|
海外短信 |
ハッブル天体望遠鏡に冷凍装置を追加設置
1990年にNASAはハッブル天体望遠鏡を打ち上げた。この望遠鏡には近赤外線カメラ多目的スペクトロメータ(NICMOS)が装備されている。この装置には赤外線遮蔽装置が付いていて,星の観測をよりクリアにするようになっている。この遮蔽装置を十分に機能させるためには−352゜Fという超低温に保たなければならない。その冷却用に,当初はビア樽位の大きさの容器に固体窒素を充填した物が取り付けられていた。この装置は予想外の性能不良により窒素が沸騰してしまい,1999年1月以降使用不能になっていた。
今回,この望遠鏡の機能を改修しようとして,新しく2100万ドルを投じて開発された冷凍装置が追加され,天体観測が再開された。
この望遠鏡には,レーザ光線をニューヨークから発射して,ワシントンDCに置かれた10セント銅貨に当てる位の精度が要求されている。従って,冷凍装置は限りなく振動の少ない物でなければならない。
今回この冷凍装置に採用されたのは超小型の膨張タービンで,その大きさはフライドポテトの大きさである。加工はアーク溶接と同様に,金属をアークで蒸着させて成形する方法が採られた。こうしてできたタービンは40万rpmという超高速で運転されるので,振動を極限に押さえることができた。
このサイクルは逆ターボ・ブライトン・サイクルで,作動流体にネオンを使い,34.5psigから21.3psigまでネオンを膨張させて,−334゜Fから−343゜Fまで冷却する。
宇宙船は真空中で稼働するので熱バランスが特に重要で,今回の装置でも,大きさ13×3Ftの外部ラジエータに細心の注意が払われた。
3月8日早朝に行われたこの追加作業は,7時間20分の宇宙遊泳作業の末に,無事完了した。
[ Air Conditioning,Hearting and Refrigeration NEWS April 1 ]
本誌2月号でネッスルが自然冷媒に本格的に転向する方針であることを紹介したが,今回具体化した。
同社では,2003年にアーカンソー州ジョーンズボロに完成する最新鋭の冷凍食品工場に,CO2冷凍装置を採用している。この装置では,新たにCO2を3重点(ある圧力と温度の下で固体,液体,気体が同時に存在する状態)で貯蔵するという方法を採っている。これにより,−60°という低温を保ちながら電力のピークを回避することができるというメリットが生じてきた。
[Air Conditioning,Hearting and Refrigeration NEWS April 1 ]
気候変動に関する国際会議である「地球技術フォーラム」がワシントンで開催され,オゾン層保護について業界ができること,今後やって行こうとしている問題が討論され,新しい技術の重要性に注目が集まった。
ここでこの業界を代表する2社から,環境を保全しながら効率を高めた新しいチラーが発表されている。
トレーンからは,特許申請中の新型の S-Series“EarthWiseTM CenTra-Vac”ターボ冷凍機が発表された。この会社では,ボールベアリングメーカのSKF
USA Inc. と共同でセラミック軸受を開発し,従来からの潤滑油を排し,冷媒冷却を実現している。これにより複雑な潤滑油装置を除くことができ,さらに冷媒の油汚染がないので,チラーの性能劣化も防ぐことができた。その他にも,従来用いられてきたギア増速も止めてモータに直結し,構造をより簡素化している。これにより従来の物と比較してガスケット類が20%,ロー付け継手が30%,ねじ継手が50%,溶接部品が75%減り,フレア継手を全廃することができた。
もう一社のキヤリアからは,高効率可変速スクリュー冷凍機が発表された。同社によると,圧縮機の設計に革新的な手法を採用し,先進的な材料と製造方法を用いた結果,画期的な特性を得ることができたとしている。これまでの同種の機械と比べると,ASHRAE
90.1 のエネルギー基準条件において,効率が48%向上してフルロードでの所要動力は0.52kW/ton,さらに可変速モータの採用により部分負荷時の特性も0.30kW/tonという好結果を得ている。
また可変速モータを採用したことにより,力率が業界標準の0.90から0.99以上となり,エネルギー伝達損失を20%も改善することができた。
その他,全高調波歪(THD)もIEEE基準よりも5%以上減少し,電気設備に対する影響を極限まで減少することに成功し,騒音も業界標準の85dBaより下回ることができた。
[ Air Conditioning,Hearting and Refrigeration NEWS April 8 ]