機関誌「冷凍と空調」 / 2002.7 (NO.494)

資料紹介

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2000年の温室効果ガス排出,90年比8.0%増
地球環境保全に関する関係閣僚会議の報告から

 

 政府の地球環境保全に関する関係閣僚会議と地球温暖化対策推進本部の合同会議が7月19日開催され,京都議定書で定めた温暖化ガス削減目標達成に全力で取り組むことを決定しましたが,同時にこの会合の場で環境省より温暖化ガスの2000年度の排出量報告が行われました。ここでは,排出量に関する資料を紹介します。
(編集係)

1.温室効果ガスの総排出量

 2000年度の温室効果ガスの総排出量(各温室効果ガスの排出量に地球温暖化係数(GWP)(注1)を乗じ,それらを合算したもの)は,13億3200万トン(二酸化炭素換算)であり,京都議定書の規定による基準年(1990年。ただし,HFCs,PFCs及びSF6については1995年)(注2)(注3)の総排出量(12億3300万トン)と比べ,8.0%の増加となっている。また,前年度と比べると0.2%の増加となっている。

(注1) 地球温暖化係数(GWP:Global Warming Potential):温室効果ガスの温室効果をもたらす程度を,二酸化炭素の当該程度に対する比で示した係数。数値は気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第2次評価報告書(1995)によった。  
(注2)

京都議定書第3条第8項の規定によると,HFCs等3種類の温室効果ガスに係る基準年は1995年とすることができるとされている。

(注3) これまで我が国は,会計年度(4月〜3月)の排出量を報告してきたが,温室効果ガス排出・吸収量の算定に際し従うこととされている1996年改訂IPCCガイドラインでは,暦年で排出量を報告することとされている。今後は,排出量を会計年度から暦年に変更することについて,検討する必要がある。

表1 各温室効果ガスの排出量の推移
(百万t CO2 換算)
  GWP 基準年 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000
二酸化炭素
(CO2
1 1,119.3 1,119.3 1,138.5 1,148.9 1,136.4 1,194.8 1,208.0 1,219.4 1,219.4 1,191.7 1,232.8 1,237.1
メタン
(CH4
21 26.7 26.7 26.9 26.5 26.4 26.0 25.3 24.6 23.7 23.0 22.6 22.0
一酸化二窒素
(N2O)
310 38.8 38.8 38.4 38.7 38.5 39.4 39.6 40.5 41.0 39.7 34.0 36.9
ハイドロフルオロカーボン類
(HFCs)
HFC-134a :
1,300など
20.0           20.0 19.6 19.6 19.0 19.5 18.3
パーフルオロカーボン類
(PFCs)
PFC-14 :
6,500など
11.5           11.5 11.3 14.0 12.4 11.1 11.5
六ふっ化硫黄
(SF6
23,900 16.7           16.7 17.2 14.4 12.8 8.4 5.7
1,233.1 1,184.9 1,203.9 1,214.1 1,201.3 1,260.1 1,321.2 1,332.7 1,332.2 1,298.5 1,328.3 1,331.6
※基準年/CO2, CH4, N2O : 1990年度/HFCs, PFCs, SF6 : 1995年度

表2 二酸化炭素排出量の推移
  1990 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000
排出量(百万トン) 1,119.3 1,148.9 1,136.4 1,194.8 1,208.0 1,219.4 1,219.4 1,191.7 1,232.8 1,237.1
一人当たり排出量(トン/人) 9.06 9.23 9.11 9.56 9.62 9.69 9.67 9.42 9.73 9.75

 

2.各温室効果ガスの排出状況

(1) 二酸化炭素(CO2

 2000年度の二酸化炭素排出量は,12億3700万トン,一人当たり排出量は,9.75トン/人である。これは,1990年度と比べ排出量で10.5%,一人当たり排出量で7.6%の増加である。また,前年度と比べると排出量で0.4%の増加,一人当たり排出量で0.2%の増加となっている。
 部門別にみると,二酸化炭素排出量の約4割を占める産業部門(工業プロセスを除く)からの排出は,1990年度比で0.9%増加しており,前年度と比べると0.2%の減少となっている。
 運輸部門からの排出は,2000年度において1990年度比で20.6%の増加となったが,前年度と比べると2.1%の減少となっている。
 民生(家庭)部門からの排出は,2000年度において1990年度比で20.4%の増加となっており,前年度比4.1%の増加となった。民生(業務)部門は,1990年度比で22.2%の増加となっており,前年度比1.7%の増加となっている。

(2) メタン(CH4

 2000年度のメタン排出量は105万トン(実重量)であり,基準年と比べると17.4%減少した。また,前年度と比べると2.3%減少した。廃棄物の埋立による排出の減少が著しい。

(3) 一酸化二窒素(N2O)

 2000年度の一酸化二窒素(亜酸化窒素)排出量は11万9000トン(実重量)であり,基準年と比べると5.0%減少した。また,前年度と比べると8.5%増加した。今回新たに,農用地の土壌からの排出,廃水処理に伴う排出,航空機からの排出等を計上しており,このため1990〜1999年度の排出量のいずれについても,昨年公表した排出量より増加している。

(4) ハイドロフルオロカーボン類(HFCs),パーフルオロカーボン類(PFCs),六ふっ化硫黄(SF6

 2000年度のHFCs排出量は1830万トン(二酸化炭素換算)であり,基準年(1995年度)に比べると8.4%減少した。また,前年度と比べると6.2%減少した。HCFC-22の製造時の副生物による排出が引き続き大きく減少している。
 PFCs排出量は,1150万トン(二酸化炭素換算)であり,基準年(1995年度)に比べると0.1%減少した。 また,前年度と比べると3.8%増加した。半導体製造に伴う排出が前年度よりも増加している。
 また,SF6排出量は570万トン(二酸化炭素換算)であり,基準年(1995年度)に比べると65.7%減少した。また,前年度と比べると31.3%減少した。電力設備からの排出が最も減少している。

3.備考

(1) 各温室効果ガスの排出量については,最新の知見をもとに算定方法及び排出係数を修正したこと等に伴い,1990年度まで遡って再計算した。なお,排出量等の算定方法は,科学的知見の充実や国際的な検討の動向により,今後とも必要に応じて改良していく必要がある。

(2) 今回の大きな変更点として,一酸化二窒素における算定区分の追加や,これまで一次エネルギー供給量に基づいてエネルギー起源の二酸化炭素の排出量を算定してきたものを,今回から1996年改訂IPCCガイドラインに従い,各部門における燃料消費量に基づいて排出量を算定したことなどが挙げられる。

(注)参考1,2は編集係の責により環境省発表資料のグラフから作製した。

参考1 2002年度の二酸化炭素排出量の部門別内訳
産業部門 40.0% (31.0%)
運輸部門(自動車,船舶,航空機等 20.7% (20.2%)
民生(家庭)部門 13.5% (6.0%)
民生(業務)部門 12.3% (5.2%)
エネルギー転換部門(発電所等) 6.9% (30.9%)
工業プロセス(石灰石消費等)

4.3%

(4.3%)
廃棄物(プラスチック,廃油の焼却) 2.0% (2.0%)
その他(非燃料分等) 0.4% (0.4%)
注)
右欄カッコ内の数字は,各部門の直接の排出量の割合。左欄の数字は電気事業者の発電に伴う排出量を電力消費量に応じて最終需要部門に配分した後の割合を示す。
統計誤差,四捨五入等のため,排出量割合の合計は必ずしも100%にならないことがある。

 

参考2 二酸化炭素の排出量の伸び(1990年度比)
(百万t)
  1990年度 2000年度 1999年度比
産業 490 495 + 0.9%
運輸 212 256 +20.6%
民生(家庭 138 166 +20.4%
民生(業務) 124 152 +22.2%
エネルギー転換 77 86 +11.4%
工業プロセス

57

53 − 6.1%
廃棄物(プラスチック,廃油の焼却) 15 24 +57.5%

(注) 発電に伴う二酸化炭素排出量を各最終需要部門に配分した
排出量を基に作

 

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