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環境物品等の調達の推進に関する基本方針
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環境物品等の調達の推進に関する基本方針

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 この基本方針は,国(国会,各省庁,裁判所等)及び国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律第2条第2項の法人を定める政令(平成12年政令第556号)に規定される法人(以下「独立行政法人等」という。)が環境負荷の低減に資する原材料,部品,製品及び役務(以下「環境物品等」という。)の調達を総合的かつ計画的に推進するための基本的事項を定めるものである。また,地方公共団体,事業者,国民等についても,この基本方針を参考として,環境物品等の調達の推進に努めることが望ましい。
 なお,国がこれまでに定め,実行してきた環境保全に資する各種取組については,この基本方針と連携を図りつつ引き続き適切な実行を図るものとする。


1.国及び独立行政法人等による環境物品等の調達の推進に関する基本的方向

(1) 環境物品等の調達推進の背景及び意義

 地球温暖化問題や廃棄物問題など,今日の環境問題はその原因が大量生産,大量消費,大量廃棄を前提とした生産と消費の構造に根ざしており,その解決には,経済社会のあり方そのものを環境負荷の少ない持続的発展が可能なものに変革していくことが不可欠である。このため,あらゆる分野において環境負荷の低減に努めていく必要があるが,このような中で,我々の生活や経済活動を支える物品及び役務(以下「物品等」という。)に伴う環境負荷についてもこれを低減していくことが急務となっており,環境物品等への需要の転換を促進していかなければならない。
 環境物品等への需要の転換を進めるためには,環境物品等の供給を促進するための施策とともに,環境物品等の優先的購入を促進することによる需要面からの取組を合わせて講じることが重要である。環境物品等の優先的購入は,これらの物品等の市場の形成,開発の促進に寄与し,それが更なる環境物品等の購入を促進するという,継続的改善を伴った波及効果を市場にもたらすものである。また,環境物品等の優先的購入は誰もが身近な課題として積極的に取り組む必要があるものであり,調達主体がより広範な環境保全活動を行う第一歩となるものである。
 このような環境物品等の優先的購入と普及による波及効果を市場にもたらす上で,通常の経済活動の主体として国民経済に大きな位置を占め,かつ,他の主体にも大きな影響力を有する国及び独立行政法人等(以下「国等」という。)が果たす役割は極めて大きい。すなわち,国等が自ら率先して環境物品等の計画的調達を推進し,これを呼び水とすることにより,地方公共団体や民間部門へも取組の輪を広げ,我が国全体の環境物品等への需要の転換を促進することが重要である。この基本方針に基づく環境物品等の調達推進は,環境基本法(平成5年法律第91号)第24条[環境への負荷の低減に資する製品等の利用の促進]及び循環型社会形成推進基本法(平成12年法律第110号)第19条[再生品の使用の促進]の趣旨に則るものである。
 また,昨今の地球温暖化対策の重要性にかんがみ,京都議定書目標達成計画(平成17年4月28日閣議決定)の確実な実施に資するため,国等は環境物品等を率先的に調達する必要がある。

(2) 環境物品等の調達推進の基本的考え方

 国等の各機関(以下「各機関」という。)は,国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律(平成12年法律第100号。以下「法」という。)第7条の規定に基づき,毎年度,基本方針に即して,物品等の調達に関し,当該年度の予算及び事務又は事業の予定等を勘案して,環境物品等の調達の推進を図るための方針(以下「調達方針」という。)を作成・公表し,当該調達方針に基づき,当該年度における物品等の調達を行うこととなる。
 その際,具体的には以下のような基本的考え方に則り,調達を行うとともに,調達された物品等の使用を進めていくものとする。
   
<1>  物品等の調達に当たっては,従来考慮されてきた価格や品質などに加え,今後は環境保全の観点が考慮事項となる必要がある。これにより,価格や品質などとともに,環境負荷の低減に資することが物品等の調達契約を得るための要素の一つとなり,これに伴う事業者間の競争が環境物品等の普及をもたらすことにつながる。各機関は,このような認識の下,環境関連法規の遵守はもちろんのこと,事業者のさらなる環境負荷の低減に向けた取組に配慮しつつ,できる限り広範な物品等について,環境負荷の低減が可能かどうかを考慮して調達を行うものとする。
   
<2>  環境負荷をできるだけ低減させる観点からは,地球温暖化,大気汚染,水質汚濁,生物多様性の減少,廃棄物の増大等の多岐にわたる環境負荷項目をできる限り包括的にとらえ,かつ,可能な限り,資源採取から廃棄に至る,物品等のライフサイクル全体についての環境負荷の低減を考慮した物品等を選択する必要がある。また,局地的な大気汚染の問題等,地域に特有の環境問題を抱える地域にあっては,当該環境問題に対応する環境負荷項目に重点を置いて,物品等を調達することが必要な場合も考えられる。
   
<3>  各機関は,環境物品等の調達に当たっては,調達総量をできるだけ抑制するよう,物品等の合理的な使用等に努めるものとし,法第11条の規定を念頭に置き,法に基づく環境物品等の調達推進を理由として調達総量が増加することのないよう配慮するものとする。また,各機関は調達された環境物品等について,長期使用や適正使用,分別廃棄などに留意し,期待される環境負荷の低減が着実に発揮されるよう努める。

 また,環境物品等の調達を推進するに当たっては,WTO政府調達協定(特に同協定第6条技術仕様の規定)との整合性に十分配慮し,国際貿易に対する不必要な障害とならないように留意する。


2.特定調達品目及びその判断の基準並びに特定調達物品等の調達の推進に関する基本的事項

(1) 基本的考え方

  ア.判断の基準を満たす物品等についての調達目標の設定
 各機関は,調達方針において,特定調達品目ごとにその判断の基準を満たすもの(「特定調達物品等」という。)について,それぞれの目標の立て方に従って,毎年度,調達目標を設定するものとする。

  イ.判断の基準等の性格
 環境物品等の調達に際しては,できる限りライフサイクル全体にわたって多様な環境負荷の低減を考慮することが望ましいが,特定調達物品等の実際の調達に当たっての客観的な指針とするため,特定調達品目ごとの判断の基準は数値等の明確性が確保できる事項について設定することとする。
 また,すべての環境物品等は相応の環境負荷低減効果を持つものであるが,判断の基準は,そのような様々な環境物品等の中で,各機関の調達方針における毎年度の調達目標の設定の対象となる物品等を明確にするために定められるものであり,環境物品等の調達を推進するに当たっての一つの目安を示すものである。したがって,判断の基準を満たす物品等が唯一の環境保全に役立つ物品等であるとして,これのみが推奨されるものではない。各機関においては,判断の基準を満たすことにとどまらず,環境物品等の調達推進の基本的考え方に沿って,ライフサイクル全体にわたって多様な環境負荷項目に配慮した,できる限り環境負荷の低減を図った物品等の調達に努めることが望ましい。
 さらに,現時点で判断の基準として一律に適用することが適当でない事項であっても環境負荷低減上重要な事項については,判断の基準に加えてさらに調達に当たって配慮されるべく,配慮事項を設定することとする。なお,各機関は,調達に当たり配慮事項を適用する場合には,個別の調達に係る具体的かつ明確な仕様として事前にこれを示し,調達手続の透明性や公正性を確保するものとする。
 なお,判断の基準は環境負荷の低減の観点から定められるものであるので,品質,機能等,調達される物品等に期待される一般的事項及び適正な価格については別途確保される必要があるのは当然である。

  ウ.特定調達品目及びその判断の基準等の見直しと追加
 特定調達品目及びその判断の基準等は,特定調達物品等の開発・普及の状況,科学的知見の充実等に応じて適宜見直しを行っていくものとする。
 また,今後,特定調達品目及びその判断の基準等の見直し・追加を行うに当たっては,手続の透明性を確保しつつ,学識経験者等の意見も踏まえ,法に定める適正な手続に従って行うものとする。

  エ.公共工事の取扱い
 公共工事については,各機関の調達の中でも金額が大きく,国民経済に大きな影響力を有し,また国等が率先して環境負荷の低減に資する方法で公共工事を実施することは,地方公共団体や民間事業者の取組を促す効果も大きいと考えられる。このため,環境負荷の低減に資する公共工事を役務に係る特定調達品目に含めたところであり,以下の点に留意しつつ積極的にその調達を推進していくものとする。
 公共工事の目的となる工作物(建築物を含む。)は,国民の生命,生活に直接的に関連し,長期にわたる安全性や機能が確保されることが必要であるため,公共工事の構成要素である資材等の使用に当たっては,事業ごとの特性を踏まえ,必要とされる強度や耐久性,機能を備えていることについて,特に留意する必要がある。また,公共工事のコストについては,予算の適正な使用の観点からその縮減に鋭意取り組んできていることにも留意する必要がある。調達目標の設定は,事業の目的,工作物の用途,施工上の難易により資材等の使用形態に差異があること,調達可能な地域や数量が限られている資材等もあることなどの事情があることにも留意しつつ,より適切なものとなるように,今後検討していくものとする。
 また,公共工事の環境負荷低減方策としては,資材等の使用の他に,環境負荷の少ない工法等を含む種々の方策が考えられ,ライフサイクル全体にわたった総合的な観点からの検討を進めていくこととする。

(2) 各特定調達品目及びその判断の基準等

 別記のとおり。

(3) 特定調達物品等以外の環境物品等

 特定調達物品等以外の環境物品等についても,その事務又は事業の状況に応じて,調達方針の中でできる限り幅広く取り上げ,可能な限り具体的な調達の目標を掲げて調達を推進していくものとする。
 特に,役務については,本基本方針において特定調達品目として定められていない場合であっても,特定調達物品等を用いて提供されているものについては環境負荷の低減に潜在的に大きな効果があると考えられることから,各機関において積極的に調達方針で取り上げていくよう努めるものとする。
 また,一般に市販されている物品等のみならず,各機関の特別の注文に応じて調達する物品等についてもそれに伴う環境負荷の低減を図っていくことが重要であることから,かかる特注品についても調達方針で取り上げ,その設計段階等,できるだけ初期の時点で環境負荷の低減の可能性を検討,実施していくことが望まれる。
 さらに,各機関において直接調達する物品等にとどまらず,調達した物品等を輸送する際に,低燃費・低公害車による納入や納入量に応じた適切な大きさの自動車の使用を求めること,可能な範囲で提出書類を簡素化すること等,調達に伴い発生する環境負荷についても,可能な限り低減を図るよう努めるものとする。


3.その他環境物品等の調達の推進に関する重要事項

(1) 調達の推進体制の在り方

 各機関において,環境物品等の調達を推進するための体制を整備するものとする。原則として,体制の長は内部組織全体の環境物品等の調達を統括できる者(各省庁等にあっては局長(官房長)相当職以上の者)とするとともに,体制にはすべての内部組織が参画することとする。なお,環境担当部局や会計・調達担当部局が主体的に関与することが必要である。各機関は,具体的な環境物品等の調達の推進体制を調達方針に明記する。

(2) 調達方針の適用範囲

 調達方針は原則として,各機関のすべての内部組織に適用するものとする。ただし,一律の環境物品等の調達推進が困難である特殊部門等については,その理由を調達方針に明記した上で,別途,個別の調達方針を作成する。各機関は,調達方針の具体的な適用範囲を調達方針に明記する。

(3) 調達方針の公表並びに調達実績の概要の取りまとめ及び公表の方法等

 調達方針の公表を通じた毎年度の環境物品等の調達目標の公表は,事業者による環境物品等の供給を需要面から牽引することとなる。また,環境物品等の調達を着実に推進していくためには,調達実績を的確に把握し,調達方針の作成に反映させていくとともに,分かりやすい形で調達実績の概要が公表されることにより,環境物品等の調達の進展状況が客観的に明らかにされることが必要である。

(4) 関係省庁等連絡会議の設置

 環境物品等の調達を各機関が一体となって効果的に推進していくため,各機関間の円滑な連絡調整,推進策の検討などを行う関係省庁等連絡会議を設置する。

(5) 職員に対する環境物品等の調達推進のための研修等の実施

 調達実務担当者をはじめとする職員に対して,環境物品等の調達推進のための意識の啓発,実践的知識の修得等を図るため,研修や講演会その他の普及啓発などの積極的な実施を図る。

(6) 環境物品等に関する情報の活用と提供

 環境物品等に関する情報については,各種環境ラベルや製品の環境情報をまとめたデータベースなど,既に多様なものが提供されている。このため,各機関は,提供情報の信頼性や手続の透明性など当該情報の適切性に留意しつつ,エコマークや,エコリーフなどの第三者機関による環境ラベルの情報の十分な活用を図るとともに,温室効果ガス削減のための新たな取組であるカーボン・オフセット認証ラベル,カーボンフットプリントマークを参考とするなど,できる限り環境負荷の低減に資する物品等の調達に努めることとする。また,国は,各機関における調達の推進及び事業者や国民の環境物品等の優先的購入に資するため,環境物品等に関する適切な情報の提供と普及に努めることとする。

 

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