機関誌「冷凍と空調」 / 2007.9 (NO.556)

資料紹介

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規制と支援面からの対策拡充を提言
―省エネルギー部会中間整理―

 
 
 経済産業省の総合資源エネルギー調査会,省エネルギー部会は「今後の省エネルギー対策の方向性について」の骨子案について,中間整理を行いました。この中で,家庭部門と業務その他部門からなる民生部門について,幅広く規制と支援の両面から,対策の大幅な拡充を行うことが必要だとしています。
 骨子案の内容を紹介します。
(編集係)

 経済産業省の総合資源エネルギー調査会,省エネルギー部会は「今後の省エネルギー対策の方向性について―規制と支援の両面からの抜本的強化(骨子案)」とする中間整理を行った。この骨子案の中で,エネルギー消費のおよそ半分を占める産業部門とエネルギー消費の増加が著しい民生(家庭・業務その他)部門の対策を,規制と支援の両面から大幅に拡充する必要性をあげている。
 また,地球温暖化対策やエネルギー安全保障の観点から,中長期的には環境と経済の両立に向けて,一層の省エネルギー対策を推進していくことが重要であるとしている。
 部門ごとにあげられている項目は,以下のとおり。

1.製造等産業部門


 大企業に比べて省エネルギーの取組みに遅れが見られる中堅・中小企業の対策が必要であるとしている。さらに,大企業の一部には,サプライチェーンを通じて取引先企業の省エネルギーへの取組みを支援する動きがあることをあげ,このような取組みを促進するべきであるとして,以下をあげている。
  @ 企業単位でのエネルギー管理の導入
 
  • 従来の工場単位の取組みに加え,企業単位の省エネルギーへの取組みを総合的に評価・推進する制度の整備を検討する。
  • 企業経営の一環として,エネルギー管理を組み込む仕組みの検討を行う。
  A セクター別ベンチマークの導入
     主要セクターの工場・事業場の省エネルギー基準に共通の評価指標(ベンチマーク)を導入し,セクターごとに省エネルギーへの取組みを客観的に評価し,可視化する。
  B 法執行の強化
     事業者の省エネルギーへの取組みが不十分な場合には,積極的に改善を促すなど制度の実効性等を向上させる。
  C 中小企業等の省エネルギー対策支援の強化
     中小企業等の省エネルギーへの取組みを促進するため,省エネルギー技術の導入の可能性に関する診断やESCOを活用した支援事業等を強化する。
  D 大企業による中堅・中小企業の省エネルギー支援
     大企業による中小企業の省エネルギー支援を推進するため,省エネルギー支援の実績を自らの省エネルギー量としてカウントできる仕組み等を検討する。
 
2.民生部門

(1) オフィス,商業,サービス等業務部門

 ビル等の建築物の省エネルギー対策も重要であり,省エネルギー設備・機器やBEMS(ビルエネルギー管理システム)等の活用が必要であるとし,以下をあげている。
  @ 企業単位でのエネルギー管理の導入
   業務部門では,共通した省エネルギーへの取組みが可能な複数の店舗を有する事業者があることから,一括した取組みをさらに強化する。
 また,フランチャイズ・チェーンについても,一事業体として捉え,企業単位と同様のエネルギー管理の導入を検討する。
  A セクター別ベンチマークの導入
    (1.製造業等産業部門参照)
  B 法執行の強化
    (1.製造業等産業部門参照)
  C オーナー・テナント問題への対応
     オーナーとテナントにエネルギー管理が分かれているため,ビル全体の省エネルギーが進みにくくなっていることから,ビル全体のエネルギー使用の実態を把握できるようにし,省エネルギーを促す仕組みを検討する。
  D トップランナー制度の追加・拡充
     エネルギーの使用量が大きく,省エネルギーのポテンシャルが高い業務用機器について,トップランナー規制の対象拡大を検討する。
  E 建築物の省エネルギー措置の強化
   
  • ビル等建築物の省エネルギー措置の実効性を確保するための検討を行う。
  • 省エネルギー性能の高いビルが市場で評価・選択される仕組みを検討する。
  F 業務用・ビルの省エネルギー対策支援の強化
   
  • 高効率な省エネルギー設備・システムの導入の促進など,業務部門や省エネルギー型建築物に対する支援をさらに強化する。
  • 窓断熱と空調・照明等の設備からなるビル全体の省エネルギー投資やBEMSの導入を促進し,省エネルギービルの普及支援の拡充(エネルギー需給構造改革投資促進税制の延長・拡充)を行う。
  G 大企業による中堅・中小企業の省エネルギー支援
    (1.製造業等産業部門参照)
 
(2) 家庭・住宅部門
 ライフスタイルの変化や世帯数の増加等により,家庭部門のエネルギー消費が大きく増加しているため,一般消費者へのさらなる情報提供や国民運動の推進が必要であるとしている。
 また,住宅の省エネルギー基準への適合率が新築で約3割であることから,住宅の省エネルギー対策の強化や可視化の一層の普及・充実等の必要性をあげている。
  @ トップランナー機器の追加・拡充
 
  • 目標年度に到達した機器等については,新たな目標の設定を検討する。
  • 新しく出荷が伸びている製品等については,規制の対象にすることを検討する。
  • 統一省エネルギーラベル等の対象を拡大する。
  A 住宅の省エネルギー措置の強化
   
  • 躯体と設備の一体化を通じた省エネルギー基準の整備を行う。
  • 戸建を含めた住宅の新築等について,省エネルギー措置の強化に関する検討を行う。
  • 省エネルギー性能の可視化により,省エネルギー住宅が市場で評価・選択される仕組みの一層の普及・充実に関する検討を行う。
  B 家庭・住宅部門の省エネルギー対策支援の強化
   
  • 高効率な省エネルギー設備機器・システム等の導入を支援する。
  • 既存の住宅について,断熱工事等の省エネルギー改修に要した費用の一部を所得税から控除する制度(住宅省エネルギー改修促進税制)等を創設する。
  C 大企業による一般消費者に対する省エネルギー支援
     大企業の消費者に対する省エネルギー支援の実績を自らの省エネルギー量としてカウントできる選択肢を用意することにより,省エネルギー機器や設備の導入を促進する仕組みを検討する。
  D 国民運動の展開
    省エネルギー家電の普及促進等,国民の省エネルギーの取組みを促すため,広報活動を強化する。
 
3.運輸部門
 モーダルシフト,交通流対策,エコドライブの普及等が必要であるとし,以下をあげている。
  @ 改正省エネルギー法の着実な施行
   改正省エネルギー法に基づき大規模輸送事業者・荷主による定期報告等がスタートしたが,その着実な施行と実効性を確保する。
  A 交通流対策等の総合的推進
     自動車単体の燃費の改善を促すとともに,モーダルシフト,交通流対策,エコドライブの普及等の施策を総合的に推進する。
 
4.その他
 その他として,以下をあげている。
@ 革新的な技術開発の推進
    省エネルギー技術戦略等に基づいた技術開発等を推進し,加速化を図る。
 
 
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