機関誌「冷凍と空調」 / 2006.1 (NO.536)

海外短信

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EU議会,HFC規制強化案を棚上げに

 環境保護主義者たちは,かねてから温室効果を理由に,HFCガスを2010年までに法律で使用禁止にするよう要求してきた。これに対しEU議会の環境委員会は,フロンガス規制に関する第2回見直しの直前に,この規制強化案を棚上げにする決定を下し,冷媒をシステム内に確実に封じ込めるという従来の方針を堅持していくこととした。
 この物議をかもした改正案を除いた法案は,各国首脳による評議会を通過し,来年から全参加国で実施される。これまで独自に規制を強化してきたデンマーク,オーストリア等の今後の対応が注目される。
 環境貿易協議会(FETA)のスポーラン氏は「この決定は,経済の安定と環境維持にとって誠に常識的な結論だ。業界は確実な冷媒の封じ込めと冷媒を取り扱う人々の十分な教育を一日も早く実施すべきである。今は,いたずらに議論を戦わせているときではなく,そのエネルギーを環境に役立つ方向に使うべきだ」と述べている。
 HFCロビー活動グループEPEEの代表ブッシュ氏は「ヨーロッパの冷凍空調業界は,すでに冷媒の封じ込めに対して挑戦すべく準備を整えている」と,この決定を喜んだ。一方,規制強化を推進してきた環境保護グループのグリーンピースは,EU議会は楽園に害を与える決定を下したと非難を強めている。
 このような状況のもと,HFCに対する各種の改善が報じられている。
 デュポンからは,各種の冷凍空調機器の改修に容易に利用でき,しかもオゾン破壊係数が“0”という「アイセオン9」シリーズが紹介され,技術者向けに各種製品情報が発表された。現在でも,CFC冷媒が使用されている発展途上国で,中間代替冷媒HCFCを介さず直接HFCへの切換えに活用できると期待している。
 フランスのアルケマ社からは,R22に代替する新冷媒“フォーレンFX 100”が発表されている。この冷媒は潤滑油の許容度が大きいため,既存の潤滑油を一度排出しただけで再充てんができるので,冷媒の変更に適している。

[RAC−REFRIGERATION AND AIR CONDITIONING December 2005 & Air Conditioning, Heating and Refrigeration News Dec. 5 2005]


SEER 13規制の実施で業界の一部に混乱も

 アメリカでは,来年1月23日以降に製造されるエアコンディショナ及びヒートポンプはすべて,SEER 13以上を確保することが義務付けられている。この規制については,顧客に対する快適さ,室内空気の質,信頼性,サービスの質等の向上により,販売増につながるとして賛成する業者が増え,33%に達した。しかし,一部には,新型機への切替えにあたって機器の入手のしやすさ,価格,システム構成の際のミスマッチ,機器の大きさ等を問題視するものも出てきている。
 フロリダでは,ハリケーンにより顧客,企業の両方が被害を受けたため,機器不足が目立ち,SEER 12以下の機器も入手が困難になっている。加えてメーカは,同業他者の動向をにらんで価格リストを開示しようとせず,昨年値上げしたにもかかわらず,12月に最値上げを行う等により,長期に安定した対顧客見積りができないとの不満の声が聞かれる。
 システム構成の際の室内コイルとのミスマッチも問題になる。顧客に対して新型の室外機を買っても,室内機も合わせて考えなければ所期の性能は得られないと教育しなければならない。
 機器の大きさでも問題が発生している。コンデンシングユニットが大きくなるというが,エバポレータコイルがどれぐらい大きくなるかについての情報は非常に少ない。そして,新型機で既設のスペースに適合できるものは非常に少ない。メーカ側は,これらの不満に対応すると同時に,性能の競争に踏み出している。
 ヨークは自動車のラジエータの技術を応用した「ミクロチャンネル技術」を用い,設置面積で既出のSEER 13機を30%も下回る機種を発表している。キヤリアも現行の他社のSEER 13機と比較して,大きさで20%,重さで30%,冷媒の充てん量で40%少ないシリーズを発表している。
 性能競争も激烈で,キヤリアは新技術の開発によりSEER 21の「インフィニティ・シリーズ」を,グッドマンはグッドマンブランドでSEER 16,アマナブランドでSEER 18の機種を,ノーダインもSEER 13〜16の機種に加え,超高SEER機としてSEER 23のシリーズを発表している。

[Air Conditioning, Heating and Refrigeration News Dec. 19 2005]


磁力冷凍に関する初の国際会議

 在来の蒸気圧縮式冷凍システムに代替する磁力冷凍法に対する関心が高まり,昨年9月にスイスのモントルーで国際冷凍会議(IIR)の支援の下,初の国際会議が開催された。
 磁力冷凍を用いた最初の室温冷蔵庫は,2001年にアメリカのアストロノティクス社により製作された。
 3日間にわたる会議では,技術の現状,冷凍業界への未来展開の可能性等に関する約50件の研究結果が発表された。そして,国際レベルでの研究開発,EUによる資金援助のもと需要調査を共同で実施するサブグループを結成した。

[RAC-REFRINGERATION AND AIRCONDHITIONING December 2005]

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