機関誌「冷凍と空調」 / 2002.11 (NO.498)

グラフ2002

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生産額,15年ぶりの2兆円割れ
2002冷凍年度の冷凍空調機器実績

 

 2002冷凍年度の冷凍空調機器のデータがまとまった。生産額は1兆8639億円で前年比9.7%減となった。出荷額も2兆100億円で,前年比12.2%の大幅減少となった。
 ここでは,金額ベースでは主に経済産業省・財務省の統計から,出荷ベースは主に工業会の統計からグラフ化して紹介する。
(編集係)

1 概 況

●生産額

 経済産業省の機械統計による2002冷凍年度の冷凍空調機器の生産額は1兆8639億円,前年比では9.7%の減少となり,1987年の1兆9808億円以来,15年ぶりの2兆円割れとなった。生産額は2001冷凍年度に5年ぶりに0.5%の微増となったが,2002冷凍年度は再び大きな減少となった。2002年の水準を過去のピーク時と比較すると,1992年の2兆9442億円に対して36.7%の減少である。

冷凍年度は前年の10月から当年の9月までの1年間で,2002冷凍年度は2001年10月から2002年9月までとなる。
** ここでいう冷凍空調機器は,経済産業省の機械統計(生産動態統計調査のうち機械器具に関する調査)のうち,「冷凍機及び冷凍機応用製品」の調査票に掲名された範囲の製品で,電気冷蔵庫や自動販売機は含んでいない。

 製品分野別では,乗用車・トラックエアコン用の圧縮機と輸送機械用のエアコンがわずかな増減にとどまった以外,いずれも大幅な減少となった。
 生産額を個別にみると,冷凍空調用圧縮機の乗用車・トラックエアコン用が2325億円で前年比1.2%増,一般冷凍空調用は1332億円で23.6%減となった。空気調和関連機器では,輸送機械用エアコンが3878億円で2.1%の減少。ユニット型エアコンのうち小型エアコンは5453億円で14.5%の減少となり,中大型エアコンも2993億円で10.0%減少である。空調設備用機器は846億円で11.2%の減少,冷凍冷蔵関連機器は1617億円で5.5%の減少である。冷却塔は105億円で24.1%の大幅減少となった。

国内総生産(GDP)実質前年比 冷凍空調機器の生産金額

●販売額

 同じ経済産業省統計による2002冷凍年度の冷凍空調機器の販売額(メーカー出荷ベース)は,前年比12.2%減の2兆100億円となった。販売額は2000年,2001年とわずかながらも増加していたが,再び大幅な減少に転じたことになる。2002年の水準は,1988年に2兆円台に乗せて以来の低水準である。ピーク時との比較では,1991年の2兆8100億円に比べ28.5%の減少である。
 製品分野別では,輸送機械用エアコンと冷凍冷蔵機器が微減となった以外,いずれも大幅な減少で,特にユニット型エアコンの減少が目立っている。
 販売額を個別にみると,冷凍空調用圧縮機の乗用車・トッラクエアコン用が3102億円で前年比13.9%減,一般冷凍空調用が531億円で25.9%減となった。空気調和関連機器では,輸送機械用エアコンが3958億円で前年比2.0%減少。ユニット型エアコンのうち小型エアコンは6372億円で17.7%の減少を示し,中大型エアコンも3345億円で11.9%の減少となった。空調設備用機器は909億円で8.5%の減少となり,冷凍冷蔵関連機器は1665億円で2.5%の減少,冷却塔は106億円で23.0%減となった。

冷凍空調機器の販売金額

●輸出額

 財務省の貿易統計による2002冷凍年度の冷凍空調関連の輸出額は,部品を含めて3764億円で,前年比0.3%の減少となり,96年の4426億円以降6年連続の減少となった。厳密には範囲は異なるが,生産額対比での輸出比率は20.2%,前年比1.9ポイントの増,販売額対比では18.7%,前年比2.1ポイント増加した。構成比の増加は,生産額・販売額の減少によるものである。
 個別で主なものは,冷凍空調用圧縮機の自動車エアコン用が1683億円で前年比8.2%増加,一般冷凍空調用は325億円で1.6%の減少となった。空気調和関連機器ではユニット型エアコンが703億円で4.0%減,エアコンの部品は578億円で前年比16.2%の減少となった。冷凍冷蔵関連機器は337億円で前年比7.4%の増加であった。

冷凍空調機器の輸出金額

●輸入額

 財務省統計による2002冷凍年度の冷凍空調関係の輸入額は1332億円で,前年比24.1%と2年連続のの大幅な増加となった。
 分野別では,冷凍空調用圧縮機が112億円で15.1%減,空気調和関連機器が1048億円で38.3%増,このうちユニット型エアコンが759億円で39.1%増,冷凍冷蔵機器が172億円で6.4%減となった。

冷凍空調機器の輸入金額

2 冷凍空調用圧縮機

 経済産業省統計による2002年度の冷凍空調用圧縮機の生産は総計で3164万台,3657億円で,前年比はそれぞれ8.5%,9.5%の減少である。販売(メーカー出荷ベース)も2832万台,3634億円となり,19.7%,15.9%といずれも大幅な減少となった。

冷凍空調用圧縮機の生産金額

◆カーエアコン用圧縮機

 乗用車・トラックエアコン用圧縮機は生産が2018万台,2325億円で前年比はそれぞれ2.9%,1.2%の増加であった。一方,販売は2225万台,3102億円でそれぞれ17.9%,13.9%の大幅減少となっている。財務省統計による輸出は,自動車のエアコン用として1454万台,1683億円が記録されている。
 生産−輸出で内需を計算すると564万台となるが,これは,圧縮機を含んだ製品としての乗用車・トラックエアコンの生産919万台と大きくへだたっている。いずれにしても,この分野での統計は大きな誤差を含んでいるものと考えられる。

◆一般冷凍空調用圧縮機

 一般冷凍空調用の圧縮機は,経済産業省統計によると,生産が1147万台,1332億円となり,それぞれ23.5%,23.6%の大幅な減少を示した。販売も607万台,531億円で,それぞれ25.4%,25.9%の大幅な減少となった。生産と販売の大きな落差は,同一企業内で圧縮機から応用製品まで生産した場合,圧縮機の生産はカウントするが,販売はカウントしないためである。財務省統計による輸出は,320万台,前年比5.4%の減少を示し,金額も325億円,1.6%減となっている。各種応用製品の生産数量を合計すると約1040万台となり,これを国内消費とすると下の図のようになる。なお,ここでの圧縮機には,家庭用の冷蔵庫や自動販売機などに組み込まれる圧縮機を含んでいる。

一般冷凍空調用圧縮機の需給

3 空調関連機器

 経済産業省統計による2002冷凍年度の空気調和関連機器の生産は1兆3260億円,前年比10.0%の減少となり,販売も1兆4696億円,前年比12.1%の減少であった。財務省統計による空気調和関連機器・部品の輸出は1419億円,前年比10.1%の減少,一方の輸入は1048億円で,38.3%の急増となった。

◆輸送機械用エアコン

 経済産業省統計によると,カーエアコンを中心とする輸送機械用エアコンの生産は3878億円,前年比2.1%の減少となり,販売も3958億円,2.0%の減少となっている。
 台数ベースでみると,輸送機械用エアコンの販売(出荷)は925万台,前年比1.1%の減少を示している。このほとんどが乗用車・トラック用のいわゆるカーエアコンで922万台,前年比1.1%の減で,バス・列車用等は3.2万台,前年比16.5%増加している。
 カーエアコンについての工業会調査(会員分)では,国内向けが506万台,前年比2.2%減少し,輸出車向けが414万台,3.6%の減少となり,合計で919万台,3.5%のマイナスとなっている。なお,財務省の輸出統計では,自動車用エアコンが18.1万台となっているが,これはエアコン単品での輸出を示すものである。
 工業会統計によるバスエアコンは1万489台,前年比4.8%の減少となった。

四輪車国内販売+輸出台数の推移 自動車(輸送用)エアコンの生産金額
自動車統計/四輪車(国内生産)の推移 カーエアコンの国内出荷数量
自動車統計/四輪車(国内販売)の推移 カーエアコンの輸出向け出荷数量
自動車統計/四輪車(輸出)の推移 バスエアコンの国内出荷数量

◆除湿機

 経済産業省統計による2002冷凍年度の除湿機は生産は90億円,前年比29.4%減少し,販売は113億円,27.4%の減少であった。
 台数ベースの販売は38.9万台,27.1%減と3年連続の大幅減少となった。

◆ユニット型エアコン
 経済産業省統計によるユニット型エアコン(ウインド型,セパレート型,シングルパッケージ・リモートコンデンサー型の合計)の生産額は,8445億円,前年比12.9%の減少となった。昨年96年以降の連続減少から5年ぶりに増加に転じたものの,再びの大幅減少となった。販売額も9716億円,前年比15.8%の減少となった。販売額も96年以来減少し,2000年,2001年と2年連続でわずかながら増加に転じていたが,再び大幅な減少に転じた。ユニット型エアコンの販売額が1兆円を下回ったのは1987年以来15年ぶりで,ピークとの対比では1991年の1兆5764億円に比べ38.7%の減少である。
 販売のうち,小型エアコン(ウインド型とセパレート型のうち圧縮機出力2.25kWまでの合計)では6372億円で前年比17.7%の減少,中大型エアコンは3345億円で前年比11.9%の減少であった。
 財務省統計によるユニット型エアコンに関連する品目の輸出額の合計は703億円,前年比4.0%の減少であった。輸入は759億円で前年比39.1%の増となった。これら金額に含まれる製品がすべてエアコンであるかは不明な点もあるが,2002年については輸入超過に転じたとみられる。なお,財務省統計では,ユニット型エアコンとみられる輸入が410万台にのぼっているが,これには冷凍機として掲名されているものも含めてあること,セパレート型のエアコンの室内ユニット・室外ユニットがダブルでカウントされる可能性があることから,これらを調整すると2002年の輸入は200万台,600億円程度に達していると推計される。
 生産,輸出,輸入から金額面での需給を試算すると,2002年度の内需は8400億円程度の水準になったことになり,販売額統計の水準とやや矛盾するが,詳細は不明である。

◆家庭用エアコン

 工業会統計による家庭用エアコン(ルームエアコン)の出荷統計では,国内出荷が690.2万台で,前年比10.1%の減少となった。家庭用エアコンの国内出荷は99年の647万台を底に2000年,2001年と回復に向かっていたが,一転,需要減退となった。輸出は37.5万台で前年比5.5%減少している。国内出荷と輸出を合計した家庭用エアコンの総出荷台数は727.7万台となった。
 経済産業省統計による小型エアコンは生産台数が539万台で前年比12.9%の減少,販売は698万台で前年比18.8%の減少となっている。

住宅着工(新設住宅)戸数の推移 住宅着工(新設住宅)戸数の推移
気象状況の推移 家庭の家具・家事用品への支出
小型エアコンの生産金額 家庭用エアコンの国内出荷数量
ルームエアコンの輸出数量  
 

◆業務用エアコン

 工業会調査による業務用エアコン(パッケージエアコン)の出荷統計では,国内出荷が66.8万台で前年比8.9%の減少となった。国内出荷は2000年,2001年と2年連続の増加であったが,2002年は再び大幅な減少に転じたことになる。一方で輸出は12.6万台で,前年比27.2%の減少となった。国内出荷と輸出を合計した総出荷台数は79.4万台に達した。
 経済産業省統計による中大型エアコンの生産台数は86万台,販売は97万台となっている。

建築着工(非住居用)床面積の推移 建築着工(非住居用)床面積
中・大形エアコンの生産金額 業務用エアコンの国内出荷数量
業務用エアコンの輸出数量

◆ガスエンジンエアコン

 ガスエンジンヒートポンプエアコンの国内出荷は,工業会調査で2002冷凍年度は4万826台,前年比11.8%の減少となった。また総冷房能力は152万kWで,前年比10.4%の減少となった。
 工業会調査の発表を始めた1994年度は2万7794台で,2000年には4万8593台に達していたが,2001年の5%減に続く2年連続の減少となった。

ガスエンジンヒートポンプエアコンの国内出荷数量

◆全熱交換器

 工業会調査による2002冷凍年度の全熱交換器の国内出荷は,業務用が10.5万台で前年比3.3%増,設備用は2850台で2.3%減であった。

全熱交換器の国内出荷数量

◆空調設備用機器

 冷温水システムを構成する機器を空調設備用機器としてまとめて見ているが,経済産業省統計による2002冷凍年度の生産額は846億円,前年比11.2%の減少で,販売額も909億円,8.5%の減少であった。販売額のピークは1991年で1431億円を記録したが,当時より35%近く落ち込んだ水準になっている。

空調設備用機器の生産金額

◆熱源機器

 空調設備用機器のうちの熱源機器は,経済産業省統計によると生産額が481億円で前年比11.9%減,販売額は544億円で6.4%の減少となった。輸出は財務省統計によると45億円,2.5%の増である。
 工業会調査による台数ベースの国内出荷では,チリングユニットが8658台で前年比13.9%の減少となった。吸収式冷凍機は2914台,前年比10.7%の減少,ターボ冷凍機は235台,41.4%の減少となった。

熱源機器の国内出荷数量 ―工業会調査―
1. チリングユニット 2. 吸収式冷凍機
3. ターボ冷凍機
 
 

◆空気調和器

 空調設備用機器のうちの空調器は,経済産業省統計による生産額は2002冷凍年度が365億円,前年比10.2%の減少となり,販売額も364億円,10.2%の減少となった。
 工業会調査による空気調和器の国内出荷は,ファンコイルユニットが19.0万台で前年比1.4%減,エアハンドリングユニットは2万6592台で5.3%減となっている。

空気調和器の国内出荷数量 ―工業会調査―
ファンコイルユニット エアハンドリングユニット

4 冷凍冷蔵機器

 経済産業省統計による2002冷凍年度の冷凍冷蔵機器の生産額は1617億円で,前年比5.5%の減少となった。また販売額も1665億円,前年比2.5%の減少となり,全体では依然厳しい状況が続いている。冷凍冷蔵機器の過去のピークは,生産が96年の2197億円,販売が97年の2289億円であり,ピークに対して生産で26%,販売で27%ダウンした水準にある。
 財務省統計による輸出は,部品を含めて337億円,前年比7.4%増,輸入は172億円で,6.4%の減少となった。

冷凍冷蔵機器の生産金額

◆輸送用冷凍冷蔵ユニット

 輸送用冷凍冷蔵ユニットの2002冷凍年度は,経済産業省統計によると生産額220億円,販売額224億円で,前年比はそれぞれ21.5%,32.5%の増加である。
 工業会統計による輸送用冷凍冷蔵ユニットの国内出荷は,2万6144台で,前年比15.3%の減少となった。2001年は工業会統計の調査を始めて以来の最高を記録したものの,2002冷凍年度は減少に転じた。

輸送用冷凍冷蔵ユニットの国内出荷数量

◆サービス関連機器

 経済産業省統計によると,2002冷凍年度の金額ベースでみると,フリーザーは生産139億円,販売149億円で,それぞれ21.7%,20.0%の減少となった。また,製氷機は生産107億円,販売107億円で,それぞれ11.3%,6.6%の減少である。なお,ウォータークーラーは生産16億円,販売14億円であった。
 工業会統計による国内出荷は,製氷機は6万8520台で前年比1.3%の減少となった。ウォータークーラーは3万2463台で前年比10.3%の減少である。業務用冷蔵庫は17.2万台で前年比3.0%の増加となった。

業務用冷蔵庫の国内出荷数量 製氷機の国内出荷数量

◆冷凍冷蔵ショーケース

 経済産業省統計による冷凍冷蔵ショーケースの2002冷凍年度の生産額は663億円で,前年比4.1%の減少となった。販売額は697億円で前年比2.4%の減少である。
 工業会統計によると,冷凍冷蔵ショーケースの2002冷凍年度の国内出荷は37.0万台で,前年比2.7%の減少となっている。このうち冷凍機内蔵形は27.3万台,前年比4.2%の減少である。冷凍機別置形は9万6486台で,前年比2.1%の増加であった。

冷凍冷蔵ショーケースの国内出荷数量 ―工業会調査―
冷凍機内蔵型
冷凍機別置型

◆冷凍冷蔵ユニット・コンデンシングユニット

 経済産業省統計による冷凍冷蔵ユニットの2002冷凍年度の生産は171億円,前年比1.0%の減少,販売は158億円,前年比5.4%の減少であった。冷凍冷蔵用コンデンシングユニットは,生産が302億円で前年比13.5%の減少,販売は316億円で前年比7.0%の減少を示している。  
 工業会調査による冷凍冷蔵ユニットの国内出荷は4万3884台,前年比10.9%の減少を示している。冷凍冷蔵用コンデンシングユニットは12.5万台,前年比6.7%の減少となった。

冷凍冷蔵ユニットの国内出荷数量 コンデンシングユニットの国内出荷数量

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