機関誌「冷凍と空調」 / 2003.1 (NO.500)

資料紹介

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「HFCの責任ある使用の原則」を策定

 

 経済産業省,米国環境保護庁,国連環境計画と,日米他の25の事業者団体はHFC使用のための自主ルール「HFCの責任ある使用の原則」を策定し,昨年11月29日,経済産業省と米国環境保護庁で同時発表しました。発表文と「HFCの責任ある使用の原則」の全文を紹介します。

「HFCの責任ある使用の原則」の策定について(要旨)

平成14年11月29日
経済産業省

 今般,経済産業省,米国環境保護庁,国連環境計画及び日,米等の25の事業者団体は,HFC(ハイドロフルオロカーボン:いわゆる代替フロン)の排出抑制のため,責任ある使用のための自主的ルール(「HFCの責任ある使用の原則)」を策定した。このルールに参加した行政機関及び事業者団体は,これを履行することにより,HFCの排出抑制に積極的に取り組んでいく。

1.背景

HFCは,モントリオール議定書に基づき生産・使用の削減が進められているオゾン層破壊物質(特定フロン)の代替物質として,冷凍空調機,発泡断熱材,噴射剤,溶剤(洗浄剤),消火剤,MDI(喘息等の治療に使用される噴射吸入剤)等の用途に広範に使用されている。
HFCは,低毒性,経済性,安全性,エネルギー効率の点で長所がある。
一方,HFCは温暖化効果を持つ物質であるため,京都議定書の対象とされており,国際的にその排出抑制が求められている。
このため,関係行政機関及びHFCを製造・使用する事業者団体は,国際的な協調の下,環境,安全,健康,エネルギー効率,経済性といった要因とバランスをとりつつ HFCの排出抑制を推進するために,責任をもった HFCの使用のための自主的ルールを策定し,これを履行していくこととした。

2.参加機関

<行政機関>
・経済産業省
・米国環境保護庁(EPA)
・国連環境計画(UNEP)

<事業者団体(国内9団体,海外16団体)>

・オゾン層保護対策産業協議会
・(社)日本電機工業会
・(社)日本電子情報技術産業協議会
・日本フルオロカーボン協会
・(社)日本冷凍空調工業会
・等国内9団体のほか,アメリカ,カナダ,オーストラリア,ヨーロッパ,中国の16団体

3.「HFCの責任ある使用の原則」のポイント

ポイントは以下のとおり。
HFCは,必要な用途を選んで使用する。
製造から使用,廃棄にわたる各段階において,HFCの排出の最小化とエネルギー効率の最大化を図る。
HFCの回収,再利用,破壊を促進する。
実用可能な代替物質を検討する。
さらに,以下の個別用途毎にも,使用に関する原則を定めている。
HFC製造,冷凍・空調,消火剤,発泡断熱材,家庭用冷蔵庫,噴射剤,溶剤(洗浄剤)カーエアコン

 



HFCの責任ある使用の原則

1.HFCの責任ある使用の原則

HFCは先進国及び途上国において,MDI,断熱,冷凍,空調,エアゾール溶剤(洗浄剤),消火剤といった重要な用途に用いられている。
HFCはモントリオール議定書に基づくオゾン層破壊物質の段階的削減のために必要である。
HFCは京都議定書の温室効果ガスに含まれる。
HFCは毒性が低く,経済性が高く,安全で,多くの用途において高いエネルギー効率を有する。
責任ある使用が守られなければ,2050年までにHFCは温室効果ガス総量の2%を占めることになるものと予測されている。
各国政府,国際的な組織,HFC を製造及び使用している産業界から成るパートナーシップによって,次のような内容の責任ある使用の原則が世界的に適用されることを目指している。
  • HFCは,健康,安全,環境,技術,経済,その他公益に資する用途を選んで使用すること。
  • 化学品製造工程及び機器の使用廃棄時の HFC排出については,費用対効果の高い技術を用いて,現実的な範囲で最小のレベルまで抑制すること。
  • HFC製造プラントは,HFC排出量ゼロの目標をもって設計・操業すること。
  • HFCを使用するシステムは,排出量を最小に,エネルギー効率を最大にするよう設計,操業,維持すること。
  • 技術的及び経済的に実用的な場合には,使用済み HFCについて,回収・リサイクル・再生・破壊を行うこと。
  • HFC処理についての包括的な技術者訓練を充実させ,法令上の規制や運用基準の遵守を担保するようにすること。
  • HFCに係る機器の設置及び整備,HFCの運搬及び保管に際しては,諸基準を遵守し,適切な場合には基準を超えて行うこと。
  • HFCの製造の正確な届け出をするとともに,正確に排出量を推計するモデルを開発すること。
  • 技術・環境・経済の面で実用的な代替物質を検討すること。

2.社会にとってバランスのとれた手法としてのHFC

国の気候変動プランは,包括的アプローチにより,HFCを含む6種類の温室効果ガスの排出を抑制することとしている。HFCに関するプランは,環境・安全・健康・エネルギー効率・経済といった要因と十分にバランスがとれたものであるべきである。
Life Cycle Climate Performance(生産から廃棄までのライフサイクルにおける温暖化効果の評価)を冷凍・空調・断熱における環境への影響を評価するために採用すべきである。
HFCの排出抑制は,既に自主的取組や政府・産業界間のパートナーシップによって効果が生じてきている。このパートナーシップは,研究,コミュニケーション,その他の活動に共同して取組むことにより,新たな技術,設計,工程を開発し,エネルギー効率やコストを含んだ,製品としての総合的な能力を高めることを目的としている。
モントリオール議定書に基づく国連環境計画(UNEP)の技術経済アセスメントパネル(TEAP)では,途上国において現在行われている,安全かつ費用対効果の高い CFCの削減のためには,HFCが重要であると結論づけられた(1999年)。HFCは,オゾン層破壊物質の代替物質として不可欠であり,かつ,先進国及び途上国におけるHCFCの削減のためにも,技術的かつ経済的な観点で必要なものとなっている。
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第三次アセスメントレポート(2001年)では,HFCの排出抑制策の選択肢が記されるとともに,いくつかの用途で用いられるHFCについて,技術的かつ経済的に実用性のある代替物質がない旨結論づけられた。
EUから気候変動枠組条約(UNFCCC)に対し,「HFCの排出抑制のために採られる措置は,オゾン層破壊物質を削減するための努力を無にするものであってはならない」旨表明された(1999年7月)。
アーサー・D・リトルによるレポート(Global Comparative Analysis ofHFCand Altenative Technologies :2002年)では,HFCは技術・環境・安全の全ての点でオゾン層破壊物質に勝る長所を持った望ましい代替物質であると評価された。

3.区分毎の個別の原則

≪HFCの生産≫

≪冷凍・空調≫

≪消火≫

≪発泡断熱材≫

≪家庭用冷蔵庫

噴射剤≫

≪溶剤(洗浄剤)

≪カーエアコン≫

4.参考

参加事業者団体一覧
Air Cnditioning and Refrigeration Industry Board (ACRIB)
Air-Conditioning and Refrigeration Institute (ARI)
Air Conditioning Contractors of America (ACCA)
Association of Home Appliance Manufacturers (AHAM)
Australian Fluorocarbon Council (AFC)
Australian Institute of Refrigeration, Air-Conditioning and Heating (AIRAH)
China Building Research Institute (CBRI)
China Refrigeration and Air Conditioning Industry Association (CRAA)
Consumer Specialty Products Association (CSPA)
European Partnership for Energy and Environmen (EPEE)
Extruded Polystyrene Foam Association (XPSA)
Federation of Pharmaceutical Manufacturers Associations of Japan (FPMAJ)
Halon Alternatives Research Corporation (HARC)
Heating, Refrigeration and Air Conditioning Institute of Canada (HRAI)
Industrial Technology Research Institute (ITRI)
International Climate Change Partnership (ICCP)
International Cold Chain Technology (ICCT)
Japan Industrial Conference for Ozon Layer Protection (JICOP)
Japan Electrical Manufacturers Association (JEMA)
Japan Electronics and Information Technology Industry Associaiton (JEITA)
Japan Fire Exinguishing System Manufacturer's Association (JFESMA)
Japan Fluorocarbon Manufacturers Association (JFMA)
Japan Refrigeration & Air-Conditioning Industry Association (JRAIA)
Japan Urethane Raw Materials Association (JURA)
Japan Urethane Foam Association (JUFA)

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