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異常気象に振り回された欧米の空調業界
今年の夏の欧米各地での異常気象は,空調業界にも大きな影響を及ぼした。アメリカでは猛暑に見舞われたところがある一方で,記録的な雨が続くところもあった。
猛暑に襲われたのはカリフォルニア,テキサスなどの州。カリフォルニア州サン・レアンドロの会社では,6月に入って暑さのために注文が殺到し売上も倍増したが,人件費も倍増した。同じくサン・ホセの会社では,売上はあまり変わらなかったが利益率が向上した。これはコストコントロールを厳密に行ったことと,第2世代のチームを有効に活用したからだとしている。テキサス州フォードワースでは,夏が過ぎても仕事量が減らずサービスマンの確保に追われ,業界に大きな課題を残した。
一方,カロライナ地方では長雨のため,有効稼働日数の1/3を失った。脱湿やダクト内結露処理に不慣れな業者は,サービスマンの教育に多くの時間を割かねばならなかった。
中西部のデトロイトやデンバーなどは比較的マイルドな夏を迎え,残業も少なかった。オハイオでは暑さの影響ではなく,これまでに保守を怠っていた機器がトラブルを起こし,その整備の依頼が急増し,対応に追われた。
猛暑の中での作業を快適に行うために,ポータブル機を備えて対処した業者も現れている。
猛暑はアメリカだけではなく,ヨーロッパでも猛威を振い,殺到する注文に空調業者は休暇の変更を余儀なくされるなど,悲鳴を上げた。
ロンドン,バーミンガム,マンチェスタなどにデポを持つサーモフロスト・クリオ社では,夜の7時まで注文を受け付け,倉庫は9時まで操業する状態が続いた。前日の午後遅くに発注して翌日9時に現場に搬入,そこにはサービスマンが待ち構えていてすぐに設置作業に入るという極端なケースもあった。この結果,同社では今夏3カ月間で前年比39%増という好記録を達成したという。
[Air Conditioning and Heating Refrigeration News Sept.15及びRAC−REFRIGERATION
AND AIR CONDITIONING October]
東欧諸国で冷凍需要ブーム 中・東欧諸国では急速に経済が発展し,大きな需要が出てきている。EUに新たに加盟する国々が出てきたことも,これらの国に経済的生活の改善を促す推進力になっている。
これらの国では食品チェーンや工業基盤の急速な近代化が叫ばれ,西側企業に対して大きな参入機会を提供している。2009年末までの冷凍設備の総売上高は7億6800万ユーロになると予想されている。
西側スーパーマーケットチェーンも急速に展開している。小売市場も活発になってきており,冷凍トレーラや冷凍トラックに投資が行われるため,輸送用冷凍市場が活気付いてきている。この他にもショーケースなどで,大きな成長が見込まれる。国別では,チェコ共和国,ハンガリーで大きな伸びが期待されている。
このような中,インガーソルランド傘下のハスマン社は,3年前にプラハ郊外にある元国営冷凍メーカのFRIGERAの工場を買収し,冷凍システムの生産をイギリスから移転,今回同じグループのサーモキング社が,そこでバス・電車・列車用の空調ユニットの生産を開始することになった。これにより,同社の生産能力はヨーロッパ,アメリカ,中国を加え,年間16万台以上に達する。
[RAC−REFRIGERATION AND AIR CONDITIONING October]
ヨーロッパ市場,中国製エアコンの進出で低価格競争
現在世界経済市場では,中国の急激な進出による嵐が吹き荒れている。ヨーロッパの空調業界でも,中国は西欧ブランドの良質な製品を安価に提供する基になると同時に,低価格の無名ブランド商品の洪水や乱入という両刃の剣となっている。
ミニスプリット型とウインドユニットは既に世界の工場としての地位を確保し,これまでのトップの日本を追い落としている。2002年の世界全体の生産台数は4500万台であったが,その半数以上の2700万台を中国が生産している。供給先は国内が1300万台,輸出が700万台,在庫が700万台である。欧州市場には300万台が輸出されており,過去3年間で2倍となっている。
このように急速な伸びを示す一方で,問題も生じている。これまで電子レンジやテレビなどを生産していた企業が,この急激に発展する市場に着目し参入してきた結果,生産過剰に陥り低価格競争が始まっている。企業側はこの状況を輸出により打開すべく努めており,OEMによる供給,独立ディストリビュータの確保,海外優良企業との提携などを軸に対策を練っている。
[RAC−REFRIGERATION AND AIR CONDITIONING October]
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