機関誌「冷凍と空調」 / 2003.7 (NO.506)

海外短信

back    

 

米軍,環境調整ユニットにCO2システムを

 現在CO2を冷媒として使用することに注目が集まっている。この古典的な冷媒が復活登場してきたのは今から4年前で,ドイツで開催されたIKKEXPOに展示された。その後,アメリカではパーデュー大学で各種の試験が行われ,アンモニア冷凍のカスケードシステムに採用することが検討されてきた。
 最近開催されたAHRExpoで米軍のCO2利用の新技術が披露された。米軍では小型の環境調整ユニットを使用しているが,その小型化を望んでいた。2000年に米陸軍通信電子コマンドの調査・技術・研究センターにより最初の試作機が開発された。各種のテストが行われ,結果はこれまでの標準のユニットと比べてより高いCOPが得られたものの,容量が若干低下した。そこでサクションライン熱交を設け,膨張弁への液冷媒の温度を下げ,蒸発器への液冷媒量を増やす改善がなされた。
 熱交換器には平行流,マイクロチャンネルのアルミコイルが採用された結果,熱交の圧損が減少し冷却ファンの所要動力が低下,小型化に貢献している。

[Air Conditioning,Heartingand RefrigerationNEWS April.7]


CarrierとUTC,地球保護努力目標を上乗せ

 最近開催された地球技術フォーラムでCarrierとその親会社のUTCはこれまでに地球保護のために2007年をめどにエネルギー及び水の消費量を25%削減することを目標に活動してきたが,4年も早くエネルギー削減で27%,水の削減で34%を達成したので今後は40%を目指して努力すると発表している。
 さらに両社は温室ガス放出量削減に向けても積極的なゴールと戦略を設定し,環境保護局(EPA)が進めている政府・民間の協同ボランタリー計画の“気候リーダー計画”にも参加するとも発表している。

[Air Conditioning,Heartingand Refrigeration NEWS April.28]


ISHEXPO,業界活性の新風を送る

 ヨーロッパの空調業界はここ数年間にわたる新築ビル市場の衰退により新しい技術開発も活発に行われず停滞していた。そのような中でも健闘しているメーカーがあり,ビル及びエネルギー技術に関する国際展示会のISHEXPOではいくつかの新しい芽を見出すことができる。
 空調関係では高効率,環境に優しく,顧客の目を楽しませるデザイン等を特徴とする製品が登場してきている。そのいくつかを紹介しよう。

・PaulWurth(ルクセンブルク)“POPcool”
 脱湿ローターと空気冷却用の水蒸発付きの熱交換器を備えたエアーハンドリングユニット。戻り空気と供給空気との熱交換により効率を改善。
 従来の製品と比べて所要動力を75%,エネルギー消費で50%削減に成功。

・WeissTechnik(ドイツ)“Freecooling”
 従来の30kW型が幅2.5mを要したものが,幅2mで50〜60kW型を達成。特殊なダンパ形状により100%フリークーリング,空気混合,DXモードのいずれにも対処可能。

・IVProddukt(スウェーデン)“熱回収装置”
 熱交換ローターによりエネルギー及び湿度を回収。ローターはコルゲート状のアルミコイルを使用。空気流を層流にすることで圧損を軽減し,ダストや汚染物質の流入を極限に抑えている。

[Air Conditioning,Heartingand Refrigeration NEWS May.5]


廃棄冷蔵庫の処分に拍車

 1月号で紹介したが,ヨーロッパではオゾン層破壊物質抑制のための規制2037/2000が施行されて以来,廃冷蔵庫の発泡材に含まれているCFC,HCFC類の回収が義務付けられたものの,大量の廃冷蔵庫が未処理,山積みとなり問題となっていた。
 最近,この問題に取り組み,これらの廃棄物から有害物質を回収し,処理済みの残材からガーデン用家具を製造するという商売が登場し注目されている。
 先ず,ユニットから冷媒ガスを抽出しリサイクル業者へ渡した後冷媒を含む潤滑油を回収し,重量パーセントで0.9%以下となるよう処理される。次いで圧縮機,水銀を含む各種スイッチ,蒸発器,制御器,配線類が取り外される。断熱パネルは窒素濃度の高いチャンバー内で2mm以下の大きさまで破砕され,80℃さらに120℃に加熱され,有害物質が回収される。残った残留物はガーデン用家具の原料に流用される。

[RAC―REFRIGERATION AND AIR CONDITIONING May]

 

top