機関誌「冷凍と空調」 / 2002.3 (NO.490)

海外短信

back    

 

同時多発テロ後遺症の後片付けに空調業者の奮闘続く

 9月11日の同時多発テロの際,貿易センター2棟が瞬時に崩壊し,膨大な量の塵埃が発生した。近くのビルの屋上には数10cmもの堆積ができる程であった。塵埃にまみれたユニットを修復するべくバッテリー・パーク・シティでは5000台以上のエアコンを修復するようアイス・キャップ社に依頼した。同社ではHEPA真空クリーナや圧力水を用いてユニットの清掃を行った結果,無事に作業を終えユーザーから称賛を浴びている。
 一方,世界貿易センターの現場には12台の巨大なターボ冷凍機が地下6階に設置されており,この中に充填されている冷媒を回収することはさらなる被害を防止するためにも重要なことであった。崩れた現場に潜り込んだ結果,2台の冷凍機が瓦礫に埋もれた中に無事に冷媒を保有した状態にあるのが見つかった。冷凍機メーカーのヨークと冷媒回収業者は直ちにチームを編成し作業に取りかかった。わずかな隙間を辿り,困難の末に地下6階の現場に潜り込んだ。しかし現場は暗黒に包まれている上に,消火に使われた水が膝の高さまで溜まっていた。
 グランド・ゼロには40フィートのタンク車が横付けされ,そこからホースを地下の現場へ送り,水面下のバルブに接続することに成功し,回収作業を無事終了させた。
 この間チームのメンバーは常に冷媒,一酸化炭素等を測定し作業者の安全を確保した。

[ Air Conditioning,Hearting and Refrigeration NEWS December 3 & January 14 ]


空調業界,バイオ・テロ対策を真剣に検討

 アメリカでは,ビジネス現場に対するバイオ・テロの脅威にどう対処するかが真剣に討論されている。この問題に対処するために1月26日に「全国空調システム安全サミット」を開催し,ホワイトハウスの本土防衛室や大手メーカー等が参加し,以下のテーマについて検討を加えることになった。

 これらを真剣に検討することにより全てのメンバーに効果的な,実行可能な解決法が見出せるものと大きな期待が寄せられている。

[ Air Conditioning,Hearting and Refrigeration NEWS December 17 ]


ロス水道・電力局,エネルギー効率化計画を実施に

 カリフォルニアでは高騰する電力代に対処するために,省エネが最大の課題になっている。ロス水道・電力局(DWP)では非効率的なチラーの取換えを促進するために「タイトル24」という強制基準を制定した。これまでは1冷凍トン当たり0.75kW以上という基準を,新規に設置する場合には最低基準を0.576kW/トンとするように改定した。
 その他にも既に120ものビルに対してリベート制を適用し30MWのピーク電力の削減に成功しているが,次の計画を実施に移し,これを90MWにまで拡大しようとしている。

 この計画に基づいてロス空港では老朽化したチラーの交換を早め,3台で総額60万ドルの工費に対して15万ドルのリベートを得た上に,効率化により年間25万ドルの運転費の削減に成功している。

[ Air Conditioning,Hearting and Refrigeration NEWS December 24 ]


廃棄冷蔵庫からの冷媒回収にイギリス政府600万ポンドを支出

 現在イギリス全体に廃棄冷蔵庫の巨大な山が出現している。オゾン層対策から,これらの廃棄冷蔵庫からの冷媒回収はは行われてきたが,断熱材として用いられている発泡材からガスを回収する問題が浮上して業界を悩ませている。当面は,大陸側にある高真空装置を備えた業者に依頼して回収することになり,政府はこれに対して600万ポンドを支出することにした。今後,イギリスにも同様な設備を設けることが必要になる。

[ RAC―REFRIGERATION AND AIR CONDITIONING January ]

top