機関誌「冷凍と空調」 / 2005.10 (NO.533)

海外短信

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ジョンソン・コントロールズ,ヨーク・インターナショナルを買収

 8月24日,ジョンソン・コントロールズが総額32億ドルという巨額でヨーク・インターナショナルを買収するというビッグニュースが業界を駆け巡った。翌25日に行われた公式テレビ会議には,両社の経営トップ3名が出席し,両者の合併がそれぞれに明るい未来をもたらすとするとの見解を示した。
 ジョンソン・コントロールズはこれまで空調関係の部門を所有したことがなく,今回の買収により従来の分野から大きく踏み出す機会を得,急速に発展する世界市場に進出する絶好のチャンスと期待している。一方のヨーク・インターナショナルにとっても制御システム業界をリードする会社と一緒になれることから,株主,顧客のいずれに対してもメリットがあると言えるだろう。
 合併による戦略的利点として,次の点が挙げられる。

  • ビル環境関連の2005年度売上げとして,概算110億ドルが見込まれる。
  • 売上規模2000億ドルの世界市場へ進出できる。
  • 顧客に対して互いの製品を供給することが可能になる。
  • 125カ国に点在する500カ所の販売・サービス拠点と,そこに働く5万5000人の従業員を活用できる。
 ジョンソン側では今年12月までに諸条件をとりまとめ,法規制をクリアし,ヨークの株主総会の承認を得たいとしている。

[Air Conditioning, Heating and Refrigeration News Sep. 5 2005]


キヤリア,新型セントラルエアコンシステムを発表

 キヤリアのゲラウド・ダーニス社長は,テネシー州クリアビル工場の拡張を記念して行われた式典の席で,新たに開発した13SEER対応の新型セントラルエアコンシステムを2006年1月23日以降に市場提供を開始すると発表した。
 今回開発されたシステムには新たに開発された30の特許が使用されており,より効率を高めながら現行のSEER13機と比較してサイズで20%,重量で30%,冷媒充てん量で40%削減することに成功した。
 同社は今回の開発並びに工場の拡張,改良に総額2億5000万ドルを投じたという。

[Air Conditioning, Heating and Refrigeration News Sep. 5 2005]


ハリケーン「カトリーナ」,今冬の暖房コストに大打撃

 8月29日,メキシコ湾を襲ったハリケーン「カトリーナ」は各地に甚大な被害を与えたが,直接被害を受けなかった各地にも,大きな被害を与えることになった。この湾岸地域が,アメリカのエネルギー供給の心臓部となっているためである。
 全米の石油の29%,天然ガスの20%をこの地域で産出しているが,ここを50フィート(約16.8メートル)を超す高波と時速175マイル(約281.9キロメートル)という猛烈な風が吹き荒れ,石油精製施設と掘削井戸の58%に被害を与えた。
 昨夏のクラス3のハリケーン「イワン」でも被害を受け,施設と配管の修復に1年余りを要したが,今回はそれをはるかに上回る規模であり,その修復の見通しはいまだ立っていない。
 現在,天然ガスの生産の34%が停止している。これまで天然ガスの貯蔵は,冬季の暖房コストの緩和用と見られてきた。この貯蔵がなくなれば,価格の高騰は避けられない。エネルギー情報管理局(EIA)では,昨年が1000ft3(約28m3)あたり5.92ドルであったものが,今年は11.05ドルに急騰すると予測,寒さが厳しくなれば,さらなる上昇も避けられないとしている。
 一方,石油についても悲観的な状況にある。アメリカでは1976年以来,新しい石油精製施設を建設していなかったため,「カトリーナ」以前でも国内需要の88%しか供給できていなかった。その49%を担う湾岸地域が被害を受け,日量88万バレルの設備4基がシャットダウンし,修復には1カ月以上を要すると予測されているほか,多数の施設が数週間の停止となっている。EIAの予想では,家庭用の暖房油は昨年の1.85ドルから今冬は2.46ドルと34%の上昇となっている。

[Air Conditioning, Heating and Refrigeration News Sep. 26 2005]


ビル・エネルギー特性指導基準,新時代の先導者に

 世界的な規模での気候変動に対処するための京都議定書がまとまったため,EUでは2012年までに温室効果ガスの排出量を1990年比で8%削減しなければならない。そのためには,2005年には,目標達成の目安が示されていなければならない。
 そこで,EUではビル内におけるエネルギー消費量を削減するために,共同でビル・エネルギー特性指導基準(EPBD)を策定した。イギリスではこれを法制化し,来年1月に発効することにしている。
 ヨーロッパでは,エネルギー消費の40%がビルの暖房,照明,冷房,その他の用途に当てられている。EUではこの消費量を2010年までに22%削減しなければ議定書の規定に沿うことができないとして,指導基準において,各メンバーに対して以下の主要戦略を示し,実施を求めている。

  • ビルがその生涯に消費するエネルギー量を計算する仕組みを開発する。
  • 新設・既存のビルのエネルギー消費特性の最低基準を定める。
  • ビルのエネルギー検定を導入する。
  • 独立検査官による冷暖房設備の定期点検を実施する。

[RAC−REFRIGERATION AND AIR CONDITIONING September. 2005]

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