機関誌「冷凍と空調」 / 2003.11 (NO.510)

海外短信

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企業の不法冷媒漏洩に対して過去最大の罰金(アメリカ)

 アメリカ司法省と環境保護局は,放漫な管理により大量のオゾン層破壊物質を大気中に放出したとして,アースグレインズ・ベーキング社に対して総額525万ドルという過去最大の罰金を科したと発表した。
 同社はこれまでに,所有する67の工場のうち57工場に設置された大型プロセス設備から,クリーンアクト法で年間に許容されているよりも遥かに多い量が漏洩していたにもかかわらず,適切な修理を行わず被害を拡大していた。これに対し,冒頭の巨額な罰金に加えて同社が保有する冷媒設備のすべてを非オゾン破壊冷媒を使用したものに転換することも命じられた。法を遵守し公共の健康を護ることに EPA が強い意思を持っていることを物語っている。

[Air Conditioning and Heating Refrigeration News August 11]


CO2冷媒に関心高まる

 国際冷凍学会(IIR)の後援で4年に1度開催される“国際冷凍会議(ICR)”で,今年はこれまでになく CO2冷媒に関する発表が数多くなされ関心を呼んだ。
 この会議ではCO2の冷凍への応用について単独,又はアンモニア等他の冷媒とのカスケードシステムについて発表されたが,その多くがCO2の冷媒としての優れた点を指摘している。しかしHFCを全廃するとはせず,共存となると観ている。
 グスタフ・ローレンツェン賞を受賞したグラスゴ(スコットランド)のスター・レフリジャレーション社のアンドリュー・ピアソン氏は「古典的冷媒CO2の新しい使用法」と題し,CO2の圧力の高さの問題は圧縮機,バルブ等の構成部品が市場に出回るようになり次第に克服されていること,容量50kW程度のより小型の圧縮機が開発されていること等を紹介している。
 イタリアのセルジオ・ジロット氏はHFC-404Aシステムとの比較を行い,その結果CO2の方がエネルギー消費が8〜10%多かったが,これはやがて克服できると述べている。
 デンマーク技術学会のケニス・マツセン氏は,2002年にデンマークで初めて非HFC化を図ったレストランに使用されたウォークイン型冷蔵庫について発表している。この冷蔵庫はプロパン/CO2のシステムで,実験室データでは在来の404Aシステムと同等又は優れた結果を示したと述べている。
 いずれの発表者も今後の研究,得られた知見に対する更なる検討が必要であることを認めている。

[Air Conditioning and Heating Refrigeration News Sept. 1 & 8]


新代替冷媒HFC-245faに業界の関心高まる

 これまでに代替冷媒として134a,404A,507,407C,410A等が知られてきたが,この程最新の代替品としてHFC-245faが量産に入ったことが発表され関心を呼んでいる。
 この冷媒は既に発泡材のプロペラントとしてHCFC-22の代替に採用されており,冷媒用としては数社のメーカがウォークイン型冷蔵庫への採用に踏み切っている。これまでの知見によれば,大型ビルの空調に用いられる低圧の水冷チラーに適しているとされている。
 ASHRAE技術委員会は特別プロジェクト「1265-TRP R-245faの熱力学的特性」を組み,今後10ケ月以内にその成果を得るよう進めている。

[Air Conditioning and Heating Refrigeration News Sept. 1]


ミニ・スプリット型ヨーロッパ市場で急速に拡大

 ミニ・スプリット型は現在,ヨーロッパのルームクーラー及びパッケージエアコン市場の約80%を占める。特にイタリア,スペイン,ギリシャでは過去2年間に急激な伸びを示している。
 イタリアではこれまで,業務用設備が急速に伸びてマルチ・スプリット型やVRF型が採用されファンコイルを駆逐してきたが,立ち遅れていた住宅用市場が活況を呈し年率15%の伸びを記録している。
 スペインはヨーロッパ第一の住宅用市場の伸びを記録している。ここでの特徴は“混合型アパートメントブロックス(オフィスと住宅の混在)”が好調なことで,ここにミニ・スプリット型が採用されている。
 ギリシャはヨーロッパ第3位の大きな市場となっている。これはオリンピックのためで,現在の伸び率は年間17%で,2005年には人口1人当たり世界最大の普及率になる見通しである。
 機器の供給源はこれまでの日本,韓国に加えて中国が急速に進出しており,地元ヨーロッパ勢は苦戦を強いられている。

[RAC-REFRIGERATION AND AIR CONDITIONING September]

 

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