| 海外短信 |
ヨーロッパの冷凍食品業界,自然冷媒冷凍設備がブームに 食品の製造,貯蔵には冷凍が不可欠である。しかも食品の種類によって要求される貯蔵温度は幾種類にも分かれ,その変動幅も法的に厳重に規制されている。最近この業界では,自然冷媒の持つ熱力学的特性を生かした新しい設備の導入が目立っている。以下にその主な例を紹介する。 ○ASDA(英国の大手スーパー業者 ルターワースの配送センターに,合計容量3.2MWのCO2・アンモニアのカスケード冷凍設備を設置。低温側は容量820kWで,−31.1℃の液化CO2を低温貯蔵庫内の6台の空気冷却器へ送っている。高温側のアンモニア冷凍設備は容量2400kWで,20基の冷却器によりブラスト冷却室を1.1〜12.8℃に冷却し,合わせて建物内の空調も行っている。高低両サイクルともに2台のスクリュー圧縮機を使用している。 ○トリオ・インベスト(Trio Invest:ロシア,デモデドボにある食品配送業者) 収容容量2万2000トンを誇る食肉,魚類等の低温貯蔵・配送センターで,−24℃の低温貯蔵庫と0℃の冷却室を新設。ここでもCO2・アンモニアのカスケード冷凍設備が採用され,低温側では−32.2℃の液化CO2が負荷側へ送られている。低温側は往復動式圧縮機,高温側はスクリュー圧縮機を使用しており,設備容量は合計で2500kWとなっている。 ○H. M. デ・ジョング(H. M. de Jong:オランダ,リッデルカークにあるフルーツ貯蔵会社) この会社は−32.8〜13.3℃の貯蔵庫を新設。ここでも容量1600kWのCO2・アンモニアカスケード冷凍設備が設置されている。貯蔵品は性格上,1.1℃以上にすることができないので,電子式膨張弁と精密な庫内空気の流れを確保するために設置された100台以上の空気冷却器を組み合わせて使用している。さらに,ここでは高温側のCO2ガスをデフロストに使用し,省エネを図っている。 ○フリゴシュイス(Frigosuisse:スイスの小さな町メーリンにある冷凍・深冷凍結食品の配送業者) フリゴシュイスでは,これまでも液アンモニア循環システムを使用してきた。今回−25.6℃の包装センターを新設し,容量540kWの液アンモニア循環システムが導入された。
自然冷媒はヨーロッパでは古くから普及していたが,HCFC時代の終局とともに優れた代替冷媒として広く採用されるようになってきた。 Air Conditioning, Heating and Refrigeration News Feb. 4 2008
デュポンとハネウェル,HFC-134aに代替する新冷媒を発表 今年のAHR EXPOでのプレス発表会で,デュポン社はハネウェル社と共同で,地球温暖化係数の高いHFC-134aに代替するカーエアコン用の新冷媒を開発したと発表した。 この冷媒は非HFC系の単一冷媒(非ブレンド)で,HFO-1234yfと名づけられ,既存のカーエアコン技術にも適合でき広範囲での採用が期待されている。 ヨーロッパの自動車業界では2011年型モデルからHFC-134aを使用しないことを決定しており,その代替としてCO2が検討され始めていた。この冷媒は現在,車載用としてテスト中であるが,定置用としてはHFC-134aに十分に代替できるとされている。 Air Conditioning, Heating and Refrigeration News Feb. 18 20088 アルバカーキ市,独自に新エネルギー消費基準を制定 ニューメキシコ州アルバカーキ市では,4月1日施行の新しいエネルギー消費基準を発表し,関係業界から非難を浴びている。 この基準はエアコンディショナに対してその最低基準をSEER15以上,ファーネスではAFUE(年間エネルギー使用効率:Annual Fuel Utilization Efficiency)90%以上とするもので,全国基準であるエネルギー省基準を超えていることから,業界からは非難の声が上がった。暖房空調冷凍ディストリビュータインターナショナル(HARDI:Heating, Airconditioning & Refrigeration Distributors International)の代表が提唱者となり同市の80社にのぼる業者が会合を持ち,今回の市のやり方は低価格商品の闇市場を助長するだけだとし,地方自治体が国の基準を大幅に超える基準を独自に制定するべきでないと,法に実施を延期するよう要求している。 Air Conditioning, Heating and Refrigeration News March 3 2008
ヨーロッパ,冷媒価格50%上昇か? ヨーロッパでは原材料の品不足,供給の不安定,原油価格の高騰の3つの要因により,今年末までに冷媒の価格が50%も値上がりするのでは,と業界筋が警告を発している。 先月,冷媒メーカーはR-22の価格の15%値上げを発表したばかりだが,年内にさらなる値上げを予定しており,5月までにR-400の10〜15%の値上げも予定されている。この状況に2箇所のHCFC工場の閉鎖と硫酸の供給不足が重なり,今年末までに50%の値上がりが予想されるという。 RAC−REFRIGERATION AND AIR CONDITIONING March 2008
|