機関誌「冷凍と空調」 / 2008.10 (NO.569)
海外短信
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今月はエネルギー問題を解決するグリーン化について,3テーマを紹介する。


不況の建設業界,グリーン化で活路を

 建設業全体が不況に見舞われている中,唯一,住宅のグリーン化に明るい見通しがみられ,その展開に注目が集まっている。
 マクグロー・ヒル(McGraw-Hill)社が行った調査によると,住宅の改築に着手しているバイヤーやオーナーは,グリーン化を実施できる専門業者の数が少ないと不満を漏らしているという。
 全米住宅建設業者協会(NAHB)でも,エネルギー価格が高騰する中住宅の冷暖房をどのように確保するか悩んでいるオーナーが多く,エネルギー効率改善のためには何がしかの投資を行う意思を持っていることを認めている。これは,高効率の機器の需要が拡大することを意味する。こうした状況から,コントラクターが生き残りたいと欲するならば,グリーン化に対し懸命な努力を傾けるべきだとの指摘がある。
 グリーン化には2種類あり,新築に対しては当初から計画に組み込まれているのでアプローチは比較的容易であるが,既存の住宅に対しては高性能システムや既設設備への新技術の適用,改善などについて,豊富な知識が要求される。
 既設の場合,スペースや投入するコストに制限が設けられたりする。このような制約の中で,顧客が最も注目するエネルギーコストの改善につながるシステムを提案していくためには,可能な限り最新の技術を取り入れることである。最新技術の取得手段として,各種専門団体(グリーン・メカニカル・カウンシル,環境配慮基準LEED,エネルギー・スターなど)が発行する資料を活用することがあげられる。
 この問題に4年前から取り組んできたある業者は,豊富な知識を駆使して顧客に最適な案を提示し,なぜそれがよいのかを示せるだけの裏づけを持っていなければならないとしている。この業者はグリーン化により国家の将来,環境保護,企業の生き残りに全力を尽くすべきだと述べている。

Air Conditioning, Heating and Refrigeration News Aug. 18 2008



グリーン化促進のツール, デモ車両で全国行脚

 環境リーダーシップ組合(PEL)はグリーン化技術の啓蒙のため,関係6団体(アメリカ機械受注業者協会(MCAA),LEED 認定プロ(AP)トレーニングプログラム,鉛管工及び配管工の連合協会(UA),アメリカ機械サービス業協会(MSCA)等)の賛同を得て,HVAC車載技術教室としてグリーン化の各種技術を示す製品を搭載した車両で全国を巡回した。推進役のPELでは「我々は,この企画を単なる展示場にするつもりはない。社会に対して最新の先端グリーン化技術を示し,環境問題に責任を持ち,コミットすることを宣言する」と述べた。
 搭載された最先端技術製品は,以下の通り。

○燃料電池
 H-FCTT-1型モデルは,ユーザーに水素を燃料にして既存送電線網に電力供給を可能にする。
○風力発電
 H-WPG-1型風力発電ユニットは,代替エネルギーとしての風力発電の原理を紹介している。
○太陽熱暖房システム
 H-SST-1型モデルは,太陽熱温水供給システムで,車体に取り付けられた集光パネルの角度を調整可能にし,太陽光を有効に集光できるようにした。
○太陽電池システム
 H-SPT-AC型モデルは,遠隔地で電力供給が困難な場所での具体的な電力供給を展示。
○中水使用のトイレ
 H-SPT-1型モデルは中水をトイレの洗浄に使用するシステム。
○嫌気処理プロセス
 バクテリアによる消化処理法。H-6515型モデルは嫌気性消化を助ける設備。
○浸透デモ機
 H-6520型モデルは,各種土壌や表面の状態に対する浸透度のデモを行うシステム。
○地熱利用システムトレーナー
 H-GTL-1型モデルは,最新のヒートポンプによりテストや調整法を学ぶことができる地熱システム。
○住宅加圧トレーナー
 H-RPT-1型モデルは低流量・加圧トイレシステムを体験するユニット。
○微生物水処理トレーナー
 H-6518型モデルは,微生物による消化処理を学ぶことができるシステム。
○ヒートポンプ・トレーナー
 H-HPT-2X型ユニットは,各種燃料や電力を利用したファーネスやエアハンドラー,蒸発コイルと組み合わせて使用するように考案されたユニット。

Air Conditioning, Heating and Refrigeration News Aug. 18 2008



カリフォルニア州,グリーンビル基準を提唱

カリフォルニア州ビル基準委員会(BSC)は,このほど州単位としては初めて,グリーンビル基準案を絶対多数で可決した。国中のコントラクターに大きな影響を与えるこの法案の発効の推移について,注目を集めている。
 昨年10月,シュワルツェネッガー知事は“法案1058”に含まれているいくつかの全国基準がカリフォルニア州にとってリスクが大きいと署名を拒否し,委員会に対して州独自のグリーンビル基準を2010年までに制定するよう求めた。
 今回の案はこれに基づくもので,現行の基準よりも15%エネルギー消費を削減するように求め,カリフォルニアが環境面でフレンドリーな「小さなカリフォルニア(Minimum California)」を実現するように求めている。知事は「自動車とビルがエネルギー消費の2大要素になっている。我々はすでにこれに対する対策を提出しており,我々の経済を守りながら炭酸ガスの排出量を削減し,併せて価値ある天然資源を保護し,我がカリフォルニアを各州の先頭を切る存在として繁栄させることができるようになる」と述べている。
 BSCはこの法案を来年7月までに成立させたいと,手続きを急いでいる。

Air Conditioning, Heating and Refrigeration News Aug. 25 2008

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