機関誌「冷凍と空調」 / 2008.11 (NO.570)
資料紹介
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温室効果ガスの排出,基準年度比8.7%増

―2007年度,速報で13億7100万トン―

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 2007年度(平成19年度)の温室効果ガス排出量の速報が11月12日,環境省から発表されました。それによると,温室効果ガスの総排出量は二酸化炭素換算で13億7100万トン,前年度比で2.3%の増加,基準年度比では8.7%の増加となっています。概要を紹介します。
(編集係)

1.温室効果ガスの総排出量

 2007年度の温室効果ガスの総排出量(各温室効果ガスの排出量に地球温暖化係数[GWP(注1)]を乗じ,それらを合算したもの)は,二酸化炭素換算で13億7100万トン,前年度比2.3%の増加となった。環境省では増加の原因として,産業部門,家庭部門などからのエネルギー起源二酸化炭素の排出量が増加したこと,原子力発電所の利用率の低下と渇水による水力発電電力量の減少に伴い,火力発電による電力量が大幅に増加したことなどをあげている。
 また,京都議定書の規定による基準年(1990年。ただし,HFCs,PFCs 及びSF6については1995年)(注2)の総排出量12億6100万トンと比べ8.7%上回っており,京都議定書の6%の削減約束の達成には,排出量を9.3%削減しなければならないことになる。

注1) 地球温暖化係数(GWP:Global Warming Potential):温室効果ガスの温室効果をもたらす程度を,二酸化炭素の当該程度に対する比で示した係数。数値は気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第2次評価報告書(1995)によるもの。
注2) 京都議定書第3条第8項の規定によると,HFCs等3種類の温室効果ガスに係る基準年は1995年とすることができるとされている。

2.各温室効果ガスの排出状況

(1)二酸化炭素(CO2)
 2007年度の二酸化炭素排出量は13億500万トンで,前年度比2.6%の増加,基準年比で14.1%の増加であった。このうち,エネルギー起源二酸化炭素全体では12億1800万トンで前年度比2.7%増,基準年比で15.0%増,非エネルギー起源二酸化炭素は0.9億トンで前年度比1.5%増,基準年比3.1%増であった。
 エネルギー起源二酸化炭素の排出量を各部門別でみると,工場等の産業部門は4.8億トンと前年度比で3.6%増加している。これは,製造業からの排出量が増加したためとしている。基準年比では1.3%の減少である。自動車・船舶等の運輸部門は2.5億トン,1.6%の減少で,自家用乗用車や貨物自動車からの排出量が減少したこと等によるとしている。基準年比では14.6%の増加である。商業・サービス・事業所等業務その他部門からの排出量は2.3億トンで1.2%増,家庭部門は1.8億トンで8.4%増と前年度比ではともに増加した。増加の原因として,ともに冷暖房需要の増加等による電力消費に伴う排出量の増加をあげている。また,基準年比でもそれぞれ41.7%,41.1%と昨年に引き続き大幅に増加した。発電所や石油精製所等のエネルギー転換部門は0.8億トンで3.6%増,電力等の自家消費量の増加等による排出量の増加が原因としている。基準年比では17.7%の増加であった。

(2)メタン(CH4)
 2007年度のメタン排出量は,二酸化炭素換算で2310万トン,前年度比1.6%の減少となった。廃棄物の埋立に伴う排出量等が減少したためという。基準年比でも30.7%の減少であった。

(3)一酸化二窒素(N2O)
 2007年度の一酸化二窒素(亜酸化窒素)排出量は二酸化炭素換算で2540万トン,前年度比0.1%の増加となった。燃料の燃焼分野からの排出量が微増したためであるという。基準年比は22.1%減であった。

(4)ハイドロフルオロカーボン類(HFCs)
 2007年度のHFCs排出量は二酸化炭素換算で650万トンで,前年度比0.1%の増加であった。これは,HCFCからHFCへの代替に伴い冷媒の排出量が増加したためとしている。1995基準年比では67.8%減少した。

(5)パーフルオロカーボン類(PFCs)
 2007年度のPFCs排出量は二酸化炭素換算で650万トン,前年度比12.2%減あり,前年度比減少の原因として,半導体製造からの排出量の減少をあげている。1995基準年比は53.8%減であった。

(6)六ふっ化硫黄(SF6)
 2007年度のSF6排出量は二酸化炭素換算で440万トン,14.8%減となっており,SF6製造時の漏出による排出量が減少したためとしている。1995基準年比は74.1%減であった。


速報値の算定について:
温室効果ガス排出量の確報値は各種統計の年報値に基づいて算定されるが,現段階では2007年度の年報値は公表されていないものがある。そこで,2007年度の年報値が公表されていないものについては,2006年度値等を代用している。このため,今般とりまとめた速報値と2009年4月に報告予定の確報値との間に誤差が生じる可能性がある。


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