関連法規 / 省エネルギー法
住宅に係るエネルギーの使用の合理化に関する建築主等及び特定建築物の所有者の判断の基準
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1 住宅の外壁,窓等を通しての熱の損失の防止

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1- 1  建築主等は,次に掲げる事項に配慮し,住宅(重ね建住宅,連続住宅及び共同住宅にあっては,住戸。以下1において同じ。)の外壁,窓等を通しての熱の損失の防止を図ること。
 (1)  外壁の方位,室の配置等に配慮して住宅の配置計画及び平面計画を策定すること。
(2)  外壁,屋根,床,窓及び開口部を断熱性の高いものとすること。
(3)  窓からの日射の適切な制御が可能な方式の採用等により日射による熱負荷の低減を図ること。
(4)  気密性の確保,防露性能の確保,室内空気汚染の防止などに十分配慮すること。

1- 2

 住宅の外壁,窓等に関して1-1の(1)から(3)までに掲げる事項に係る措置が的確に実施されているかどうかについての判断は,1−3によるものとし,1−1の(4)に掲げる事項に係る措置を実施するにあたっては,1−4から1−8までに留意するものとする。


1- 3

 地域の区分に応じた年間暖冷房負荷等の基準
 住宅が,次の(1)に定める年間暖冷房負荷の基準又は(2)に定める熱損失係数及び夏期日射取得係数の基準のいずれかに適合するようにするものとする。

 (1) 地域の区分に応じた年間暖冷房負荷の基準
 住宅の年間暖冷房負荷が,別表第1に掲げる地域の区分に応じ,次の表に掲げる基準値以下であること。
別表第1に掲げる地域の区分 T U V W X Y
年間暖冷房負荷の基準値
(単位 1年間1平方メートルにつきメガジュール)
390 390 460 460 350 290
 イの年間暖冷房負荷は,次の(イ)から(ホ)までに掲げる条件に従って求めた1年間における暖房負荷及び冷房負荷の合計(単位 メガジュール)を,住宅の床面積の合計(単位 平方メートル)で除して算出すること。
(イ) 暖房及び冷房は,断熱構造(断熱及び日射遮蔽のための措置を講じた構造をいう。以下同じ。)とする部分に囲まれたすべての空間において行うものとすること。
(ロ) 暖房は,暖房期間(1年間のうちで日平均外気温が15℃以下となるすべての期間をいう。以下同じ。)において,室温18℃以上に設定して行うものとすること。
(ハ) 冷房は,冷房期間(1年間のうちで暖房期間以外の期間をいう。)において,室温27℃以下,相対湿度60%以下に設定して行うものとすること。
(ニ) 外気温(日平均外気温を含む。)については,5年間以上の気象データの平均を使用すること。
(ホ) 暖房負荷の計算においては次の1)に掲げる熱を,冷房負荷の計算においては次の1)及び2)に掲げる熱をそれぞれ勘案すること。
1) 顕熱
  (@) 室温と外気温又は地温との温度差によって外壁,窓等を貫流する熱
  (A) 換気又は漏気によって輸送される熱
  (B) 日射の吸収又は夜間放射によって発生する熱
  (C) 家電製品,人体その他室内に存する物体から発生する熱(全床から一様に常時一定量発熱するものとして計算する場合には,1時間1平方メートルにつき16.7キロジュールとすることができる。)
  (D) 床,壁その他熱容量の大きな部位に蓄えられる熱
2) 潜熱
  (@) 換気又は漏気によって輸送される水蒸気が保有する熱
  (A) 厨房器具,人体その他室内に存する物体から発生する水蒸気が保有する熱(全床から一様に常時一定量発熱するものとして計算する場合には,1時間1平方メートルにつき4.2キロジュールとすることができる。)
  暖房度日(日平均外気温が18℃を下回る日について,室温18℃と当該日平均外気温との差を,暖房期間にわたって合計した値をいう。)が4,500度・日を超える地域においては,イに定める年間暖冷房負荷の基準値を,次の式により算出される数値とすることができる。
Ls=0.09×D-15

※この式において,Ls及びDは,それぞれ次の数値を表すものとする。

  Ls   年間暖冷房負荷の基準値(単位 1年間1平方メートルにつきメガジュール)
 

D

  暖房度日(単位 度・日)
(2) 地域の区分に応じた熱損失係数及び夏期日射取得係数の基準
 地域の区分に応じた熱損失係数の基準
(イ)  住宅の熱損失係数が,別表第1に掲げる地域の区分に応じ,次の表に掲げる基準値以下であること。
別表第1に掲げる地域の区分 T U V W X Y
熱損失係数の基準値
(単位 1平方メートル1度につきワット)
1.6 1.9 2.4 2.7 3.7
(ロ)  (イ)の熱損失係数は,次の式により算出すること。
 Q=(AiUiHi(LFiULiHi+AFiUFi)+0.35nB)/S

※この式において,Q,Ai,Ui,Hi,LFi,ULi,AFi,UFi,n,B及びSは,それぞれ次の数値を表すものとする。

  Q   熱損失係数(単位 1平方メートル1度につきワット)
  Ai   外気又は外気に通じる床裏,小屋裏若しくは天井裏(以下「外気等」という。)に接する第i部位(地盤面をコンクリートその他これに類する材料で覆った床又は床裏が外気に通じない床(以下「土間床等」という。)を除く。)の面積(単位 平方メートル)
  Ui   第i部位の熱貫流率(内外の温度差1度の場合において1平方メートル当たり貫流する熱量をワットで表した数値であって,当該部位を熱の貫流する方向に構成している材料の種類及び厚さ,熱橋(構造部材,下地材,窓枠下材その他断熱構造を貫通する部分であって,断熱性能が周囲の部分より劣るものをいう。以下同じ。)により貫流する熱量等を勘案して算出するものとする。ただし,熱橋により貫流する熱量は断熱補強(熱橋に断熱材を補うことにより断熱性能を強化することをいう。)の方法に応じて適切に算出するものとする。)
  Hi   第i部位又は第i土間床等の外周の接する外気等の区分に応じて次の表に掲げる係数
外気 外気に通じる小屋裏又は天井裏 外気に通じる床裏
1.0 1.0 0.7
  LFi   第i土間床等の外周の長さ(単位 メートル)
  ULi   第i土間床等の外周の熱貫流率(内外の温度差1度の場合において1メートル当たり貫流する熱量をワットで表した数値であって,当該土間床等を熱の貫流する方向に構成している材料の種類及び厚さ等を勘案して算出するものとする。)
  AFi   第i土間床等の中央部(外周より1メートル以内の部分を除いた部分をいう。以下同じ。)の面積(単位 平方メートル)
  UFi   第i土間床等の中央部の熱貫流率(内外の温度差1度の場合において1平方メートル当たり貫流する熱量をワットで表した数値であって,当該土間床等を熱の貫流する方向に構成している材料の種類及び厚さ等を勘案して算出するものとする。)
  n   換気回数(原則として0.5とする。ただし,熱回収装置を備えた換気設備の使用により暖房エネルギー消費量の削減が明らかに可能な場合にあっては,熱損失係数の算出に当たっては,熱回収装置の使用に伴う空気搬送動力の増分を勘案した数値にすることができるものとする。)(単位 1時間につき回)
  B   住宅の気積(単位 立方メートル)
  S   住宅の床面積の合計(単位 平方メートル)
(ハ)   小規模な住宅(一戸建住宅,重ね建住宅及び連続住宅にあっては床面積100平方メートル以下,共同住宅にあっては床面積60平方メートル以下のものをいう。)については,(イ)に定める熱損失係数の基準値を,次の式により算出される数値とすることができる。
Qss=(1+0.005(As-S))Qs

※この式において,Qss,As,S及びQsは,それぞれ次の数値を表すものとする。

  Qss   小規模な住宅について適用される熱損失係数の基準値(単位 1平方メートル1度につきワット)
  As   基準床面積(一戸建住宅,重ね建住宅及び連続住宅にあっては100,共同住宅にあっては60)(単位 平方メートル)
  S   住宅の床面積の合計(単位 平方メートル)
  Qs   (イ)に定める熱損失係数の基準値(単位 1平方メートル1度につきワット)
(ニ)  冬期に日射を積極的に取り入れることが可能な住宅については,(イ)に定める熱損失係数の基準値を次の式により算出される数値とすることができる。
 Qps=Qs・a

※この式において,Qps,Qs及びaは,それぞれ次の数値を表すものとする。

  Qps   冬期に日射を積極的に取り入れることが可能な住宅について適用される熱損失係数の基準値(単位 1平方メートル1度につきワット)
  Qs   (イ)に定める熱損失係数の基準値(単位 1平方メートル1度につきワット)
  a   別表第2に掲げる地域の区分,日射を取り入れる工夫に応じて次の表に掲げる補正係数
日射を取り入れる工夫 別表第2に掲げる地域の区分
(い) (ろ) (は)
(i)及び(iii)に該当する住宅 1.04 1.06 1.10
(i)及び(v)に該当する住宅
(i)及び(iv)に該当する住宅 1.06 1.10 1.15
(i),(iii)及び(v)に該当する住宅
(ii)及び(iii)に該当する住宅
(ii)及び(v)に該当する住宅
 「日射を取り入れる工夫」とは,次の方法をいう。ただし,(i),(ii)における開口部は,住宅に係るエネルギーの使用の合理化に関する設計,施工及び維持保全の指針(平成18年国土交通省告示第378号)4(1)イ又は(2)イに適合するものとする。
(i) 真南から東西30°の方位における外気に接する開口部のガラス部分の面積の合計が,住宅の床面積当たり15%以上となるもの
(ii) 真南から東西30°の方位における外気に接する開口部のガラス部分の面積の合計が,住宅の床面積当たり17.5%以上となるもの
(iii) 居室床面積1平方メートル当たりの,居室の床の蓄熱に有効な熱容量(単位 1度につきキロジュール。以下同じ。)の合計が50以上となるもの
(iv) 居室床面積1平方メートル当たりの,居室の床の蓄熱に有効な熱容量の合計が100以上となるもの
(v) 居室床面積1平方メートル当たりの,居室の床以外の蓄熱に有効な熱容量の合計が100以上となるもの
地域の区分に応じた夏期日射取得係数の基準
(イ)  住宅の夏期日射取得係数が,別表第1に掲げる地域の区分に応じ,次の表に掲げる基準値以下であること。
別表第1に掲げる地域の区分 T U V W X Y
夏期日射取得係数の基準値 0.08 0.07 0.06
(ロ)  (イ)の夏期日射取得係数は,次の式により算出すること。
  =((Aijij)jAriri)/S

※この式において,,Aijijj,Ariri及びSは,それぞれ次の数値を表すものとする。

    夏期日射取得係数
  Aij   第j方位における外気に接する第i壁(壁に設けられた開口部を含む。以下同じ。)の面積(単位 平方メートル)
  ij   第j方位における第i壁の夏期日射侵入率(入射する夏期日射量に対する室内に侵入する夏期日射量の割合を表した数値をいう。以下同じ。なお,当該壁に設置された開口部の上部に,当該壁に接して張り出し寸法1,200ミリメートル以上のひさし(共用廊下,バルコニー等を含む。)がある場合には,当該開口部の夏期日射侵入率に0.7を乗じた値とすることができる。)
  j   第j方位及び別表第1に掲げる地域区分に応じて次の表に掲げる係数
第j方位 別表第1に掲げる地域の区分
T U V W X Y
東・西 0.47 0.46 0.45 0.45 0.44 0.43
0.47 0.44 0.41 0.39 0.36 0.34
南東・南西 0.50 0.48 0.46 0.45 0.43 0.42
0.27 0.27 0.25 0.24 0.23 0.20
北東・北西 0.36 0.36 0.35 0.34 0.34 0.32
  Ari   第i屋根(屋根に設けられた開口部を含む。以下同じ。)の水平投影面積(単位 平方メートル)
  ri   第i屋根又は当該屋根の直下の天井(天井に設けられた開口部を含む。)の夏期日射侵入率
  S   住宅の床面積の合計(単位 平方メートル)

1- 4  気密性の確保
 室内に直接侵入する隙間風の防止による暖冷房負荷の削減,断熱材の断熱効果の補完及び的確な計画換気の実現のため,気密性の確保のための措置を講じるものとする。

1- 5  防露性能の確保
 次の(1)及び(2)に留意し,住宅の断熱性能及び耐久性能を損なうおそれのある結露の発生を防止するための措置を講じるものとする。
 (1)  表面結露の防止
 住宅全体としては1-3の(1)のイに定める暖冷房負荷の基準又は1-3の(2)のイに定める熱損失係数の基準に適合する場合であっても,断熱構造化すべき部位において,表面結露の発生のおそれのある著しく断熱構造を欠く部分(開口部を除く。)を作らないこと。
(2)  内部結露の防止
 断熱材の内部又は断熱材よりも屋外側で外気に開放されていない部分においては,内部結露の発生を防止するため,水蒸気の侵入と排出について考慮し,当該部分に多量の水蒸気が滞留しないよう適切な措置を講じること。

1- 6  暖房機器等による室内空気汚染の防止
 住宅に燃焼系の暖房機器又は給湯機器を設置する場合にあっては,室内空気汚染をできる限り防止するための措置を講じるものとする。

1- 7  暖房及び冷房に関わるエネルギー効率の確保
 住宅に暖房システム又は冷房システムを設置する場合にあっては,当該システムの使用方法及びエネルギー効率を考慮するよう努めるものとする。

1- 8  防暑のための通気経路の確保
 夏期の防暑上通風が有効である地域における住宅について,防犯及び騒音防止の観点から生活上支障のない範囲で通風経路の確保に努めるものとする。

1- 9  特定建築物の所有者(所有者と管理者が異なる場合にあっては,管理者。以下同じ。)は,次に掲げる事項に配慮し,住宅の外壁,窓等を通しての熱の損失の防止を図ること。
 (1)  熱の損失が増大しないよう採用した室の配置等の維持保全をすること。
(2)  外壁,屋根,床,窓及び開口部の清掃,補修等により,これらの断熱性の維持保全をすること。
(3)  窓からの日射の制御状態の点検等により,日射による熱負荷の低減措置の維持保全をすること。
(4)  気密性の確保,防露性能の確保,室内空気汚染の防止などに十分配慮すること。


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