1.製品3Rシステムの高度化を図る上で目指すべき社会像 |
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わが国では1990年以降,業種ごと,製品ごとの2つの観点から各種リサイクル関係法やガイドラインが整備され,特に家電製品の分野では使用済製品由来の再生資源を再び同じ製品群に使用するといった資源の有効利用も進展しつつある。
こうした取組みが製品設計にも生かされ,世界的にみても最先端の環境配慮設計・製造への取組みが進みつつある。しかし,これらの動きが社会全体のシステムとして機能を発揮するには,企業のみならず消費者や行政といった関係者間の取組みの一層の強化が求められる。 |
<ライフサイクル・シンキング型社会システムへの転換> |
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製品のライフサイクル全体において,天然資源消費量,廃棄物発生量及び環境負荷を最小化するため,製品から廃棄までを考慮した「ゆりかごから墓場まで」ではなく,再生材・再生部品の利用までを見据えた「ゆりかごからゆりかごまで」のライフサイクルシステムを目指すべきである。 |
| <量から質へ> |
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ライフサイクル・シンキング型社会システムの構築にあたって,回収・リサイクルの量という「量的」な観点からではなく,再生された資源の質,資源の再利用法,環境負荷への対応策といった「質的」な観点からの対応が重要となる。そのためには製品に関する環境配慮情報が不可欠であり,関係主体が活用しうる「環境配慮情報」の可視化・伝達を目指すべきである。
またこの「環境配慮情報」が市場における製品の新たな評価軸となり,事業者の環境配慮への取組みがさらに新たなイノベーションを生み出す活力となることを目指すべきである。
<グリーン・プロダクト・チェーンの実現>
循環型経済社会作りを加速するためには,製造事業者における「環境に配慮した生産システム(グリーン・マニュファクチャリング生産)」の取組みを消費者(グリーン・コンシュマー)や市場(グリーン・マーケット)が評価する形で経済システムに経済配慮対応を取り組むこと,すなわち「グリーン・プロダクト・チェーン」を出現させることが重要である。 |
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| 2.製品3Rシステム高度化の方向性 |
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家電やパソコン等の回収・リサイクルシステムが整備され,素材のリサイクルや部品のリユースが進みつつある。一方,製品に関しては具体的な環境配慮措置の表示がされておらず,家電製品等自主的な取組みが行われているところでも,その表示方法等は統一化されていない。
また,設計・製造段階での環境配慮情報が,回収・リユース・リサイクル段階まで必ずしも適切明確に伝達されていないため,どのような資源を選択的に有効利用すべきかといった情報活用が積極的に行われていない。消費者がこの情報を十分入手できないという調査結果や,消費者の約80%が環境に関心を持っているが実際には約5%しか購入していないという調査結果もあり,情報伝達等のあり方についてさらに検討を進めることが求められる。 |
<対象となる分野> |
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製造事業者等の対応可能性や国際的な検討状況等を勘案し,既に回収・リサイクルの実績がある家電製品・パソコン等を念頭に検討する。 |
<環境配慮設計措置の具体化・統一化> |
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天然資源消費量,廃棄物発生量及び環境負荷の最小化を目指すためには,より具体化・統一化された措置を講じていく必要がある。また,多様な環境配慮性を統合化して総合的に評価する指標や考え方については,将来的な目標として検討を進めるべきであるが,世界的に合意された統合化指標が存在しないため,環境情報の開示を第一に考えるべきである。
なお,環境配慮情報を社会全体として活用していくためには,製品のライフサイクルにおける各主体が活用できる表示ルール,情報共有ルールについて,具体的な措置を講じていくことが重要である。 |
2−1 環境配慮設計措置の具体的事項 |
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(1) 3R配慮設計・製造の推進 |
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天然資源の消費を抑制し,廃棄物の発生量を低減する観点から,製品の長寿命化(製品そのものの再使用再生利用化を含む)に加え,再利用・再資源化された部品や素材の利用をさらに進展させる必要がある。そのため再生資源の使用量を比較する指標を統一的に整備し表示を求めることによって,製品の新たな評価軸として活用するべきである。
またリユース・リサイクルの工程で,製品の解体・分別を容易にするため,再生プラスチックの材質表示,ネジ位置や解体位置等の表示の統一化を図るべきである。 |
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(2) 製品含有物質への対応 |
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EUで製品への含有が制限されることになる鉛等の物質は,使用済後のリユース・リサイクル段階において適切にこれらを分別管理することにより,環境への排出抑制,リユース・リサイクル工程での効率化やリサイクルされた再資源の品質向上につながる可能性が高い。このため,製品に含有され,希少性,有用性,有害性を持つ特定の物質の情報をサプライチェーンの中で管理し,その物質情報を開示・モニタリングする仕組みを目指すべきである。
対応すべき物質についての考え方としては,以下の点を考慮する。 |
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他の物質に混入することにより再生資源の品質低下やリサイクル工程を阻害する恐れのある物質 |
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廃棄後の処理工程上の取扱いを誤ると環境への影響が生じる恐れがある物質 |
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希少性があり,重点的な回収・リサイクルを手当てしておくべき物質 |
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これらの物質の情報開示方法としては,国際的な規格等の検討状況も踏まえる必要があるが,例えば以下のような方法が考えられる。 |
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製品本体や包装箱における対象物質の含有マークの表示 |
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製品カタログや取扱説明書,その製品のウェブサイトにおける対象物質の含有マーク,含有箇所,含有量等の表示 |
2−2 環境配慮情報の活用の方向性 |
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(1) グリーン・プロダクト・チェーンの中での消費者・需要家の役割 |
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わが国をライフサイクル・シンキング型社会に転換し,社会全体として,天然資源消費量,廃棄物発生量及び環境負荷を最小化するような社会システムを実現するためには,消費者・需要家の果たすべき役割は極めて大きい。消費者・需要家の役割として,環境配慮製品を選択的に購入すること,購入した製品の3Rを心がけること,使用済みとなった段階で使用者として適切な排出を行うこと,が挙げられる。 |
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(2) 消費者・需要家に対する環境配慮情報提供のあり方 |
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環境配慮情報の表示はきわめて重要であり,情報の提供方法やその情報の内容等について詳細な議論を進めることが必要であるが,消費者・需要家による環境配慮製品購入促進と事業者間の環境配慮情報伝達は分けて考える必要がある。消費者に対する環境情報は,製品の比較・選択が容易にできるような方法を模索するとともに,環境ラベル以外にもウェブサイトや製品カタログ等での情報提供や流通等における環境コミュニケーションを促進するべきである。 |
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(3) サプライチェーン間の情報提供 |
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素材・部品製造段階までを含むサプライチェーン全体において,環境情報流通の効率化や信頼性の向上が必要である。サプライチェーン上で含有情報等を提供すべき対象物質については,必要事項の明確化を図るとともに,提供方法等の技術的な含有物開示手順については,国際的な整合性の確保や規格の活用を含め,共通化を図るべきである。
また,製品のサプライチェーンに関わる事業者全体に対しては,背景情報や取り組むべき事項等の情報提供を行うような基盤整備も行っていく必要がある。 |
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| 3.国際整合性の確保 |
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製品の設計・製造段階において環境配慮を求める動きは海外においても活発化しており,EUや中国等において環境配慮対応措置の国際標準化に向けた検討が進められている。国際電気標準会議(IEC)では環境配慮設計を検討する新たな専門委員会(TC111)を設置,議長にわが国産業界の代表が就任している。 |