機関誌「冷凍と空調」 / 2007.11 (NO.558)
資料紹介
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長期使用時の製品の安全対策を強化

―消費生活用製品安全法が改正―
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 「消費生活用製品安全法の一部を改正する法律」が11月21日に公布されました。製品の経年劣化に対する安全対策の強化がその主な内容となっており,長期使用製品の安全点検制度と安全表示制度等が創設されることになります。
 ここでは,改正法の概要を紹介します。
(編集係)

 本誌9月号で,経済産業省の産業構造審議会・消費経済部会・製品安全小委員会が扇風機や瞬間湯沸器等の長期間の使用に伴う経年劣化による死亡事故等の発生を受け,事業者による消費者の保守サポート制度の創設などを盛り込んだ中間とりまとめ「出荷後における製品の安全性確保に向けて」の概要を紹介した。この取りまとめを踏まえ,「消費生活用製品安全法の一部を改正する法律」が11月21日,公布された。
 今回の改正により,経年劣化安全対策の強化として,長期使用製品安全点検制度と長期使用製品安全表示制度等が創設されることになる。

1.長期使用製品安全点検制度の導入


 特定保守製品(消費者自身による保守が難しく,経年劣化による重大事故の発生のおそれが高いもの)について,消費者に保守情報を適切に提供するとともに,点検実施体制の整備を特定製造事業者等(特定保守製品の製造・輸入事業者)に求める制度が創設される。対象品目については政令で定めるとし,燃焼・大電力系の設置型の製品で,ガス瞬間湯沸器,ガスふろがま,石油温風暖房機,食器洗乾燥機,浴槽用乾燥暖房機等が検討されている。
 各関係者の義務付けられる内容は以下のとおり。

(1) 製造・輸入事業者の義務

特定保守製品の点検その他の保守に関する情報の提供等
  @ 事業の届出
     特定製造事業者等は,事業開始の日から30日以内に,省令で定める特定保守製品の型式の区分その他の事項を主務大臣に届け出なければならない。
  A 点検期間等の設定
     特定製造事業者等は,その製造又は輸入に係る特定保守製品について,主務省令で定める基準に従って,設計標準使用期間(標準的な使用条件で使用した場合に安全上支障がなく使用できる標準的な期間として設計上設定されている期間)及び点検期間(設計標準使用期間の経過に伴い必要となる経年劣化による危害の発生を防止するための点検を行うべき期間)を定めなければならない。
  B 特定保守製品等への表示等
     特定製造事業者等は,その製造又は輸入に係る特定保守製品について,設計標準使用期間及び点検期間等を表示し,所有者情報(特定保守製品の所有者の氏名や住所等の情報)を提供するための書面等を添付しなければならない。
  C 所有者情報の管理
     特定製造事業者等は,所有者情報の利用の目的等を公表し,所有者から提供を受けた所有者情報について名簿を作成し,その所有者情報を適切に管理しなければならない。
  D 点検の必要性の通知
     特定製造事業者等は,名簿に記載された者に対し,点検期間内に点検を行う必要がある旨等の通知をしなければならない。
  E 点検の実施
     特定製造事業者等は,その製造又は輸入に係る特定保守製品について,点検期間中に点検の実施を求められたときは,省令で定める基準に従って,その特定保守製品の点検を行わなければならない。
  F 改善命令
     主務大臣は,特定製造事業者等が,規定に違反していると認めるときは,その特定製造事業者等に対し,違反を是正するために必要な措置をとるよう命ずることができる。
   
特定保守製品の点検その他の保守の体制の整備
  @ 体制の整備
     特定製造事業者等は,省令で定める判断の基準となるべき事項を勘案して,特定保守製品の点検その他の保守を適切に行うために必要な体制を整備しなければならない。
  A 勧告及び命令等
     主務大臣は,特定保守製品の点検その他の保守の体制の整備がその基準に照らして著しく不十分な特定製造事業者等に対し,勧告及び命令等をすることができる。
     

(2) 特定保守製品取引事業者等の義務
  @ 引渡しの説明
     特定保守製品取引事業者(特定保守製品の売買その他の取引等を行う事業者)は,特定保守製品の引渡しに際し,その取得者に対して,特定保守製品の保守の必要性等について説明しなければならない。
  A 所有者情報提供への協力
     特定保守製品取引事業者は,特定保守製品の所有者が特定製造事業者等に所有者情報を提供することへ協力しなければならない。

(3) 消費者の責務
  @ 特定保守製品の所有者は,特定製造事業者等に所有者情報を提供する。
  A 特定保守製品の所有者は,特定保守製品の保守に関する情報を収集し,点検期間に点検を行う等その保守に努める。

(4) 国の役割

  @ 経年劣化に係る危険情報の収集・公表
     主務大臣は特定保守製品等について,経年劣化に起因する事故に関する情報を収集・分析し,その結果を公表する。
  A 独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)による調査
     主務大臣は,必要があると認めるときは,NITEに経年劣化に関する技術上の調査を行わせることができる。
  B 点検事業者に関する情報の収集・公表
     主務大臣は,特定保守製品の点検の実施に支障が生じているときは,点検を行う技術的能力を有する事業者に関する情報を収集し,これを公表しなければならない。
 
2.長期使用時製品安全表示制度等の導入

 経年劣化による重大事故発生の確率は高くはないものの,経年劣化により一定数以上の重大事故が発生している製品(例:扇風機等)については事故を未然に防ぐことが重要であるとして,対象製品(特定保守製品等)に関して,製品本体への経年劣化による事故リスク情報を表示する制度等を創設するなど事業者が情報を提供する責務を規定している。

(1) 事業者の責務
  @ 特定保守製品等の製造又は輸入の事業を行う者は,国が公表した経年劣化に関する情報を活用し,設計の工夫,表示の改善等を行うよう努めなければならない。
  A 特定保守製品等の製造・輸入又は小売販売の事業を行う者は,一般消費者に対し,経年劣化による危害の発生の防止に資する情報を適切に提供するよう努めなければならない。

3.その他

(1) 罰則
  @ 主務大臣の改善命令,勧告・命令等に違反した者は,1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金,又はこれを併科される。
  A 特定製造事業者等が事業の届出をしなかったり虚偽の届出をした場合,30万円以下の罰金となる。
 
(2) 施行と見直し
  @ 施行
     施行については附則で「この法律は,公布の日から1年6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行される。」となっており,2009年(平成21年)春の施行が予定されている。
  A 見直し
     政府は,この法律の施行後5年以内に,改正消費生活用製品安全法の施行状況について検討し,必要があるときは所要の措置を講じなければならない。
 
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