1.温室効果ガスの総排出量
2006年度の温室効果ガスの総排出量(各温室効果ガスの排出量に地球温暖化係数[GWP(注1)]を乗じ,それらを合算したもの)は,二酸化炭素換算で13億4100万トンで,前年度比1.3%の減少となった。環境省では,これはエネルギー起源二酸化炭素の家庭部門,業務その他部門,運輸部門などからの排出量が減少したことなどによるとしている。
また,京都議定書の規定による基準年(1990年。ただし,HFCs,PFCs及びSF6については1995年)(注2)の総排出量(12億6100万トン)と比べ6.4%上回っており,京都議定書の6%の削減約束の達成には,排出量を7.0%削減しなければならないことになる。
なお,2006年の原子力発電所の利用率が長期停止の影響を受けていないときの水準(1998年度の実績値)にあったと仮定して温室効果ガスの総排出量を推計すると,2006年度の温室効果ガスの総排出量は13億200万トンとなり2005年度からは2.1%分の減少,基準年比で3.3%増となると試算される。
| 注1) |
地球温暖化係数(GWP:Global Warming Potential):温室効果ガスの温室効果をもたらす程度を,二酸化炭素の当該程度に対する比で示した係数。数値は気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第2次評価報告書(1995)によるもの。 |
| 注2) |
京都議定書第3条第8項の規定によると,HFCs等3種類の温室効果ガスに係る基準年は1995年とすることができるとされている。 |
2.各温室効果ガスの排出状況
(1)二酸化炭素(CO2)
2006年度の二酸化炭素排出量は12億7500万トンで,前年度比1.3%の減少,基準年比で11.4%の増加であった。
各部門別でみると,産業部門は4.6億トンと前年度比で0.6%増加しているが,基準年比では5.6%の減少である。運輸部門は2.5億トンで0.9%の減少,基準年比で17.0%の増加となっている。業務その他部門からの排出量は,2.3億トンで2.6%減,家庭部門は1.7億トンで4.4%減と前年度比ではともに減少したが,基準年比ではそれぞれ41.7%,30.4%と昨年に引き続き大幅に増加した。エネルギー転換部門は0.8億トンで4.4%減,基準年比では11.3%の増加である。エネルギー起源二酸化炭素全体では11.8億トンで前年度比で1.4%減,基準年比では11.8%増となった。また,非エネルギー起源二酸化炭素は0.9億トンで前年度比0.5%増,基準年比7.1%増である。
2006年度の1人当たりの二酸化炭素排出量は9.98トン/人で,前年比で1.3%の減少となったが,,基準年比では7.8%の増加となっている。
(2)メタン(CH4)
2006年度のメタン排出量は,二酸化炭素換算で2380万トンで,前年度比0.8%の減少となった。基準年比でも28.7%の減少であった。
(3)一酸化二窒素(N2O)
2006年度の一酸化二窒素(亜酸化窒素)排出量は二酸化炭素換算で2540万トンで,前年度比0.1%減,基準年比22.0%減となった。
(4)ハイドロフルオロカーボン類(HFCs)
2006年度のHFCs排出量は二酸化炭素換算で670万トンで,前年度比8.9%の減少,1995基準年比では66.9%減少となっている。
(5)パーフルオロカーボン類(PFCs)
2006年度のPFCs排出量は二酸化炭素換算で630万トンで,前年度比2.4%減,1995基準年比55.5%減であった。
(6)六ふっ化硫黄(SF6)
2006年度のSF6排出量は二酸化炭素換算で430万トンで2.9%増,1995基準年比74.3%減となった。
速報値の算定について:
温室効果ガス排出量の確報値は各種統計の年報値に基づいて算定されるが,現段階では2006年度の年報値は公表されていないものがある。そこで,2006年度の年報値が公表されていないものについては,2005年度値等を代用している。このため,今般とりまとめた速報値と2008年4月に報告予定の確報値との間に誤差が生じる可能性がある。 |