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不況下米国業界の今後の動向を探る
不況が続く中,業界の未来を予測する専門業者による調査結果が発表された。
1つめは,暖房空調冷凍ディストリビュータ・インターナショナル(HARDI:Heating, Airconditioning, Refrigeration, Distributors International)が調査会社J.P.モルガンに依頼した93社のメンバーを対象とした調査で,7月に結果が発表されている。回答の大部分は価格,在庫,刺激策に関するもので,今年いっぱいは苦しい状況が続くが,来年は住宅部門の取替需要により上向くと見るものが多かった。現時点では,多くの顧客は壊れた機器の修理を依頼しているが,これらの機器は長く使用することはできず3年以内に取り替えなくてはならなくなってくる。また,冷媒のR410Aへの転換による新規需要について,60%のディストリビュータが来年の大きな需要拡大につながらないと見ており,税クレジットによる後押しを期待している。いずれにしろ,顧客は効率の良い製品に強く関心を示していることが分かった。
もう1つの調査は今年11月15〜18日にかけてシカゴで開催される“ファブテックインターナショナル&AWSウエルディングショーに関連して行われ,1046社を対象とした調査結果が発表されている。ここでは53%がすでに景気回復の兆候が現れてきていると感じていることが分かった。その兆候として27%が引き合いの増加,23%が受注の増加,18%がレイオフの減少,14%が在庫の回復をあげている。さらに27%が,今年下半期には経済は回復すると明るい見通しを持っていることが分かった。メーカーの中には,この転換期に備えて準備を始めたところもあるという。
Air Conditioning, Heating and Refrigeration News Sep. 7&21 2009
コンパクトチラー登場
ノースカロライナ州に根拠を置くハリス・ティーター社は,ショーロットに新規店舗を開店するに当たって,二次冷媒系を極限的に単純化し,セルフコンテイン型で,冷媒の充てん量を最少化し,オイルシステムなしの新しいシステムを模索していた。その結果,北米初のヒル・フェニックス社製“セカンド・ネイチャー型コンパクトチラー”がこの目的に適合するとして採用,設置した。このシステムはスウェーデンの会社が開発した最新の技術を同社の協力を得て応用したもので,冷媒の充てん量を従来の同社製DXシステムと比べ97%減を達成した。その結果,機器使用の全寿命期間にわたって,冷媒漏えい量を1%以下に減少させることができたという。
このシステムは従来の中温用二次冷媒システムと異なり,冷媒の流れと逆方向に二次冷媒を流し一次冷媒の凝縮用に当てることで,冷媒充てん量を大幅に削減することができた。ここでは3つの蒸発器を1つにまとめ,それぞれを冷却用,凝縮用,液冷媒の過冷却に当てている。
Air Conditioning, Heating and Refrigeration News Sep. 7 2009
欧州冷凍空調業界で優秀技術を表彰
○冷凍学会(IOR:Institute of Refrigeration)
この会が提唱する“リアル・ゼロ(Real Zero)”運動が,短期間に欧州業界の協賛を得て英国の技術基準に採用されたほか,全欧州に拡大される傾向にあり,選考委員会は今年最大の貢献と認定し,金賞を授与した。
この運動は昨年,漏えいの影響の重大さを認知させること,改善のためのアドバイスを作成することからスタートした。カーボントラスト社はリアル・ゼロの炭酸ガス削減の可能性を認め,マークス&スペンサー,BOC社,HRPなどの資金援助を受け,大型プロジェクトに発展させた。
現在では運動は大規模に拡大し,漏えい量削減の具体的ガイダンスの作成,漏えいの影響を測定することができるツールの作成,トレーニングコースの設営,相互交流のためのウェブサイトの開設等が進められている。
○スター・レフリジェレーション社(Star Refrigeration)
同社はこれまで自然冷媒の導入に注力し,常に顧客のニーズに応えられる画期的な製品を提供したことが評価され,冷凍業界賞を授与された。昨年はアンモニア・グリコール・チラーやクリティカル炭酸ガスシステムに関するオンライン教育を開始する等,大きな貢献が認定された。
○クールターモ(Cool-Therm)社,クリーマターモ(Klima-Therm)社,ゲオクライマ(Geoclima)社
これら3社は,画期的なフローティング・ヘッド・プレッシャー方式を実現した“ターボマイザー”を開発し大幅な省エネを達成したことが評価され受賞した。この機種は冷却特性を保ちながら従来型のスクリュー冷凍機と比べエネルギー消費量を半減し,その結果,機器の償却年数を1年以内に短縮することに成功した。この機器を採用したドチェスターホテルでは,毎月の空調費が1万ポンド削減できたと報告している。
○SPG社
この会社が開発した“シンプル・エア”型は従来のスーパーマーケット向けの直膨式システムを発展改良したシステムで,稼動部分や配管を大量に削減したことにより,製造時の炭酸ガス発生量を大幅に減らすことに成功した。その原理は冷たい外気を中央の冷却ユニットに導き,これを配管によらずダクトでキャビネットに送り,フリークーリングを行う。その結果,圧縮機の消費エネルギーを12〜25%削減することに成功した。配管を使わないのでドレーンによる老化がなく,保守費を大幅に削減できる。同社では,この機種の採用により稼動部品を60%,配管を60m削減した。
RAC−REFRIGERATION AND AIR CONDITIONING NOVEMBER 2009
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