機関誌「冷凍と空調」 / 2007.1 (NO.548)
法令紹介
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フロンのマニフェスト制度を導入
―改正フロン回収破壊法政省令が公布―

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 特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律(フロン回収破壊法)が改正され,昨年6月8日に公布されましたが,これに伴い,施行令が11月27日に,施行規則が12月18日に公布されました。今回の改正では,整備時のフロン回収の義務化,行程管理制度の導入,解体される建物の中の業務用冷凍空調機器の有無の確認,リサイクル時のフロン回収の義務化などが新たに定められており,10月1日から施行されます。概要等を紹介します。
(編集係)


 改正フロン回収破壊法が,昨年の6月8日に公布された。主な改正内容は,@行程管理制度(マニフェスト)の導入,A整備時のフロン類の回収義務の明確化,B解体される建物中の業務用冷凍空調機器の有無の確認と説明,Cフロン類の回収の必要な場合の拡大,D都道府県知事への廃棄者等に対する指導等の権限の付与である。
 この改正に伴い,昨年11月27日には改正フロン回収破壊法施行令が交付され,新たに立入検査の対象となった廃棄等実施者(業務用冷凍空調機器の廃棄者及びリサイクル業者への譲渡者;第一種特定製品廃棄等実施者)に対する立入検査等の実施方法を定めている。また,行程管理制度の導入に伴い書面の交付・回付の手続き,記載事項,保存期間等を定めるため,12月18日には改正フロン回収破壊法施行規則が公布された。
 また,この施行規則の改正では,業務用冷凍空調機器の種類も変更されており,現行規則の

@ エアコンディショナー(第3号に該当するものを除く)
  A 冷蔵機器及び冷凍機器(次号に該当するものを除く)
  B フロン類の充てん量が50キログラム以上の業務用冷凍空調機器
 
の3区分からBが削除され,

@ エアコンディショナー
  A 冷蔵機器及び冷凍機器

の2区分となる。
 これで,フロン回収破壊法関連の改正が出そろったことになり,この改正により,フロン回収の手続きや関係者の役割が明確化されることになる。
 この改正法は,10月1日に施行される。

1.行程管理制度の導入

 今回の改正で一番大きなものは「行程管理制度」の導入である。「行程管理制度」とはフロン類の引渡しの委託等を書面で管理する制度のことで,廃棄等実施者からフロン類回収業者へのフロン類の引渡しの徹底や解体される建物の中に業務用冷凍空調機器があるときにフロン類が確実に回収されたことを機器所有者(廃棄等実施者)が把握できるようにすることなどを目的としている。「行程管理制度」では,フロン類回収業者へ直接フロン類を引き渡す場合,フロン類の引渡しを委託する場合,フロン類の引渡しを再委託する場合について定められている。また,機器の廃棄等実施者は,自ら又は委託してフロン類をフロン類回収業者に引き渡したとき,そのフロン回収と破壊等に必要な費用を負担することになっている。さらに機器の整備を機器整備者に発注し,その機器整備者がフロン類をフロン類回収業者に引き渡したときも,同様にそのフロン回収と破壊等に必要な費用を負担することが必要となる。

(1) フロン類回収業者へ直接フロン類を引き渡す場合(図1参照)
   廃棄等実施者は,フロン類をフロン類回収業者に引き渡すとき,「行程管理制度」の導入により,下記の事項が記載された「回収依頼書」を交付し,その写しを3年間保存することになる。その際,回収業者が2以上ある場合は,それぞれの回収業者に交付しなければならないとなっている。
 
@ 廃棄等実施者の氏名又は名称,住所
A フロン類が充てんされている業務用冷凍空調機器の種類と数
B 引渡しを受けるフロン類回収業者の氏名又は名称,住所,登録番号
C 回収依頼書の交付年月日
D フロン類が充てんされている業務用冷凍空調機器の所在
 
 また,フロン類を引き取ったフロン類回収業者は,依頼者の廃棄等実施者に下記の事項が記載された「引取証明書」を,記載事項に間違いがないことを確認して速やかに交付し,その写しを3年間保存しなければならないとしている。
 
@ 廃棄等実施者の氏名又は名称,住所
A フロン類が充てんされていた業務用冷凍空調機器の種類と数
B 引取り前の業務用冷凍空調機器の所在
C フロン類回収業者の氏名又は名称,住所,登録番号
D 引取証明書の交付年月日
E 引取りを終了した年月日
F 引き取ったフロン類の種類ごとの量
 
 さらに廃棄等実施者は,交付された引取証明書を3年間保存しなければならず,回収依頼書を交付してから30日以上経っても引取証明書が交付されなかったときは,交付した回収依頼書の写しを持って都道府県知事にその旨を報告することが義務づけられた。
 



図1 フロン回収業者へ直接フロン類を引き渡す場合
 
(2) フロン類の引渡しを委託する場合(図2参照)
   「行程管理制度」により廃棄等実施者は,フロン類の引渡しの委託を受けた引渡受託者(第一種フロン類引渡受託者)に,下記の事項が記載された「受託確認書」を交付し,その写しを保存することになる。その際,回収業者が2以上ある場合には,それぞれの回収業者に交付しなければならないとしている。
 
@ 廃棄等実施者の氏名又は名称,住所
A フロン類が充てんされている業務用冷凍空調機器の種類と数
B 引渡受託者の氏名又は名称,住所,登録番号
C 委託確認書の交付年月日
D フロン類が充てんされている業務用冷凍空調機器の所在
 
 また引渡受託者は,フロン類回収業者にフロン類を引き渡すとき,委託確認書に以下の事項を記載し,記載事項に間違いがないことを確認して回付しなければならないことになっている。
 
@ フロン類回収業者の氏名又は名称,住所,登録番号
A 回付年月日
 
 さらにフロン類を引き取ったフロン類回収業者は,依頼者の廃棄等実施者と引渡受託者に下記の事項が記載された「引取証明書」を交付することが定められている。
 
@ 廃棄等実施者及び引渡受託者の氏名又は名称,住所
A フロン類が充てんされていた業務用冷凍空調機器の種類と数
B 引取り前の業務用冷凍空調機器の所在
C フロン類回収業者の氏名又は名称,住所,登録番号
D 引取証明書の交付年月日
E 引取りを終了した年月日
F 引き取ったフロン類の種類ごとの量
 
 廃棄等実施者は,その交付された引取証明書を3年間保存し,回収依頼書を交付してから30日以上経っても引取証明書が交付されなかったときは,交付した委託確認書の写しを持って都道府県知事にその旨を報告することが義務づけられた。
 また,引渡受託者は,その引取証明書を3年間保存しなければならないと定められた。
 



図2 フロン類の引渡しを委託する場合
 
(3) フロン類の引渡しを再委託する場合(図3参照)
   「行程管理制度」に導入より,引渡受託者がフロン類の引渡しを再委託するときは,あらかじめ下記の事項が記載された廃棄等実施者から承諾する旨の「再委託承諾書」の交付を受け,3年間保存することになる。再委託承諾書には下記の事項が記載されていなければならない。
 
@ 廃棄等実施者の氏名又は名称,住所
A フロン類が充てんされている業務用冷凍空調機器の種類と数
B フロン類が充てんされている業務用冷凍空調機器の所在
C 引渡受託者の氏名又は名称,住所
D 委託確認書の交付年月日
E 再引渡受託者の氏名又は名称,住所
 
 また,委託確認書は以下の事項を追記し,記載事項に間違いがないことを確認し,廃棄等実施者から交付された再委託承諾書の写しを添えて再受託者に回付することになる。
 
@ 回付年月日
A 再受託者の氏名又は名称,住所
 


図3 フロン類の引渡しを再委託する場合
 
2.整備時のフロン類の回収義務の明確化
 これまで,機器の整備時に回収されたフロン類についての引渡義務はなかった。しかし整備の際に冷媒フロン類が抜き取られることもあり,その際,相当量のフロン類が回収されていると考えられてきた。
 今回の改正により,機器の整備の際に整備者がフロン類の回収作業を行う場合にも,都道府県知事への登録が必要になる。整備者が自ら回収を行う場合で第一種フロン回収業者の登録を受けていない場合は,改正法施行3カ月後の12月31日までに登録をしなければならない。さらに,回収の際には廃棄時と同様,回収したフロン類の量等について記録し,毎年度都道府県知事に報告することが義務づけられた。
 また,整備者がフロン類の回収を行わない場合は,フロン類の回収作業を都道府県知事に登録したフロン類回収業者へ委託することも義務づけられている。
 その他,整備の際のフロン類回収業務の実施については,廃棄時と同様,回収基準の遵守や責任の明確化,回収されたフロン類の明確化などが義務づけられた。

3.解体される建物中の業務用冷凍空調機器の有無の確認と説明

 業務用冷凍空調機器を廃棄する際,廃棄者があまり機器の廃棄等を行う機会がないため,フロン類の引渡しなどの義務を認識していないことがあると考えられてきた。特に,建築物などを解体する際に業務用冷凍空調機器の廃棄を行う場合,適切にフロン類の回収が行われていないことが懸念されてきた。
 このため,解体工事元請業者に,その建物にフロン類を含む業務用冷凍空調機器が設置されていないかどうかを確認し,その結果を工事の発注者に書面(事前確認書)で説明することを義務づけた。解体を依頼された建物に業務用冷凍空調機器が残っていることが確認された場合は,発注者にあらかじめフロン類を回収してもらうか,フロン類回収業者へのフロン類の引渡しも含めて解体を受託することが必要となる。
 また,工事の発注者(廃棄等実施者)には,設計書面の提示や建物への立入許可等,その確認作業に協力しなければならないとしている。これにより,工事の発注者にフロン回収破壊法に基づく義務を認識させ,フロン類の回収の発注が行われることが期待されている。

4.フロン類の回収の必要な場合の拡大
 業務用冷凍空調機器を廃棄する場合に加え,機器中の部品等のリサイクルを目的としてリサイクル業者等に機器を譲渡する場合にも,回収されたフロン類が適正に処理されるよう,フロン類回収業者へのフロン類の回収委託と引渡しが義務化された。

5.都道府県知事への廃棄者等に対する指導等の権限の付与
 都道府県知事は,これまでもフロン類回収業者に対し義務の履行を担保するために指導,助言,勧告,命令等の措置を講ずることができたが,今回の改正により,業務用冷凍空調機器の廃棄等実施者にも新たに担保措置が導入され,指導,助言,勧告,命令等のほか,立入検査,報告徴収の措置を講ずることができるようになった。

6.対象者別説明会
 経済産業省と環境省は,改正フロン回収破壊法について,対象者別の説明会を実施し,@改正フロン回収破壊法の内容の説明,A工程管理制度等の標準書式(モデルマニフェスト)の記入方法,運用方法の説明B留意事項,関係者への周知・普及協力のお願いなどを行っている。今後の予定は以下のとおり。

@ 業務用冷凍空調機器の所有者,使用者
  • 東京:1月30日(火)
  • 大阪:2月8日(木)
  • 福岡:2月19日(月)
A フロン類回収業者,業務用冷凍空調機器の整備を行う事業者
  • 東京:1月31日(水)
  • 大阪:2月9日(金)
  • 福岡:2月20日(火)
B 解体工事を行う特定解体工事も当家業者,使用済の業務用冷凍空調機器を引き取る事業者
  • 東京:1月31日(水)
  • 大阪:2月9日(金)
  • 福岡:2月20日(火)

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