機関誌「冷凍と空調」 / 2007.6 (NO.553)

海外短信

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SMACNAの将来に警告,迅速な改善対応が必要


 最近開催された全米板金空調協会(SMACNA:Sheet Metal and Air Conditioning Contractors’National Association)及び全米板金工労組(SMWIA:Sheet Metal Workers International Association)の「板金組合業界における必要な人材」と題する会合で,312ページにのぼる報告書が発表された。この報告書はケンタッキー大学のマロニ教授が調査・作成したもので,直ちに現行のやり方を根本的に改めなければ,両団体には明るい未来は来ないと厳しい警告を発した。
 大きな戦力となる新人たちは,組合化されていない会社を望んでいる。その結果,高齢化し退職する人たちの補充に悩んでいるが,積極的に人材を獲得する努力をしていない。現在,女性の従業員は全体のわずか3.6%にしかすぎず,依然として若い白人男性を求めていて,ラテン,アフリカ,アジア系,高齢者,移民等の戦力を排除している。しかも,自分たちの子供たちをこの業界に入れるかという質問に,入れると答えたのは25%弱であった。自分のやっている仕事に誇りをもてないのでは,部外者が入ってくるはずがない。
 全米の業種別の「好ましい業種」ランキング250では,トップが生物化学者,次いで保険数理士,財務プランナーで板金工は227番目にランクされるに過ぎない。
 一方団体側は,よく訓練され生産性の高い人員により団体の認識度を高めようとしてきたが,顧客側は単に単価が高いだけと非組合業者を選択してきた。現在問われているのは他に依存するのではなく,自ら改革するという強固な意思をもった「経営者」だと苦言を呈した。

Air Conditioning, Heating and Refrigeration News April 30 2007


圧縮機を用いない新冷凍法

 現在用いられている冷凍システムの多くは,圧縮機と冷媒によるものである。しかし,将来を考えるとまったく別なシステムの検討が不可欠である。
 テキサスにあるBEPA LLC社のウドゥン氏は,ロシアの科学者と協同で1950年代に半導体熱素子を用いた熱電気式システムの開発に着手した。当初は技術上の問題から圧縮式に太刀打ちできずにいたが,その後,サーモエレクトリック(TE)モジュールと特殊なヒートパイプを組み合わせることによって問題を解決した。
 この新技術による冷蔵庫は在来のものとまったく違っており,液体やガスの移動なしに,電流のみによって温度差を発生することができる。その他の特徴としては
  • コンパクト(単位モジュールで500ワットまで可能)
  • 極小容量の冷風を短時間に供給可能
  • 重力に無関係に運転できるので,極端な負荷状態,無重力空間でも運転可能
  • 高信頼性
  • どんな温度条件下でも熱的に安定しており,長時間の運転が可能
 このモジュールを用いた冷凍/冷蔵運転では,特殊設計のヒートパイプが活躍している。ヒートパイプは熱の供給側と放出側を隔離し,さらにどんな位置関係でも組み合わせることができるという特性を持ち,伝達する熱容量も容易に調整することができる。また,直流電源を切り替えることにより,冷蔵庫を簡単に加熱機に切り換えることもできる。数種類のヒートパイプを調査したところ,これには2相型のサーモサイフォンが有効なことがわかり,これによってコストの大幅低減が可能になった。現在稼動中のユニットは1年以上の連続運転を記録しており,さらに冷凍容量400ワットの新型家庭用冷蔵庫の設計を完了している。稼動部分がないため運転保守に金がかからず,静粛な運転ができることから広範な利用が期待され,商業化のパートナーを募集しているところである。

Air Conditioning, Heating and Refrigeration News May 7 2007


大手スーパー,フード・ライオン
環境改善・省エネ冷凍を推進


 大手スーパー各社は,常に自社の施設の効率改善,環境対策に追われているが,フード・ライオン社でもその改善のため, ヒル・フェニックス社の2種類のセカンド・ネイチャー技法を用いた施設を導入することにした。この技術には,以下のような特色がある。
  • 所要冷媒量が削減でき,地球温暖化及びオゾン層減少対策に貢献
  • 食品の温度を上げずに吸込温度を上昇できる
ディンウィディ店では,R-404A使用の中低温システムを35%プロピレングリコール水溶液循環に切り替えた。これにより店舗全体に高圧冷媒を循環させる必要がなくなったため,冷媒漏えいの可能性が激減した。そればかりか低圧のため,銅配管に代わりABSプラスチック配管が使用でき,銅精製時に発生する大量のCO2の削減にも貢献できた。さらに温度制御も向上し,製品の品質も向上した。
 一方,モントピリア店では従来のR-404Aシステムを廃棄し,CO2を二次冷却体とするシステムを新設した。このシステムでは,二次冷却体のCO2液がポンプでショーケースやウォーク・イン・フリーザーに送られ熱交換を行う。ここでは,CO2液は完全に蒸発せず,一部は液体のまま分離器に戻される。ここで吸収した熱は,二次システムから一次システムへ移り,外部へ放出される。CO2は熱力学的に優れた媒体で,潜熱利用のため所要流量が少なくて済み,省エネ効果が得られる。さらに,廃熱の50%を店舗で使用する温水として回収しており,天然ガスの消費量削減にも貢献している。このほか,この転換により銅管の使用量を50%削減することに成功した。

Air Conditioning, Heating and Refrigeration News May 7 2007


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