機関誌「冷凍と空調」 / 2006.10 (NO.545)
資料紹介
back

 

温室効果ガスの排出,1990年度比8.1%増
―2005年度,速報で13億6400万トン―

next

 2005年度(平成17年度)の温室効果ガス排出量の速報が10月17日,環境省から発表されました。それによると,温室効果ガスの排出量は二酸化炭素換算で13億6400万トンで,前年度比で0.6%の増加,1990年度比では8.1%の増加となっています。概要を紹介します。
(編集係)


1.温室効果ガスの総排出量

 2005年度の温室効果ガスの総排出量(各温室効果ガスの排出量に地球温暖化係数[GWP(注1)]を乗じ,それらを合算したもの)は,二酸化炭素換算で13億6400万トンで,前年度比0.6%の増加となった。環境省では,エネルギー起源二酸化炭素が,運輸部門は減少したものの厳冬などにより家庭部門,業務その他部門のエネルギー消費に伴う二酸化炭素の排出量が大きく伸びたためとしている。
 また,京都議定書の規定による基準年(1990年。ただし,HFCs,PFCs及びSF6については1995年)(注2)の総排出量(12億6100万トン)と比べ8.1%上回っており,京都議定書の6%の削減約束の達成には,排出量を8.7%削減しなければならないことになる。

注1) 地球温暖化係数(GWP:Global Warming Potential):温室効果ガスの温室効果をもたらす程度を,二酸化炭素の当該程度に対する比で示した係数。数値は気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第2次評価報告書(1995)によるもの。
注2) 京都議定書第3条第8項の規定によると,HFCs等3種類の温室効果ガスに係る基準年は1995年とすることができるとされている。

2.各温室効果ガスの排出状況
(1) 二酸化炭素(CO2
   2005年度の二酸化炭素排出量は12億9700万トンで,前年度比0.8%の増加であった。基準年比で13.3%の増加で,エネルギー起源の排出量の増加が主な原因であるとしている。
 各部門別では,産業部門は4.7億トンと前年度比で0.2%増加しているが,基準年比では3.2%の減少である。運輸部門は2.6億トンで1.8%の減少に転じたものの,基準年比で18.1%の増加となっている。業務その他部門,家庭部門からの排出量は,それぞれ2.3億トンで3.1%増,1.8億トンで4.5%増で,基準年比では42.2%,37.4%と昨年に引き続き大幅に増加した。エネルギー転換部門は0.7億トンで0.6%減,基準年比では9.7%の増加である。
 この結果,2005年度の1人当たりの二酸化炭素排出量は10.15トン/人で,前年比で0.8%,基準年比で9.7%の増加となっている。
 
(2) メタン(CH4
   2005年度のメタン排出量は,二酸化炭素換算で2420万トンで,前年度比1.1%の減少となった。基準年比でも27.6%の減少であった。
 
(3) 一酸化二窒素(N2O)
   2005年度の一酸化二窒素(亜酸化窒素)排出量は二酸化炭素換算で2580万トンで,前年度比0.2%減,基準年比21.3%減となった。
 
(4) ハイドロフルオロカーボン類(HFCs)
   2005年度のHFCs排出量は二酸化炭素換算で710万トンで,前年度比14.5%の減少,1995基準年比では64.7%減少となっている。
 
(5) パーフルオロカーボン類(PFCs)
   2005年度のPFCs排出量は二酸化炭素換算で570万トンで,前年度比10.2%減,1995基準年比59.6%減であった。
 
(6) 六ふっ化硫黄(SF6
   2005年度のSF6排出量は二酸化炭素換算で410万トンで8.1%減,1995基準年比75.7%減となった。


速報値の算定について:

温室効果ガス排出量の確報値は各種統計の年報値に基づいて算定されるが,現段階では年報値は公表されていないものがある。この速報値の算定に当たっては各種統計の月報値の積み上げを行い,月報値がないものについては 2004年度値等を代用している。このため,政府としてとりまとめる確報値(2007年4月に報告予定)との間に誤差が生じる可能性がある。

 



 

top