が牽制 「冷媒価格の高騰があっても冷凍空調業界はF-ガス規制の
特別免除をあてにしてはならない」

 3月に開催されたF-ガス・コンサルテーション・フォーラムで、欧州委員会は冷凍空調産業界の関係者に「市場の状況をみる限り、F-ガス規制の意図しているメカニズムは機能している。規制は使用者に低GWP冷媒への移行を促している」と話した。
 「高GWP冷媒の価格が高騰していることに対応して、欧州委員会が冷房産業を助けるために規制の特別免除を与えることはない」と述べた。
 しかし、各国政府は使用者がより早く低GWP冷媒へ転換する為に、経済的な支援、またはそのほかの援助をすべきだという幅広い合意があった。
 HFCからの排出が、初めて減り始めているという事実は、厳格なF-ガス規制の運用が狙いを達成しているという根拠として挙げられている。規制は着実にHFCの許容量を減らし、最終的には禁止することになっている。従って焦点は、産業界とその顧客の双方に対していかに移管を促進するかであり、キーとなる要素は蒸留再生の促進とトレーニングとなる。

〔RAC April 2018〕



英国環境貿易協会連合 R32のレトロフィットに警告

 英国の環境貿易協会連合(FETA)は「冷凍空調産業界はR410AのシステムにR32をレトロフィットしてはならない。システムに適していないだけでなく、深刻な安全上のリスクにさらすことになる」と警告した。「もともと使用を前提としていない冷媒をシステムにチャージすることは適正な作業とはいえず、絶対に止めなくてはいけない」と述べている。
 R32のレトロフィットが深刻な不具合の原因となる理由を次のように挙げている。
1)冷媒メーカーはA2L冷媒をレトロフィットに適していないと明快に述べている。
2)R410Aで設計されたシステムは、A2L冷媒を使用するときに必要な安全対策を備えていない。
3)既存のシステムにR32をチャージすることは冷媒安全基準EN378不適合となる。
4)このような冷媒の変更は空調機メーカーの取り扱い説明に反しており、関連する製品保証を受けられない。
5)R32は圧縮機の吐出温度がR410Aよりも高く、製品寿命が短くなる。
6)R410AからR32へ変更して事故をおこした場合、その責任は冷媒変更をR32冷媒に入れ替えた者が負うことになる。

〔RAC April 2018〕



米国低温機器メーカーは冷凍市場の将来を楽観視

 2018年の米国における冷凍市場は、経済の高まりと高水準の消費意欲により好調なスタートを切った。ダンフォスは今年の後半も楽観的にみており、ダンフォス・ノース・アメリカの業務用冷凍のマーケティング・マネージャーであるクリス・ニッツ氏は「冷凍分野の昨年の事業は非常に強く、市場は活気に満ちていた。特にフードサービスの分野が好調であった。この傾向は2018年も続くだろう」と述べている。
 エマーソンも2018年は前年よりもさらに強くなると予測している。「食品サービスは堅調な伸びとなる。2014年以来、エマーソンは低温における冷媒転換や省エネルギー化のための重要な開発をおこなってきている」とエマーソンのドン・ニューロン副社長は語った。
 ハスマンはコンビニエンスストアーにおける食品の販売が今年は伸びると予測している。一日中、早く、健康的で、新鮮な食品を顧客に提供するために店内で調理、加工する食品の販売が伸びるとハスマンのマーケティング・コミュニケーション・マネージャであるシェリル・ビーチ氏は述べている。

〔Air Conditioning, Heating and Refrigeration News April 2, 2018〕



米国はキガリ改正を批准するのか

 2016年にモントリオール議定書キガリ改正が採択されて以来、冷凍空調機器メーカーはHFC冷媒の段階的削減の準備をしている。キガリ改正は今後30年ほどの間に世界で80%以上のHFCを段階的に削減することになっている。これまでに25か国が批准し、先進国で2019年1月1日に条約が発効するための条件である20か国の締結を超えている。 しかし、米国は批准しておらず、トランプ政権は現在、批准のために上院に送るかどうかを検討している。
 元ホワイトハウスのジョージ・デイヴィッド・バンクス氏によると、ドナルド・トランプ大統領は、キガリの改正がどのように経済に影響を与えるかをよく考えているという。
 「キガリ改正は幅広い業界の支持を得ていると政府は認識しているが、我々は慎重に考え、経済的、法的、政治的、および環境面を十分に理解しなければならない」と同氏は述べた。「ホワイトハウスは、キガリ改正が米国企業にどのような利益をもたらすのか、どのように米国の雇用を維持し、創出するのか、またそれがどのように貿易収支を改善し、他国への輸出を促進するのかについて、理解したがっている」と強調した。

〔Air Conditioning, Heating and Refrigeration News April 16, 2018〕



AIが空調機に及ぼす影響

 統計解析ソフトのスタティスティカによると、人工知能(AI)のパーソナル・アシステントとボットの市場規模は2020年までに120億ドル(約1兆3200億円)に達する。また市場調査会社グランド・ビュー・リサーチのレポートでは、世界のスマートホームオートメーションの市場規模は2025年までに1,300億ドル(約14兆3,000億円)に達するという。空調機器のメーカーはこの拡大傾向に着目し、消費者が欲する商品を供給しようとしている。
 グーグル・プロフェッショナル・チャネルのジーン・ラノア氏は、常時コンピュータネットワークに接続している住宅の市場での最大のトレンドは音声制御であり他の製品との統合であると語っている。
 「ホームオートメーションシステムは、5年のうちにAIを用いて居住者のニーズを予測し、解決策を提案するだけでなく、リアルタイムでデータを分析して住宅内で起こっていることを明確にするだろう。過去数年間、住宅でホームオートメーション機能を持つことはまれであったが、今後はずっと早いペースで成長し続け、市場の新しい標準になるであろう」とレノックスの上級プロダクト・マーケティング・マネージャであるブレーキ・エドワーズ氏は述べている。

〔Air Conditioning, Heating and Refrigeration News April 30, 2018〕



米国空軍がVRFの設置を禁止

 昨年、米国防総省が驚くべき指令をだした。“VRFシステムは空軍の施設において今後設置が許可されることはない。陸軍の施設において禁止されることはないが、採用は強く抑制される”というもの。海軍では冷凍システムにおける安全基準であるASHIRAE標準15に準拠している限り、VRFシステムを規制する予定はない。
 これに続く米陸軍工兵隊の告示は、新たな指令が出された3つの理由を提示している。

1.典型的な容量のVRFシステムは冷媒が漏洩した場合、充てん冷媒量が多いため在室者が窒息する可能性がある。
2.VRFシステムに共通している長い冷媒配管は冷媒の漏えい個所を見つけるのが難しい。
3.多くのVRFシステムが使用している独自のコントロールは、オープンコントロールを定めた法的要件に抵触する。

 これに対してテキサス州で軍施設に多くのVRFシステムを設置しているエンコア・メカニカル社のジョン・レイナル社長は「最近の指令にはそれほど驚いていない。資格のない作業者によって技術的に不適切に設置されたため、このような否定的な見方が生じた。近いうちにこの指令が撤回されることを期待している」と述べている。

〔Air Conditioning, Heating and Refrigeration News May 7, 2018〕



中国 2018年のエアコン市場は減速の予想

 中国は昨年、夏が暑かったことにより2017冷凍年度(2017年8月まで)のエアコン販売は爆発的な伸びとなった。2017冷年のエアコン販売は年率29.4%増加して5,570万台に達した。売上高は年率35.4%増加して1,906億元(約3兆1800億円)となった。平均小売価格は4.6%増加して3,420元(約5万7千円)とここ5年間で最も高い価格となった。
 しかし一旦需要が収縮したことによりエアコン業界は再び過剰在庫に直面している。2017年10月末の時点でエアコンのメーカー在庫の総量は3,230万台となった。また流通在庫は2,400万台を超えた。
 2018年1月の成長率は-4.6%となった。2年続きの猛暑によりエアコン需要は飽和に達し、不動産市場も下降になっている。昨年のような爆発的な販売は期待できない模様だ。
 全体としてみると、勢いを失ってはいるが、中国のエアコン市場は2018年も増加傾向が維持されるものと期待されている。

〔JARN April 25, 2018〕



インドの今年のエアコン販売 空調機メーカーは高い伸びを期待

 ボルタス、ダイキン、パナソニック、サムスン、ゴドレジ、ハイアールなど空調機のメーカーは、インドにおける今年の販売について二桁の伸びを期待している。気象庁による暑い夏の予測、可処分所得の増加、さらに電力供給の改善が見込まれる。
 2018年1月1日から新たな強制力のあるエネルギー基準(スター・レーティング)がエネルギー効率局により施行されたことにより、エアコンのコストは10%から15%アップしている。スター・レーティングはインド期間エネルギー効率(ISEER)をもとに決められている。エアコンメーカーは効率の高いインバータエアコンの市場構成比は30~35%とこれまでの3倍に増えるものと期待している。

〔JARN May 25, 2018〕