機関誌「冷凍と空調」 / 2005.9 (NO.532)

海外短信

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FMIエネルギー・技術サービス会議の主要テーマは「技術者の質と冷媒」

 冷凍関連部門は空調と異なりより多くの新冷媒を扱わなければならず,資格を持った技術者を見つけることと,新冷媒についての知識を習得することが強く求められる。そこで食品マーケティング協会(FMI)では,9月18〜21日に開催されるエネルギー・技術サービス会議で,これらを主要テーマとして取り上げる。
 米労働省の調査によると,冷凍空調業界では2020年まで,年間2万人の新たな技術者を必要としている。特に熟練技術者不足が目立っており,インガーソルランドの技術者教育と検定担当のマイヤー氏はこの会議で「技術者の教育は過去のものか」と題して講演する。
 同社ではこの問題を重視し,フルタイムのリクルート専門の技術者を置き,新規採用とトレーニングの充実を図っている。この両方にとって欠かせないのは最良のトレーニング計画を立案することだとして,教育と検定について3つのレベルを準備している。
 冷媒についてはコープランドのビートン氏が「冷媒の将来動向」と題する講演を行う。その中で,冷媒に関しては世界的なレベル,特にヨーロッパにおける規制に注目する必要があること,さらに,HFC冷媒に代替する冷媒に関する研究が必要であること,特に冷凍用ではCO2やR22に代替するR410Aの研究について述べる予定であるという。

[Air Conditioning, Heating and Refrigeration News August 1]


省支出・省エネの新空調システム

 カリフォルニア・エネルギー委員会(CEC)は,毎年新築される10万戸の住宅に十分なレベルの空調を提供しながら280MWのピーク電力を節減できる新しい空調システムを開発し,その普及を図っている。
 CECでは,デービス・エネルギー・グループ及び複数の協賛会社と共同で,数年前から公共事業エネルギー研究計画(PIER)に則り,換気冷却との併用により,圧縮機利用の冷房システムのエネルギー消費を減らす新システム「ナイトブリーズ」を開発した。これは従来の空調システムに換気冷却を加えたもので,昼間に住宅内にこもった熱を,オフピークの電力を用いて夜間の冷気により換気冷却するシステムである。外気温が低下するとコントローラーが作動し,ダンパーが自動的に開き,状況にあわせて換気量を保ちながら家の冷却を行う。住宅内を予冷するので,日中の負荷をわずかな電力で処理することができる。
 現在カリフォルニアでは,空調が必要な日が年間わずか数日という沿岸地域に建設される住宅にも,当然のようにエアコンが設置されている。カリフォルニア全体を16の地域に分け新しいシステムをシミュレーションしてみると,6地区で従来の空調システムが不要になることが判明した。カリフォルニア以外でもコロラド,アイダホ,オレゴン,ワシントン,モンタナ,ネバダ,ニューメキシコ,ニューヨーク州北部,ノースダコタ,ワイオミング,アリゾナ州の一部などで有効なこともわかった。
 建設される戸数が膨大なため,追加コストはわずか1500ドルと見積もられ,節約額により追加償却費を十分カバーできる。2カ所に設置されたプロトタイプのうち,最初の家では従来の空調設備をまったく運転する必要がなく,残りについても2トンのエアコン2台をわずか8.9時間運転するだけで十分だったという。

[Air Conditioning, Heating and Refrigeration News August 8]


エネルギー政策法に大統領署名,業務用冷凍設備に最低効率基準

 業務用冷凍設備の最低エネルギー基準の制定に関して業界側が基本合意に達し,政府機関に働きかけていることは本誌5月号で紹介した。このほどブッシュ大統領が署名した「エネルギー政策法2005」にこれが包含され,最低エネルギー効率基準が2010年1月1日以降規制の対象となることが決まった。この法律では,

  • 冷房容量6万5000〜24万Btuhのパッケージエアコン及びヒートポンプの最低エネルギー効率を26%改善する。
 と規定するほか,これまで規制されていなかった次の機種についても規定されることになった。
  • 冷房容量24万〜76万Btuhの大型業務用パッケージエアコン及びヒートポンプ
  • レストラン,コンビニ等の業務用ビルで使用される冷蔵庫,フリーザ類
  • 業務用自動製氷機
 今回の件について,メーカ側のARIからは「2010年までに規制値を満足する新型を開発する」という大きな目標が与えられたとして,歓迎するコメントが寄せられた。
 この法律が発効すると,2020年には合計8000MWのピーク電力が削減されることになる。これは,発電能力300MWの発電所27基分に相当する。
 同時に今回の法にはエネルギー省,EPA(米環境保護局),中小企業庁等と共同して,住宅及びビルの空調設備の所有者への適切な教育の実施,適正な機器の保守を義務づけが規定された。所有者の中には自社で保守する向きもあるが,機器を最高の状態に保つには,正しく訓練された正規の業者によるべきだとACCA代表は主張している。

[Air Conditioning, Heating and Refrigeration News August 22]

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