機関誌「冷凍と空調」 / 2002.12 (NO.499)

資料紹介

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家電リサイクル法におけるフロン対策を強化
産構審・中環審の専門委が報告

 

 家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)は平成13年4月1日に本格施行されましたが,その後,業務用冷凍空調機器,自動車用エアコンを対象にしたフロン回収破壊法(特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保に関する法律)が完全施行されたのを受けて,主としてフロン回収に関する規定の見直しが行われることになりました。この問題に関する産業構造審議会・中央環境審議会の専門委員会の報告を紹介します。
(編集係)

家電リサイクル法におけるフロン対策の強化について

平成14年11月
産業構造審議会/環境部会/廃棄物・リサイクル小委員会/電気・電子機器リサイクルワーキンググループ
中央環境審議会/廃棄物・リサイクル部会/家電等リサイクル専門委員会

 家電リサイクル法は,概ね順調に施行初年度を終了したところであるが,フロン回収破壊法の完全施行(平成14年10月)等フロン対策の進展を考慮し,家電リサイクルにおいても,フロン対策の強化が必要である。

1.家電リサイクル法におけるフロン対策の位置づけ(現状)

(1)  家電リサイクル法においては,製造業者等に対し,生活環境の保全に資するもので再商品化等と一体的に行うことが特に必要かつ適切であるものを,再商品化等を行う際に同時に行わなければならないこととしている。
(2)  その具体的内容は政令で定めることとしており,家庭用エアコン及び家庭用冷蔵庫の冷媒として使用されているフロン類の回収と,回収されたフロン類の再利用又は破壊が義務付けられている。
(3)  また,断熱材フロンについては,平成11年6月に策定された家電リサイクル法の基本方針において,適正かつ能率的な回収並びに再利用及び破壊のための技術開発及び施設整備に努めることが必要であるとされている。

2.強化すべきフロン対策

(1) 家庭用冷蔵庫の断熱材フロン対策
 <1>  家庭用エアコン及び家庭用冷蔵庫の冷媒に用いられるフロン類については,家電リサイクル法施行令第3条で,回収及び再利用又は破壊が義務づけられている。他方,家庭用冷蔵庫の断熱材に含まれるフロン類(断熱材フロン)については,技術的困難性等もあったため,かかる義務は課されていない。
<2>  家庭用冷蔵庫の断熱材の発泡に用いられるフロン等については,90年代後半以降特定フロン(CFC)は使用されておらず,代替フロン(HCFC)についても,順次,炭化水素(シクロペンタン)への切り替えが進んでいる。
<3>  これまでの使用量に基づく断熱材フロンの推定残存量(2000年)は,表1のとおりである。家庭用冷蔵庫は,特定フロン(CFC)及び代替フロン(HCFC)合計で18,319トン(全体の17%)と,建材の80,967トン(同75%)に次ぐ推定残存量を有している。
<4>  上記の推定残存量が,使用済み家庭用冷蔵庫として,今後,どのように排出されるかの予想は,次のとおり。
1) 特定フロン(CFC)を断熱材に用いた冷蔵庫は,排出台数に占める割合でみると,2001年度の約90%から,2009年度にはほぼなくなると見込まれる。
2) 代替フロン(HCFC)を断熱材に用いた冷蔵庫は,排出台数に占める割合でみると,2001年度の10%弱から,2004〜2009年度には30〜40%で推移すると見込まれる。
3) 炭化水素(シクロペンタン)を断熱材に用いた冷蔵庫は,排出台数に占める割合でみると,2001年度のほぼ0%から,2009年度には60%以上に増加すると見込まれる。
<5>  家庭用冷蔵庫の断熱材フロンの回収・破壊技術について,検討を行った結果,活性炭方式,直接分解方式等の方式が考えられる。
<6>  これらの方式による断熱材フロンの回収・破壊の実施については,実用施設で行うのは初めての試みであり技術的に困難であったこと,また,密閉型破砕機を導入する必要がある等経済的にも対応が困難であったこと等から,平成13年4月の家電リサイクル法の完全施行時には,義務づけが見送られた。
<7>  しかしながら,家電リサイクル法の基本方針を踏まえた製造業者等の努力により,家庭用冷蔵庫のリサイクルを実施する再商品化施設(20施設)において,断熱材フロンの回収に必要な密閉型破砕機の導入等が進展しつつある。また,密閉型破砕機については,運転開始当初,断熱材に由来すると考えられる火災事故の発生が見られたものの,かかる事故を踏まえた運転条件の制限,装置の改善等を行った結果,最近は概ね安定した操業が可能となってきている。
<8>  このため,フロン類の回収・破壊等を一層進める必要性を踏まえ,家庭用冷蔵庫の断熱材フロンについても,回収・破壊等を義務づける(政令改正)こととする。
<9>  これに伴い,廃棄物処理法に基づく廃家電の処理基準も併せて見直す(環境大臣告示改正)こととする。

(2) 家庭用冷凍庫の取り扱い
 <1>  家庭用冷凍庫の国内市場は,2001年で約45万台であり,同約489万台の家庭用冷蔵庫に対する割合は,1割以下である。また,同年における推定排出量は,約17万台と少ない。
<2>  他方,冷凍冷蔵庫を含む家庭用冷蔵庫が対象となっている中で,同様の機能を有する冷凍庫が対象であるか否かについて疑問を有する消費者や販売店からは,「家庭用冷凍庫が対象となるか否か」という問い合わせが比較的多く寄せられている。
<3>  家庭用冷凍庫については,素材構成や構造が家庭用冷蔵庫とほぼ同等であることから,家庭用冷蔵庫と同様に再資源化を行うことが可能である。このため,上記の問い合わせに対しては,「冷蔵庫と同様に家電リサイクル券を用いて排出頂ければ,引取り,リサイクルします」と回答し,対応してきている。
<4>  このような状況を踏まえ,法制上可能な場合は,排出量は少ないものの,消費者の混乱回避の観点から,家庭用冷凍庫についても家庭用冷蔵庫と同一の対象品目に加える(政令改正)こととする。

(3) 帳簿記載事項の厳格化
 <1>  家庭用エアコン及び家庭用冷蔵庫の冷媒フロンの回収・破壊等に関しては,家電リサイクル法施行規則第47条第1項トで,「回収し,これを破壊した場合には,当該冷媒として使用されていたものの重量」が製造業者等の帳簿記載義務とされている。
<2>  しかしながら,施行初年度に発生した家電処理施設における冷媒フロンの大気放出事件の経験を踏まえ,上記帳簿記載義務事項を「回収重量」,「破壊業者等への出荷重量」,及び「破壊重量」に詳細化し(省令改正),フロン管理の徹底を図ることとする。
<3>  家庭用冷蔵庫の断熱材フロンに関しては,仮に(1)の検討の結果,回収・破壊等を義務づけたとしても,工程上,活性炭方式で液化された場合以外は,フロンとして分離されないことから,計量が不可能である。
<4>  このため,家庭用冷蔵庫の断熱材フロンについては,活性炭方式で液化されたものの「回収重量」,「破壊業者等への出荷重量」,及び,「破壊重量」を帳簿記載事項とし,管理の徹底を図ることとする。

 

表1 使用量に基づく断熱材フロンの推定残存量
(2000年,単位:t,%)
  建材 家庭用冷蔵庫 その他(*3) 合 計
CFC(*1)
27,421
  (25.4%)
8,031
(7.4%)
4,496
(4.2%)
39,947
(37.0%)
HCFC(*2)
53,546
(49.6%)
10,288
(9.5%)
4,162
(3.9%)
67,996
(63.0%)
合計
80.967
(75.0%)
18,319
(17.0%)
8,658
(8.0%)
107,943
(100.0%)
(*1) CFC-11,12
(*2) HCFC-141b,22,142,142b
(*3) プラント,船舶,車両,業務用冷蔵庫,自動販売機等
(出典:平成12年度環境省調査)

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