機関誌「冷凍と空調」 / 2002.10 (NO.497)

資料紹介

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廃棄物・リサイクル制度の見直しの方向
中央環境審議会の専門委員会が報告

 

 環境相の諮問機関である中央環境審議会の廃棄物・リサイクル制度専門委員会は,廃棄物処理法の厳格な運用や拡大生産者責任の観点からの制度の拡充を内容とした報告をまとめた。今後,廃棄物処理法の改正を通じて実施に向けた取組みを進めるとしている。ここでは報告の要旨を紹介する。
(編集係)

廃棄物リサイクル制度の基本的問題に関する制度面の見直し等について(報告)

平成14年10月18日
中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会
廃棄物・リサイクル制度専門委員会
 

1 背景と経緯

 我が国の廃棄物の排出量については依然として高水準で推移しているところであるが,国民や産業界,地方公共団体等各方面における適正な廃棄物処理・リサイクルに対する関心の高まり等を背景として,廃棄物の定義・区分や処理責任の在り方,廃棄物処理に関する規制の在り方,廃棄物処理に関する排出者や生産者の役割等については,様々な問題提起がなされているところである。
<中略>
 こうした状況を背景として,平成13年8月,中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会に廃棄物・リサイクル基本問題専門委員会を設置し,制度面の見直し等についての検討結果を以下のように取りまとめた。

2 基本的視点
 <略>

3 制度見直しの主な論点

(1)  合理的な制度の確立による効率的な廃棄物処理・リサイクルの推進
   
  <1>現状 <略>
  <2>見直しの方向性
 
(ア)  基本的視点
 現行の許可制度は,適正な廃棄物処理・リサイクルを担保する観点から置かれている規制であり,今後とも現行と同様に厳格なものとすることが必要であるが,広域的・効率的な廃棄物処理・リサイクルを促進することは循環型社会の形成を図る上で必要であり,適正処理確保の観点からの規制は厳格なものとしつつ,その手続は合理的に,という視点が重要である。
(イ)  業及び施設に係る許可の特例制度の拡充
 リサイクルなどを行うために広域的に廃棄物が移動する場合の廃棄物処理業の許可については,事業者が共同して取り組むことにも配慮し,環境大臣の指定により地方公共団体ごとの許可の取得を不要とする特例制度である広域指定制度の積極的な拡充を図るとともに,指定基準の明確化を図るべきである。
 さらに,廃棄物の再生利用の促進のため,業・施設両方の許可を不要とする仕組みである再生利用認定制度については,認定対象範囲の拡大を検討するとともに認定基準の明確化を図り,可能なものから順次指定していくことが必要である。
(ウ)  物の性状に応じた施設許可制度の合理化
 一般廃棄物,産業廃棄物の区分に関わらず,物の性状に応じた効率的な処理・リサイクルを促進する観点から,同様の性状を有する一定の廃棄物の処理施設の設置の許可取得は,一般廃棄物又は産業廃棄物いずれか一方のみで足りることとする許可制度の合理化を行うことが適当である。
(エ)  保健所設置市の事務について
<略>
(オ)  リサイクルされる廃棄物に係る区分
 リサイクルに関する規制の合理化やリサイクルを求める観点から「リサイクルされる廃棄物」という新たな区分を設けてはどうかという指摘もあるが,排出時点では確実にリサイクルされるかどうかは物の性状のみでは明らかでない。従って,排出時点での区分を設けるのではなく,リサイクルする者及びその方法とリサイクルされる物とをセットにした,上記の広域指定制度等の特例制度や後述の拡大生産者責任の趣旨に基づく制度などで対応することが適当である。

(2)  不適正処理の防止・適正処理の確保
   
 不適正処理防止のための廃棄物の定義の在り方
  <1>現状 <略>
  <2>見直しの方向性
 
(ア)  基本的方向性
 (不要物の概念について)
 廃棄物について,その移動や保管その他の取扱いそのものを管理する必要性があるのは,取引価値がないこと等により不要であるために放置されるなどぞんざいに扱われ,それが原因で環境保全上の支障を生じる可能性を常にもっているためであり,不適正処理が後を絶たない現状,それに伴う住民の不信感が払拭されていない現状にかんがみ,環境保全の観点を重視し,不要物であるリサイクル可能物を含め,不要物全体を廃棄物として捉えることが必要である。
(リサイクル可能物かどうかを巡って生ずる問題について)
 現実に定義を巡って起きている不適正処理の事例の多くは,豊島事件や青森・岩手不法投棄事件などに象徴されるように,「不要物でないリサイクル可能物」であると事業者が称して不要物の不適正処理を行い,不要物の処理について法の規制を逃れようとする事例である。
 このような現実にかんがみ,法の網をくぐる悪質な行為を明らかにするに当たり,地方公共団体の行政調査をより行いやすくし,適切・適時に行政処分につなげることができるようにするため,その行政調査権限を強化することが必要である。
(イ)  留意すべき視点
 これら全ての見直しに当たっては,環境保全の観点を重視すべきであり,EU指令等における「廃棄・処理すべきもの」という概念も,環境保全の観点から必要な管理をすべきものを対象として捉えていこうという考え方の表れであると考えられる。即ち,スアで述べたとおり,環境の保全の観点を重視し,環境保全上適切に管理すべきものを対象として捉えるという視点が重要である。
(ウ) その他
 気体状のものについては,それ自体に管理可能性がなく,新たに廃棄物として取り扱うこととするのは困難である。一方,廃容器等に含まれる気体については,必要に応じて,問題となる気体が放出しないような廃容器等の処理基準を設定すること等により対処可能であると考えられる。
   
 不法投棄対策の充実
  <1> 現状 <略>
  <2> 見直しの方向性
 産業廃棄物の不法投棄対策については,産業廃棄物分野の構造改革と監視の強化による未然防止対策が第一である。また,不法投棄された産業廃棄物の原状回復は,不法投棄の行為者や斡旋を行った者のみならず,排出事業者を含めた関係者の責任で実施されることが原則である。これらの基本的な考え方を反映した平成12年に改正された廃棄物処理法の厳格な運用により,不法投棄対策を進めることが重要である。
   
 有害な廃棄物の適正処理の確保
  <1> 現状 <略>
  <2> 見直しの方向性 <略>

(3)  役割分担の適正化と,それによる排出抑制等の推進
   
 処理責任に着目した廃棄物の区分の在り方
  <1> 現状 <略>
  <2> 見直しの方向性
 処理責任に着目した廃棄物の区分の在り方としては,排出事業者責任を徹底し排出抑制の促進を図る観点から,事業活動に伴って排出される廃棄物は排出事業者の責任の下で処理すべきもの(事業系廃棄物)に区分し,日常生活に伴って排出される廃棄物は市町村の責任の下で処理すべきもの(生活系廃棄物)に区分することが,方向性としては考えられる。
 しかしながら,そのような排出事業者責任について,現在事業系一般廃棄物として整理されている廃棄物の排出事業者全てが負担しきれるかという問題がある。
 また,同一性状の廃棄物で排出源の違いにより別の区分となるようなものについては,処理責任も同一になるわけではないことから,処理責任に着目した区分は維持しつつ,効率的な処理・リサイクルの推進の観点から,例えば処理施設の設置許可について制度の合理化を進めることが必要である。
   
 排出者責任・拡大生産者責任による適正な処理・リサイクルの推進
  <1> 現状 <略>
  <2> 見直しの方向性
 
(ア)  排出者責任
 産業廃棄物の排出者責任については,数次の廃棄物処理法改正によりその強化が行われており,現在,優良な産業廃棄物処理業者の育成を進めるための産業廃棄物分野の構造改革が進展しているところである。引き続き,同法の厳格な施行により排出事業者の処理責任の徹底を進めることが必要である。
 一般廃棄物については,ア<2>で述べた事業活動に伴い排出されるものに関する排出事業者責任の強化のほか,国民も排出者として,地域特性等に応じて地方公共団体が行うごみ有料化や分別排出等の取組に協力するとともに,集団回収・リサイクル活動の実施・参加に努めることが重要である。
(イ)  拡大生産者責任
 拡大生産者責任の趣旨は,製品が使用済みとなった場合における環境負荷の管理・削減に最も支配力を有する生産者に一定の責任を求めることにより,使用済製品に係る環境負荷低減のメカニズムを市場に組み込み,環境コストを正しく市場に反映させることにある。
 これまでも,拡大生産者責任の趣旨については,我が国の法制度において,廃棄物処理法における適正処理困難物制度の導入などに端を発し,さらに,容器包装リサイクル法などのリサイクル関連法に活かされてきたところである。
 特に一般廃棄物の処理責任を有する市町村が有害性,危険性などの点から処理困難な物について,その適正処理を確保するため,拡大生産者責任の趣旨に基づき生産者による製品設計・素材選択の工夫や,引取り・処理などの取組を求める制度の一層の拡充が必要である。このような観点から,制度の対象となる要件を明確にした上で,必要に応じて柔軟に対応するため,生産者にこれらの取組を求める基本的な枠組みを設けることが必要である。
 また,生産者に引取り・処理を求める場合,又は,適正な引取り・処理と認められる取組を生産者が自主的に行う場合においては,必要に応じ,(1)で述べた広域指定制度等による廃棄物処理法上の業の許可の特例を適用することにより,これらの取組を促進する手法も組み合わせることが適当である。
 なお,不法投棄された廃棄物が拡大生産者責任の趣旨に基づく制度の対象となる一般廃棄物である場合の不法投棄の処理については,そもそも投棄を行った者の違法行為であるので,行為者に一義的責任があり,その責任を追及することは当然であるが,他方,拡大生産者責任の趣旨に基づく制度を進める中で,適正な処理・リサイクルルートを構築するなどの役割を生産者が果たし,より実効性を高めて,不適正処理を未然になくすようにしていくことが必要である。その上で,拡大生産者責任の対象となるものの不法投棄の処理について生産者に一定の役割を求めるという考え方については,引き続き検討が必要である。
   
 産業廃棄物行政の円滑な執行
  <1> 現状 <略>
  <2> 見直しの方向性
 
(ア)  住民同意・流入規制対応
<略>
(イ)  産業廃棄物行政の事務区分
<以下略>

現行の廃棄物処理業・施設に関する特例制度の概要

  広域指定制度 再生利用認定制度
特例の内容  一定の条件を満たす廃棄物の再生利用等を行う者について,廃棄物処理業の許可を不要とする。  一定の廃棄物の再生利用について,その内容が生活環境保全上の支障がない等の基準に適合していることを環境大臣が認定。認定を受けた者は,廃棄物処理業及び廃棄物処理施設設置の許可を不要とする。
対象となる
廃棄物

<1> 一般廃棄物

  • 広域的な再生利用に対する環境大臣の指定(廃スプリングマットレス
  • 家電リサイクル法に係る収集運搬を行う運輸事業者に対する環境大臣の指定
  • 再資源化等に協力することが適切である製造業者等に対する環境大臣の指定(廃パソコン,廃二次電池
  • このほか,市町村長も一般廃棄物の再生利用について指定可能

<2> 産業廃棄物

  • 広域的な再生利用に対する環境大臣の指定(廃パソコン,石膏ボード,廃パチンコ台等
  • このほか,都道府県知事も産業廃棄物の再生利用について指定可能

<1> 一般廃棄物

  • 廃ゴムタイヤ(セメント原材料として再生利用する場合)
  • 廃プラスチック類(製鉄還元剤として再生利用する場合)
  • 廃肉骨粉(セメント原材料として再生利用する場合)

<2> 産業廃棄物

  • 廃ゴムタイヤ(セメント原材料として再生利用する場合)
  • 廃プラスチック類(製鉄還元剤として再生利用する場合)
  • 建設無機汚泥(スーパー堤防の築造材として再生利用する場合)

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