機関誌「冷凍と空調」 / 2006.9 (NO.544)

海外短信

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アメリカ建設業界の最近の動向


 空調業界は,建設業界の動向に大きく影響される。アメリカ経済を象徴するといわれている建設業界の最近の動向が,統計局から発表された。
 4月は対前年比でわずかな増加を記録したが,5月には逆にわずかに減少した。6月には再び増加に転じ,季節変動を調整した年間の伸び率は0.3%の増加となった。その内訳をみると,民間住宅部門の落ち込みが激しい一方で,非住居用建物及び公共建築部門が好調で,全体の数字を良くしている。
 民間用戸建住宅は2.1%減,多家族用建物が0.1%増,増改築は1.6%増であったが,通年では7%の減少となった。一方,公共用建物では6月に8%の増加を記録し,通年では対前年比24%の増加となった。特に目立つのは,ホテル関連で8.7%の増加,発電所関連が4.1%の増加,病院関連が1.7%の増加となっている。
 この業界では目下,熟練労働者の確保が急務となっている。昨年,湾岸地区を襲ったハリケーンによる災害復興が最重要課題となっているが,十分な労働者を確保できずに悩んでいる。
 政府,その他の団体は共同で湾岸地区労働力開発イニシアティブ機構内に「湾岸再建教育新興・訓練計画(I’m GREAT)」を発足させた。 この計画は,建設業界で働くために必要な技術,安全等についての4週間のコースを無料で提供するものである。受講資格はアメリカ国籍で基礎学科試験及び州によっては薬物テストに合格することが義務づけられている。これにより,2万人以上の建設労働者の確保を目指している。

Air Conditioning, Heating and Refrigeration News August 14 2006


コカ・コーラ,冷凍ショーケースからHFC使用の断熱材を一掃

 世界最大の飲料水メーカのコカ・コーラでは,冷凍ショーケースの断熱材にHFCを使用しない方法を開発し,新たに購入するキャビネットの96%をこの新型に切り換えると発表した。
 この開発に当たって,同社とその関連業者は,1300以上にものぼるモデルを製作し,テストを重ねてきた。
 この新型は従来品と比べ,温室効果ガスを75%削減できるため,従来品を新型に置き換えることにより,年間3万トンの温室効果ガスを削減できる。先にドイツで開催されたサッカーワールドカップでは,12に主要競技場に2000台以上の新型が配備されたという。

RAC−REFRIGERATION AND AIR CONDITIONING July 2006



ドバイに巨大な開発プロジェクト,冷凍空調業界に絶好の機会到来

 中近東の小国,アラブ首長国連邦(UAE)のドバイは,目下,冷凍空調業界にとって急速に発展する市場として注目を集めている。ここは海港として繁栄しているが,現在世界最大の国際空港の建設が進められており,加えて総額154億ポンドにものぼる親善観光計画が推進され,これに要する膨大な冷凍空調需要が見込まれている。
 これらの開発計画や石油資源からの収入により,この国の経済は活況を呈し,年率10.5%という大きな伸びが期待されている。
 国際空港計画は,すでにヨークがターミナル及び周辺設備用の合計冷房能力11万8000トンという空調システムを受注している。現在は6本の滑走路と3棟のターミナルビルの建設が進められており,2007年の竣工時には,年間1億2000万人の乗客と1200万トンの貨物を取り扱うことになる。
 バワディ親善観光計画も,その規模の大きさでは引けをとらない。テーマパークの他に客室数6500の世界最大のアジア−アジアホテルを含む31のホテル(合計客室数2万9200)と,10kmにわたりレストラン,コンベンションセンター,劇場,ショッピングモール,娯楽センター等が計画されている。この国は,観光客に親切な国で,厳格なイスラム圏では厳禁の酒類も,限定されたバー,レストラン,私室での引用は許可されている。
RAC−REFRIGERATION AND AIR CONDITIONING July 2006


空気を冷媒に,環境に優しい冷房法は受け入れられるのか?


 環境に優しい冷房として,空気を冷媒とするシステムが注目を集めている。もしこれが可能であれば,安全性,安価,非毒性,不燃性,入手が容易等のことから代替冷媒として最高のものとなる。
 問題は空気を冷媒とした冷却プラントが,信頼性や効率ベースでの既存のシステムと量的に対抗できるかということにかかっている。
 ブリストル大学の食品冷蔵工学研究センター(Food Refrigeration and Process Engineering Research Centre,FRPERC)では,食品業界向けの空気サイクル冷却システムの開発を進めている。ここでは,空気サイクルシステムの生産性,効率改善のために冷却,加熱時の潜在能力を究めることを目標として研究を進めている。このシステムでは加熱温度として200℃,冷風として−100℃を取り出すことができる。
 空気を冷媒として使用するシステムでは,一定の高圧に圧縮した空気を低圧まで断熱膨張させた際に得られる低温を利用する。得られた低温の空気を直接使用するか,又は密閉システム内に保ち熱交換させて使用することができる。加熱用としては,圧縮機から出た高温の空気を,熱交換器を介して調理用に用いたり,蒸気発生用やその他の加熱用に使用することができる。
 高温,低温の両方を調理用と冷却用として有効に使用することができれば効率はさらに向上し,環境に優しいシステムを構築することができる。

RAC−REFRIGERATION AND AIR CONDITIONING July 2006

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