機関誌「冷凍と空調」 / 2006.10 (NO.545)

海外短信

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クリントン前大統領提唱の炭酸ガス排出量削減運動にASHRAEが参加


 クリントン前大統領は,世界中の大都市での炭酸ガス排出量を削減し,消費効率を改善するための具体的な方策を模索することにより地球温暖化を防止しようと「クリントン気候イニシアティブ(Clinton Climate Initiative=CCI)」を提唱している。ASHRAEはこの運動に賛同し,今後積極的に参加することを決めた。
 CCI大都市パートナーシップは,全世界から22の大都市―ベルリン,ブエノス・アイレス,カイロ,カラカス,シカゴ,デリ,ダッカ,イスタンブール,ヨハネスブルク,ロンドン,ロサンジェルス,マドリッド,メルボルン,メキシコ・シティ,ニューヨーク,パリ,フィラデルフィア,ローマ,サン・パウロ,ソウル,トロント,ワルシャワ―が対象で,近くこれらの都市をAHRAEの専門家が訪問し,計画を推進することになっている。機構側は,より多くの都市がこの計画に参加することを望んでいる。活動の手始めとしてロサンジェルスで会合が開かれ,ケン・リビングストン・ロンドン市長,アントニオ・ビヤライゴーサ・ロサンジェルス市長,ギャビン・ニューソム・サンフランシスコ市長,トニー・ブレア・イギリス首相らが出席した。
 CCIは,以下のような方針で運動を推進していくと発表ている。
各都市の購買力を結集して共同購入を進め,製品の価格を下げ,省エネ製品や温室効果ガス発生を削減する新技術の普及を図る。
ASHRAEを含む世界中の車両技術専門家を糾合し,エネルギー消費効率の改善,温室効果ガス排出削減のための技術的改善の支援,実施を推進する。
各都市の温室効果ガス排出量削減のための基礎の確立とプログラム作成のため,インターネットベースによる情報交換システム構築用ツールを提供し,何が可能で何が不可能化を共有する。

Air Conditioning, Heating and Refrigeration News Sep. 4 2006


猛暑,HVAC業界に大きな影響

 今年の7月,全米48州が32℃を超える未だかつてない猛暑に襲われ,西部のカリフォルニア州やアリゾナ州では48℃以上を記録した。
 この猛暑によりHVAC業界には仕事が殺到し,業者の中には対前年比167%も受注が伸び喜んでいるものがある反面,仕事量の急増に対応が追いつかず,悩んでいるものも多かった。
 仕事量の増加により高温下での作業が増え,作業者が大きなヒートストレスを受ける。米国労働安全衛生局(OSHA)では事例集や緊急対処法のカードを作成し,高温下での作業に対する指導を行った。少量の水を頻繁に摂取する,明色の衣服を着る,ルーズで呼吸しやすい衣服を着る,日陰で頻繁に休憩を取る,作業前に少量の食物を摂取する,コーヒー,アルコール類,大量の砂糖類を摂取しない,等である。
 このように業界は対応に追われているが,製品の出荷状況は好調で,6月の出荷台数は92万1281台と今年最高を記録した。それでも昨年同月と比べると16%の減少である。また,1〜6月の累計でも2%の減少であった。昨年はSEER13の問題があったことを考えると,好調とはいえ今後の動向が気になる。
 このような中でヒートポンプは大変に好調で,6月には24万5482台を出荷,対前年同月比で2%の増加となった。これは燃料費が急騰したこと,ヒートポンプの最低効率が上昇したこと,清浄さが評価されたこと,などによる。さらに新築住宅がガス供給網の及ばない都市周辺部に集中したことも,理由となっている。

Air Conditioning, Heating and Refrigeration News Sep. 4 2006



CO2冷媒に関する発表,多数を占める

 第18回国際圧縮機技術会議及び第11回国際冷凍空調会議がパデュー大学で開催された。235件の研究結果が発表された中,35件がCO2冷媒に関するもので,その関心の高さを伺うことができる。以下,主なものを紹介する。
テクムセ(Tecumseh)は,試作の2段密閉ロータリー圧縮機について発表。高運転圧力の影響を排除するため,2段圧縮を採用した。この圧縮機は機器要素を改善して組立てを容易にし,コストの低減と特性の改良を行っている。
三菱電機からは,新CO2温水ヒートポンプ用単段ロータリー圧縮機が発表された。CO2はこれまでの冷媒と運転圧力,比重,冷媒中の音速が異なる。効率改善のために漏えいパスを極小化し,圧縮室への潤滑油量を最適化し,さらに潤滑油の蒸発を減少させるためにモーター内でガス速度を遅くした。その他にも効率改善のため,ベーン表面にコーティングを施したという。
ユナイテッド・テクノロジーズからは,温水ヒートポンプ用の往復動圧縮機のクリティカルサイクル下での冷媒の特性について発表された。この問題は,圧縮機のシミュレーション,構成部品の改良等により解決された。また,吐出弁や吐出部の形状変更による性能及び信頼性の向上,連結棹の軸受けを改良し,油膜を極小化,クランク軸の表面処理の改善等により軸受けの寿命を延ばした。
パドバ大学は,トランスクリティカル冷凍サイクル下でのフィン・コイル型ガス冷却器について,連続フィン型とチューブ列ごとにフィンを分割した型との比較実験を行い,フィンを通じての熱交換に内部熱伝導が大きく影響することを突き止めた。この傾向は,高温になるこのサイクルに最適で,CO2吐出温度と冷却空気入口温度の差を高めれば,効率を改善できる。その実現には,分割型が技術的なアプローチがしやすいとしている。




Air Conditioning, Heating and Refrigeration News Sep. 4 2006

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