機関誌「冷凍と空調」 / 2002.4 (NO.491)

委員会報告

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世界のエアコン需要推定について
[1997年〜2005年]

 

 工業会の貿易委員会はこのほど,2005 年までの世界のエアコン需要展望をまとめました。2000 年の 4200 万台が 2005 年には 5000 万台に拡大,このうち日本を除くアジアが 40 %を占めると推定しています。
 発表文全文を紹介します。
(編集係)

はじめに

 このレポートは(社)日本冷凍空調工業会・貿易委員会が行なった世界のエアコン需要に関する調査・分析作業をまとめたものです(年はいずれも暦年)。
 昨年,1996年〜2004年における推定をご紹介しましたが,このほど,1997年〜2005年までの推定がまとまりましたのでご紹介いたします。内容については,まだ不確かな点も多いと思われますが,関係各位のご参考にしていただければ幸いです。
 なお,この調査に当たっては,実際に海外で活躍されている多くの方々のご協力をいただきました。

1.調査結果の概要

 調査の対象としたのは,住宅,ビルなどに用いられるエアコンの合計で,このうち,ウインド型と日本的な家庭用セパレート型を含めた「ルームエアコン」,ルームエアコン以外の「パッケージエアコン」に区分して調査した。
 調査は2000年までのデータを収集・分析して地域別の生産量,輸出入,需要量を推定,2001年〜2005年の需要量はその後の動向から延長して作成した。

(1) 2005年までの需要

 2000年の世界のエアコン需要は全体で41,874千台に達し,前年比8.8%増であったと推定される。2001年は前年比4.2%増の43,628千台,2002年は前年比0.7%減の43,320千台になるものと推定される。2003年,2004年,2005年については,それぞれ45,251,47,183,50,065千台と推定した。
 日本の需要は1997年以降,減少傾向を続けていたが,2000年,2001年は好調に推移し,それぞれ前年比9.4%増の7,791千台,7.4%増の8,367台であったと推定される。2002年は前年比8.6%減の7,651千台になると推定した。世界需要に対する日本の構成比は,2000年18.6%,2001年17.7%となっている。

 <1>

ルームエアコン

 

 2000年のルームエアコンの世界需要は,前年比8.0%増の31,538千台であったと推定される。2001年は5.2%増の33,192千台,2002年は0.5%増の33,352千台になると推定した。2003年,2004年,2005年については,それぞれ34,807,36,333,38,789千台と推定した。日本の需要は,2000年が前年比9.1%増の7,084千台,2001年が7.8%増の7,638千台であったが,2002年には9.0%減少し,6,951千台になると推定した。世界需要に対する日本の構成比は,2000年22.5%,2001年23.0%,2002年20.8%となっている。


 <2>

パッケージエアコン

   2000年のパッケージエアコンの世界需要は,前年比11.2%増の10,336千台であったと推定される。2001年は前年比1.0%増加の10,436千台,2002年は4.5%減の9,968千台になるものと推定した。2003年,2004年,2005年については,10,444,10,850,11,276千台と推定した。このうち日本の需要は,2000年が707千台,2001年729千台,2002年700千台と推定した。世界需要に対する日本の構成比は,2000年6.8%,2001年7.0%,2002年7.0%となっている。

(2) 2000年までの生産と日本の輸出

 この調査に当たって,2000年までの生産量と日本の輸出量を調査・分析した。
 それによれば,2000年の世界のルームエアコン生産は35,564千台で,前年より17.3%増加した。日本の生産はほぼ前年並の6,432千台であった。世界生産に対する日本の構成比は,97年26.6%,98年25.0%,99年21.2%,2000年18.1%と減少傾向にある。
 2000年のパッケージエアコンの世界生産は,前年より10.5%増加して10,643千台となった。日本の生産は,前年より14.6%増の941千台であった。世界生産に対する日本の構成比は,97年11.6%,98年10.2%,99年8.5%,2000年8.8%となっている。
 一方,2000年の日本の輸出をみると,ルームエアコンは前年比11.3%減の542千台,パッケージエアコンは3.5%増の236千台であった。日本の輸出は日本以外の世界需要に対し,ルームエアコンで2.2%,パケージエアコンで2.5%であった。


図1 エアコンの世界需要推定


図2 ルームエアコンの世界需要推定


図3 パッケージエアコンの世界需要推定

 

2.世界のエアコン需要推定結果

 世界のエアコン需要推定(1997年〜2005年)を表1,世界のエアコン生産の推定(1997年〜2000年)を表2,日本のエアコン輸出の実績(1997年〜2000年)を表3に示す。


表1 世界のエアコン需要の推定(1997年〜2005年)

<1> エアコン合計 (単位:千台)
地 域
1997
(実績)
1998
(実績)
1999
(実績)
2000
(実績)
2001
(見込)
2002
(予測)
2003
(予測)
2004
(予測)
2005
(予測)
世界合計
 日本
 アジア
 中近東
 欧州
 北米
 中南米
 アフリカ
 大洋州
32,077
7,668
10,306
1,464
1,405
9,292
1,108
498
336
35,188
7,270
11,392
1,720
1,731
10,437
1,588
511
539
38,500  
7,121  
11,873
1,804
2,472  
12,408  
1,665  
670
487  
41,874
7,791
13,897
1,870
2,709
12,322
2,109
664
512
43,628
8,367
15,298
1,834
2,636
12,272
1,941
684
599
43,320
7,651
16,534
1,869
2,792
11,123
2,005
702
644
45,251
7,512
17,907
1,921
2,950
11,425
2,120
723
694
47,183
7,315
19,400
1,978
3,126
11,626
2,248
742
746
50,065
7,395
21,040
2,038
3,312
12,327
2,384
766
805

<3> パッケージエアコン
地 域
1997
(実績)
1998
(実績)
1999
(実績)
2000
(実績)
2001
(見込)
2002
(予測)
2003
(予測)
2004
(予測)
2005
(予測)
世界合計
 日本
 アジア
 中近東
 欧州
 北米
 中南米
 アフリカ
 大洋州
8,484
764
1,651
219
236
5,388
129
41
56
8,778
671
1,291
342
289
5,936
139
42
68
9,292  
629  
1,385
350  
338  
6,329  
142  
44  
75  
10,336
707
1,863
363
397
6,736
150
41
79
10,436
729
2,026
366
408
6,627
150
42
90
9,968
700
2,146
374
431
6,027
151
43
96
10,444
700
2,278
385
451
6,328
155
44
104
10,850
707
2,421
397
478
6,528
162
45
111
11,276
721
2,579
409
504
6,728
168
48
120

 

表2 世界のエアコン生産の推定(1997年〜2000年)

<1> エアコン合計  (単位:千台)
地 域
1997
(実績)
1998
(実績)
1999
(実績)
2000
(実績)
世界合計
 日本
 アジア
 中近東
 欧州
 北米
 中南米
 アフリカ
 大洋州
34,553
7,873
14,767
895
785
8,802
1,180
193
58
35,005
7,439
14,507
1,246
812
9,621
1,113
212
55
39,952
7,257
18,491
1,256
879
10,511
1,275
240
43
46,207
7,373
24,840
1,295
940
9,902
1,603
212
42

<2> ルームエアコン (単位:千台)
地 域
1997
(実績)
1998
(実績)
1999
(実績)
2000
(実績)
世界合計
 日本
 アジア
 中近東
 欧州
 北米
 中南米
 アフリカ
 大洋州
25,744
6,847
13,124
851
592
2,974
1,144
178
34
26,141
6,531
13,222
1,059
611
3,420
1,070
195
33
30,324
6,436
17,011
1,060
638
3,709
1,232
218
20
35,564
6,432
22,766
1,092
699
2,809
1,551
195
20

<3> パッケージエアコン  (単位:千台)
地 域
1997
(実績)
1998
(実績)
1999
(実績)
2000
(実績)
世界合計
 日本
 アジア
 中近東
 欧州
 北米
 中南米
 アフリカ
 大洋州
8,809
1,026
1,643
44
193
5,828
36
15
24
8,864
908
1,285
187
201
6,201
43
17
22
9,628
821
1,480
196
241
6,802
43
22
23
10,643
941
2,074
203
241
7,093
52
17
22


表3 日本のエアコン輸出の実績(1997年〜2000年)

 
<1> エアコン合計  (単位:千台)
地 域
1997
(実績)
1998
(実績)
1999
(実績)
2000
(実績)
世界合計
 アジア
 中近東
 欧州
 北米
 中南米
 アフリカ
 大洋州
982
513
127
251
28
10
11
42
802
313
109
251
27
12
17
73
839
185
121
425
51
10
11
36
778
183
54
434
42
6
6
54

<2> ルームエアコン  (単位:千台)
地 域
1997
(実績)
1998
(実績)
1999
(実績)
2000
(実績)
世界合計
 アジア
 中近東
 欧州
 北米
 中南米
 アフリカ
 大洋州
703
372
67
210
15
6
5
28
528
191
61
189
14
9
10
54
611
116
74
349
36
8
6
22
542
101
22
352
27
4
3
34

<3> パッケージエアコン  (単位:千台)
地 域
1997
(実績)
1998
(実績)
1999
(実績)
2000
(実績)
世界合計
 アジア
 中近東
 欧州
 北米
 中南米
 アフリカ
 大洋州
279
141
60
41
13
4
6
14
274
122
48
62
13
3
7
19
228
69
47
76
15
2
5
14
236
82
32
82
15
2
3
20


3.定義及び推定の手法(抜粋)

(1) 製品の範囲・区分

 推定の対象については,1.の概要の項に説明してあるが,ここで改めて整理すると次のようになる。

 <1>

製品の範囲

 

 住宅,ビルなどに用いるエアコンディショナーで,ユニットになったもの(いわゆる直膨式のエアコン)を対象とした。ヒートポンプ式の冷暖房兼用型はここに含んでいる。
 冷温水システムに用いるファンコイルユニット,エアハンドリングユニットは除外した。


 <2>

製品の区分

 
( i )

ルームエアコン

 

 一般的には,ルームエアコンとはウインド型のエアコンをいうが,日本では小型のセパレート型で家庭用として製造・販売されているものも含めて「ルームエアコン」という呼称が一般化している。このため,日本的な小型セパレート型エアコンを含めてルームエアコンとした。

( ii ) パッケージエアコン
   パッケージエアコンの呼称は一般的とはいえないが,日本の業界では,業務用として製造・販売されているセパレート型,シングルパッケージ型,リモートコンデンサー型の各種の製品を含んだ総称として使われているため,この範囲のものをパッケージエアコンとした。米国ではウインド型以外をユニタリーエアコンディショナー,ユニタリーヒートポンプと呼んでいるが,ここでは上記のとおり,日本式の分類を採用した。

(2) 地域の区分

 地域の区分は,日本を特掲し,それ以外は一般的に用いられている地域区分に従った。

(3) 1997〜2000年の需給推定の手法

 1997年から 2000の需給の推定に使用したデータおよび推定の手法は次のとおりである。

 <1>

使用データ

 
( i )

日本
 (社)日本冷凍空調工業会で調査・発表しているデータを使用した。なお,ここでは暦年を基本としているので,冷凍年度での需要量とは,若干のずれがあるので注意されたい。
 また,輸出についてはこの推定のため改めて調査したデータを使用した。

( ii )

日本以外
 需要量については,その地域で工業会があり,データを公表しているものは,入手できた範囲で使用した。それ以外については,委員が分担して各国の販売業者に問い合わせるなどして得られたデータを使用した。生産量についてはデータが乏しく,委員が分担して各地の製造業者に問い合わせるなどして得られた情報を使用した。
 輸出入については,各国で発表されている貿易統計を参考にするほか,委員が分担して現地に問い合わせるなどして得られた情報を使用した。


 <2>

推定の手法

 
( i )

日本の輸出,米国の輸出入統計など,信頼度が高いと見られるデータを優先しながら,地域別の輸出・輸入を推定した。

( ii ) 地域ごとの生産量,需要量を推定した。

 <3>

誤差

   次の要因により,この推定結果は若干の誤差を含んでいると思われるので,利用に当たっては十分留意されたい。
 
( i )

貿易統計のデータ不足(数量単位が重量のみとなっている等)

( ii ) データそのものの誤差(製品のカテゴリーの不揃い等)
( iii ) 生産量等のデータ不足

(4) 2001年〜2005の需要推定の手法

 2001から2005の需要推定については,上記で得られた 1997 年〜2000 年の推定値とその後の各地域での需要の動向に関する情報を勘案して作成した。

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