機関誌「冷凍と空調」 / 2006.9 (NO.544)
資料紹介
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“エネ革税制”で新たな対象設備

 

 省エネ型設備を導入したユーザーに税制上の優遇措置を与えるいわゆる“エネ革税制”について,2006年度の税制改正で制度が延長されるとともに,新たな対象設備の追加が行われました。エネ革税制は,省エネルギー設備,新エネルギー設備,石油代替エネルギー設備などの導入を税制面から支援するものです。ここでは,冷凍空調に関連する対象設備を中心にエネ革税制について紹介します。
(編集係)


1.エネ革税制とは
 エネ革税制(正式名称:エネルギー需給構造改革推進設備等を取得した場合の特別償却又は法人税額(所得税制)の特別控除,通称:エネルギー需給構造改革投資促進税制)は,対象設備を直接購入し,1年以内に事業の用に供した場合に減価償却資産の特別償却(中小企業者は税額控除との選択)ができる優遇制度で,1992年度に創設された。エネ革税制は時限付措置ではあったが,これまでの数回の延長ののち,2006年度税制改正においても2年間の延長が認められた。
 対象者は,個人及び法人で青色申告書を提出するものとなっており,特別償却か税額控除を選択できる。特別償却とは,エネ革税制対象設備を購入し事業の用に供した場合,その設備の通常の減価償却に加えて基準取得価額(計算の基礎となる価額,下表参照)の30%を特別に償却できる制度で,設備を購入した年度の税負担を軽減できる。また,税額控除とは,中小企業者のみに限り法人税から基準取得価額の7%を控除できる制度で,税制控除額の上限は当期法人税額の20%となっている。

< 基準取得価格>

  区分
掛け目
一般
エネルギー有効利用製造設備等
100%
エネルギー有効利用付加設備等
100%
電気・ガス需要平準化設備
50%
新エネルギー利用設備等
100%
その他の石油代替エネルギー利用設備等
100%
配電多重化設備
50%
※基準取得価格:対象設備の取得価格に上表右欄の比率をかけたもの

 取得期間は2008年3月31日までとしており,今回新規に対象設備となったものは,2006年4月1日から2008年3月31日までとなる。他の租税特別措置との併用は,認められていない。また,リース,貸付設備,中古設備などは対象外となっている。

2.エネ革税制の対象設備
 対象となっているのは,省エネルギー性が高く,高効率な設備で,現在69の設備が対象となっている。「エネルギー有効利用製造設備等(7設備)」,「エネルギー有効利用付加設備等(26設備)」,「電気・ガス需要平準化設備(3設備)」,「新エネルギー利用設備等(22設備)」,「その他の石油代替エネルギー利用設備等(10設備)」と「配電多重化設備(1設備)」があり,それぞれ対象設備となる範囲が定められている。
 冷凍空調に関連するものとしては,2006年の改正でそれまで対象となっていた蓄熱式空調・給湯装置とデシカント除湿機が削除され,新たに高い省エネ効果の期待できる高効率設備として高効率型電動熱源機と高効率空調設備が対象に追加された。現在,「エネルギー有効利用付加設備等」では,高効率型電動熱源機,高効率空調設備,熱併給型動力発生装置の3設備,「電気・ガス需要平準化設備」では,ガス冷房装置の34kW以上と台数制御型の2設備が対象となっている。

(1) 高効率型電動熱源機(セントラル方式)
ポイント
  エネルギー消費効率(COP)の高いターボ冷凍機,チリングユニットなど。
 
空冷式ヒートポンプ COP 4 以上
水冷式チリングユニット COP 5 以上
水冷式ターボ冷凍機 COP 6 以上
対象設備の範囲
   電動圧縮機を用いるヒートポンプ方式の熱源機で,出口標準温度(熱源機の出口温度が冷熱7度又は温熱45度をいう。)の状態において,冷却能力又は加熱能力が100kW以上(給湯設備と同時に設置するものについては,加熱能力が14kW以上)であるもののうち消費エネルギーに対する生産エネルギーの割合が6.0以上(水冷式のチリングユニットにあっては5.0以上とし,空冷式のものにあっては4.0以上とする。)であるものに限るものとし,これと同時に設置する専用の冷却塔,冷温水槽,蓄熱槽,制御装置,ポンプ又は配管を含む。
証明団体
  (財)ヒートポンプ・蓄熱センター

(2) 高効率空調設備(マルチ空調)
ポイント
   冷暖房平均エネルギー効率の高い個別制御形マルチ形エアコンディショナーと換気に伴う廃熱を再利用する全熱交換・換気ユニットを併設したもの。
対象設備の範囲
   冷暖房兼用空調設備(1の室外機(電動圧縮機を用いるヒートポンプ方式のもののうち,1の室外機の定格冷房能力及び定格暖房能力をそれぞれ定格消費電力で除して算出した値の平均値が3.6以上であるものに限る。)につき2以上の室内機(その運転を個別に制御できる機能を有するもののうち,室内機の定格冷房能力の合計が100kW以上であるものに限る。)を同時に設置する場合のこれらのものに限る。)及び全熱交換・換気ユニット(全熱交換効率が60%以上であるもののうち,1時間当たりの処理風量(複数台設置する場合には,その合計風量)が全室内機による空調容積に0.7を乗じて算出した数値を超えるものに限る。)を同時に設置する場合のこれらのものに限る。
証明団体
  (社)日本冷凍空調工業会

(3) 熱併給型動力発生装置
ポイント
  コージェネレーションシステム,ガスエンジンヒートポンプシステムなど。
対象設備の範囲
   エンジン(希薄燃焼方式,又はダブル酸素センサー付三元触媒方式のものに限る。以下この項において同じ。)又はタービン(予混合希薄燃焼方式,低温選択還元脱硝方式,熱電可変方式,再生サイクル方式又は再熱サイクル方式のものに限る。以下この項において同じ。),及びこれらに直結するヒートポンプ方式熱源装置,発電機又はコンプレッサー並びにエンジン又はタービンから排出された熱を利用するための熱交換器,廃熱ボイラー若しくは廃熱吸収式冷温水器を同時に設置する場合のこれらのものに限るものとし,これらと同時に設置する専用の自動調整装置,蓄熱槽,冷却装置,系統連系用保護装置,ポンプ又は配管を含む。
証明団体
  (社)日本冷凍空調工業会

(4) ガス冷房装置
ポイント
  吸収式冷凍機など。
対象設備の範囲
   ガスを熱源として臭化リチウム液その他の吸収液を当該冷房装置の循環過程において2回以上再生するもので,当該吸収液の再生工程若しくは凝縮工程における廃熱により燃焼用空気若しくは当該吸収液の予熱若しくは温水の製造を行う機構を有するもの又は使用される冷水若しくは温水の流量若しくは温度の変動に対応して当該吸収液の流量を自動的に調整する機構及び冷水の流量若しくは温度の変動に対応して冷媒の流量を自動的に調整する機構を有するもののうち,次の各号の1に該当するものに限る。
 
@ 34kW以上
   1のガス冷房装置の冷凍能力が34kW以上のもの(これと同時に設置する専用のボイラー,燃焼制御装置,安全装置,計測装置,ポンプ又は配管を含む。)
A 台数制御型
   2以上のガス冷房装置(その冷凍能力の合計が34kW以上となるものに限る。)並びに熱負荷の変動に対応して当該冷房装置の稼働及び休止を制御する自動調整装置を同時に設置する場合のこれらのもの(これらと同時に設置する専用の蓄熱槽,ポンプ又は配管を含む。)
証明団体
  (社)日本冷凍空調工業会

3.証明制度
 証明制度とは,エネ革税制の活用を促進する観点から,メーカー等の関係事業者団体(工業会等)がエネルギー需給構造改革推進設備の仕様等の証明書を発行する制度で,対象設備のうち,「エネルギー有効利用製造設備等」,「エネルギー有効付加設備等」及び「電気・ガス需要平準化設備」について発行される。
 証明制度の概要は次の通り。
@ 工業会等は,メーカーの求めに応じて,あらかじめ定めた様式によって作成した証明書用紙を発行する。
A メーカー等は,ユーザーに対しエネルギー需給構造改革推進設備を納入した場合に,当該設備の仕様等を証明する「エネルギー需給構造改革推進設備仕様等証明書」を作成し(すなわち証明者はメーカー等),証明書及びその写し(2通)を工業会等に提出する。
B 工業会等は,メーカー等によるエネルギー需給構造改革推進設備に関する仕様等の証明内容を点検したうえで証明書をユーザーに送付する。

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