機関誌「冷凍と空調」
/ 2006.9 (NO.544)
資料紹介
フロンの破壊量,6%減の2788トン
―2005年度,CFCが大幅に減る―
環境省ではフロン回収破壊法(特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律)に基づき,フロン類破壊業者からの報告のとりまとめを公表しています。それによると,2005年度のフロン類の破壊量は2788トンで,前年度比で6.3%の減少となっています。
ここでは,環境省が公表した「フロン類の破壊量の報告の集計結果」から2002〜2005年度までの破壊量の推移と,環境省と経済産業省が公表した2004年度のフロン回収実績について紹介します。
(編集係)
●2005年度のフロン類の破壊量等の実績について
環境省は,年度ごとにフロン類の破壊量等の集計結果を公表している。フロン回収破壊法では,フロン類破壊業者に破壊したフロン類の量等の主務大臣への報告が義務付けられ,主務大臣はこの報告等に関する情報を整理し,特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の状況等の情報を公表することになっているためである。
ここでは,公表が始まった2002年度から本年度に公表された2005年度までのフロン類の破壊量等についての推移を紹介する。なお,2005年度のカーエアコンについては,フロン回収破壊法と自動車リサイクル法に基づいて回収されたフロン類の合計の破壊量等となり,2002年度については2002年10月〜2003年3月までの半年分となっている。
(1) フロン類の破壊量
フロン類の破壊量を2002年度から順に見ていくと,2002年度が1653トン,2003年度が2431トン,2004年度が2976トン,2005年度が2788トンで,前年度比では2003年度が47.1%の増加,2004年度が22.4%の増加となっていたが,2005年度には6.3%の減少となった。これをフロン類の種類別にみると,以下のようになる。
@
CFC(クロロフルオロカーボン)
オゾン層破壊物質であるCFCは,モントリオール議定書により,1996年に生産が全廃された。CFCの2002〜2005年度の破壊量は,354トン,629トン,954トン,556トンで,前年度比は77.8%増,51.7%増と大幅増が続いていたが,2005年度は41.7%と大幅に減少した。
A
HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)
CFC同様,オゾン層破壊物質であるHCFCの2002〜2005年度の破壊量は,1173トン,1471トン,1604トン,1623トンで,前年度比では,25.4%増,9.0%増,1.2%増と増加を続けている。
B
HFC(ハイドロフルオロカーボン)
代替フロンとして使用されているHFCは,オゾン層破壊物質ではないが,温室効果ガスであり,京都議定書において排出削減の対象となっている。HFCの2002〜2005年度の破壊量は,126トン,331トン,418トン,608トンで,前年度比で162.6%増,26.1%増,45.5%増と大幅に増加し続けている。
<CFCの破壊量の推移>
<HCFCの破壊量の推移>
<HFCの破壊量の推移>
(2) フロン類の引取量
フロン類破壊業者に引き取られたフロン類を2002〜2005年度まで順に見ると,2002年度が1716トン,2003年度が2436トン,2004年度が2946トン,2005年度が2801トンとなっており,前年度比では2003年度が42.0%増,2004年度が20.9%増とともに増加したが,2005年度は4.9%の減少となった。これを,フロン回収破壊法による特定製品別にみると,以下のようになる。
@
業務用冷凍空調機器(第一種特定製品)
ビル空調,食品のショーケースや大型冷凍・冷蔵庫,冷凍倉庫などの業務用冷凍空調機器の2002〜2005年度の引取量は,1579トン,2022トン,2490トン,2108トンとなっており,前年度比では2003,2004年度は28.1%増,23.1%増とともに増加したが,2005年度には15.3%の減少に転じた。
これをフロン類の種類別にみると,CFCが264トン,369トン,719トン,257トンと2005年度には大幅に減少しているが,HCFCは1225トン,1469トン,1575トン,1636トン,HFCは90トン,184トン,196トン,215トンと増加が続いている。
A
カーエアコン(第二種特定製品)
カーエアコンの2002〜2005年度の引取量は,137トン,414トン,456トン,693トンで,2004,2005年度の前年度比はそれぞれ10.2%,51.9%の増加となっている。
これをフロン類の種類別にみると,CFCが97トン,263トン,235トン,300トンと2004年度には若干減ったものの,2005年度には増加となった。HFCを見ると,39トン,151トン,221トン,393トンと大幅に増加し続けている。