機関誌「冷凍と空調」 / 2008.9 (NO.568)
海外短信
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HCFCのフェーズアウトを迎え,回収冷媒の清浄方法に関心高まる

 HCFCのフェーズアウトが迫り,使用実績が多いR-22の使用者の間では使用中の冷媒をできるだけ長期間にわたって使用するため,回収冷媒を清浄するための具体的な手法への関心が高まっている。
 回収された冷媒はARI 700の品質基準(純度99.5%)が保証されなければならない。この基準に合格しない場合,回収冷媒は焼却処分される。カナダでは「カナダ冷媒マネージメント(RMC)」というプログラムがあり,冷媒製造メーカーは出荷する新冷媒1リットルごとにサーチャージを付加し,それを焼却処分代に当てているため,業者は輸送費を負担するだけでよい。アメリカにはこのようなシステムがないため,業者がすべてを負担しなければならない。
 最近になって,空調業者は再生よりも分離行程が重要であると気づいた。再生が単に不純物の除去を行うだけなのに対し,分離は回収容器に含まれている可能性のある異種冷媒をも除去できるからである。
 この分離を手がけているピュアケム(Pure Chem)社での処理方法は次のとおりである。
@ 業者から回送され多冷媒R-22から混合不純物を除去する。
A R-22の純度が99.5%に達するまで分離を行う。
 分離行程は,業界随一の容量を誇る高さ100ft(30m)の蒸留塔で行われ,異種冷媒や溶剤,その他の化学物質を分離する。
 AH&R News誌では今後数カ月間にわたり,この回収,再生,分離に関する情報を提供していくことに決めた。その1つの問題として,アメリカ環境保護庁(EPA)が認定している約50か所の再生・分離施設について,多くの業者が疑問に思う次の2点に関する情報を伝える。

・冷媒の再生・分離に要する費用は?
・その場合の業者の負担は?

 この疑問に対しピュアケム社では,業者は不純物処理について,いかなるペナルティーも科せられることはないと保証している。また,汚染冷媒を回収した小シリンダーから大容量のボンベに回収する場合も,他の業者が要求するような洗浄代などは要求しないと述べている。
 今後,その他「回収冷媒を送る処理施設がどのぐらいあるのか?」,「受け入れてもらえる数量はどのぐらいか?」などの疑問にも答えていく。

Air Conditioning, Heating and Refrigeration News July 7 2008



原油価格の高騰下,エネルギー問題が主要テーマに(アメリカ)

 原油価格の高騰により,現状を改善するためにエネルギー問題を集中課題とするよう求めるアメリカ人が増えている。全米エネルギー協会とジョンソン・コントロールズ社の後援で開催された「第19回エネルギー効率フォーラム」では,多数の後援者がこの問題を取り上げた。
 ボッドマンエネルギー庁長官は「我々は広範な長期にわたる変革を成し遂げなければならない。再生可能エネルギーの具体化,代替エネルギーの積極的な採用,在来の炭化水素系資源の活用,原子力発電等の対応と同時に,エネルギーの使い方の改善にも努めなければならない」と述べた。
 さらに,「エネルギー自立防衛計画では,2020年までに自動車の燃費を35マイル(56km)/ガロンに改善することを求めている。また,エネルギー省は、電力の最大使用者である工業界を対象にエネルギー効率改善に努め,これまでに80兆Btu相当の天然ガス,金額にして8億ドル以上の節約を達成した。その他の大きな分野として建設業界があり,基準モデルを設けて現状よりも30%省エネとなる業務用ビルを試作,2012年までに22万戸を建設すると発表している。個人の努力は小さいが,このような努力を徹底することにより大きな成果が生まれ,この国のエネルギー消費が大きく変化したことを世界に示すことができる」と結んだ。

Air Conditioning, Heating and Refrigeration News July 21 2008




新技術を駆使したコールド・ストア誕生

 キーストーン・ディストリビューション社は,マクドナルド製品を扱うイギリスの大手コールド・ストアの1つである。
 2005年12月に発生した燃料貯蔵設備の爆発事故により,同社のヘメル(Hemel)工場は壊滅的な損害を受けた。この工場を再建するに当たり,同社は画期的な設備を導入することを決めた。容量2000kWの冷凍機には,最も効率がよいとして2段のアンモニア冷凍設備が採用された。
 次に,これまで電熱マットで床下に設置されていたグリコール溶液の熱交換器による床面の凍結を防いでいたが,圧縮機のオイル冷却器の熱を回収して使用する方法を採用,年間26万kWhの節減を成し遂げた。また,圧縮機に駆動にインバータ制御を取り入れ,正確には来年1月まで不明であるが,推定38%の省エネを達成している。さらに力率の改善により,10〜15%の改善も期待される。
 冷却水設備では,バルティモア社のCXV型を採用したことで,年間500kWhの節減に成功しているが,それに加えて温度,湿度を感知し,ヘッド圧を最低に保つモニターシステムを採用,400kWhの削減にも成功した。
 デフロストも改善された。デフロスト時にクーラーへの外気の進入を遮断することにより,デフロストサイクルを短縮し,1日あたり240kWhの節減に成功した。
 以上を総合し,概算で1.5MWの省エネを達成,同規模の他工場の消費量の40%減,CO2年間排出量で640トンの削減効果をあげたという。

RAC−REFRIGERATION AND AIR CONDITIONING Aug. 2008

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