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6.4 エアコンの制御と電気部品 |
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(1)温度センサ
制御入力として,ほとんどのエアコンの中で使用されているものとして温度センサがあります。冷凍サイクルの熱交換器の温度を検出したり,室温や外気温といった空気の温度を検出して,エアコンの運転制御に使用します。また,保護機能としてエアコンの運転を停止させるための判断に使用します。図6.
11 にエアコンの制御に係わる温度センサの配置例を示します。
温度検出に用いられるセンサはサーミスタと呼ばれ,負の温度特性を持った熱抵抗素子で,温度によって電気抵抗が変化する材料を利用したものです。マンガン(Mn),コバルト(Co),ニッケル(Ni),鉄(Fe),銅(Cu)などの酸化物を混ぜ合わせ,焼き固めた半導体を電極間に挟み込んだ構造をしています。エアコンの熱交換器などには素子を樹脂コーティングしたものを銅管内に入れ,樹脂で封入したものが取り付けられています(図6.
12 参照)。図6. 13 にサーミスタの温度特性例を示します。
マイコンを搭載した制御器とサーミスタの接続回路の一例を図6. 14 に示します。
サーミスタの温度特性を図6. 13 に示しましたが,温度が変化することによりサーミスタの抵抗値が変化します。マイコンへ入力される信号は,温度⇒サーミスタの抵抗値⇒サーミスタと固定抵抗
R の分圧値⇒電圧値としてマイコンへ入力されます。よって,マイコンでは入力された電圧値を温度情報としてエアコンの制御に使用します。
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| 図6.11 制御に係わる温度センサの配置例 |
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| 図6.12 センサ構造概略 |
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| 図6.13 サーミスタの温度特性例 |
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| 図6.14 サーミスタ接続回路の一例 |
(2)モータ
エアコンと電気(その1)にも記載しましたが,エアコンの制御負荷(Load)としてモータが数多く使用されています。モータは,電気エネルギーを機械エネルギーに変換する装置です。モータを電源の種類により分類すると下記のようになります。
まずは,モータの中で,室内機,室外機の送風装置のファン駆動によく使用されているインダクションモータを説明します。
<1> インダクションモータの構造
インダクションモータは大きく分けて,ロータ(rotor:回転子)とステータ(stater:固定子)から構成されます。ロータは,鉄心にアルミダイキャストで鋳込まれた二次導体とシャフトからなり,また,ステータは,電機子巻線が巻き回された鉄心と軸受け,フレームからなります。カットモデルを図6.15
に示します。
<2> モータの動作
ここで,インダクションモータ(induction motor:誘導電動機)の駆動について,簡単に説明します。 図6. 16 にキャパシタラン単相誘導電動機の回路図とモデルを示します。
ステータを位相が 90゜異なる二相巻線にして,補助コイル側に直列に進相コンデンサを入れています。
| 1) |
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<1>,<3>のコイルに電流を流す。(<1>:N極,<3>:S極) |
| 2) |
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<2>,<4>のコイルに電流を流す。(<2>:N極,<4>:S極) |
| 3) |
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<1>,<3>のコイルに逆向きの電流を流す。(<1>:S極,<3>:N極) |
| 4) |
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<2>,<4>のコイルに逆向きの電流を流す。(<2>:S極,<4>:N極) |
N 極が<1>→<2>→<3>→<4>→<1>と順次移動することで,ロータの周りに回転磁界が形成されます。この回転磁界に対してロータには反対向きの力が発生(フレミング左手の法則)し,ロータは負荷のかかった分だけ遅れて回転します。
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| 図6.15 インダクションモータのカットモデル |
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| 図6.16 キャパシタラン単相誘導電動機の回路図とモデル |
<3> モータの回転数制御方式
モータの回転数制御方式として,ファンモータによく使用されている方式に補助コイルの途中よりタップを取り出した中間タップ方式があります。この方式は,リレーにより補助コイルへの接続点を切り替えることにより通電電流により発生する電磁エネルギーを変化させることで回転数を切り替える方式です。
中間タップ方式は選択する回転速度に制約があり,また,使用する空調機の形態や能力毎に,個々に対応するタップを設計する必要があること,モータのタップを引き出す工程により製造性が悪いなどの欠点があり,圧縮機のインバータ化とともにきめ細やかな空調を行うためには,ファンを任意の回転数で制御したいと言う要求に答えて,多段階速度制御(波数制御),無段階速度制御(位相制御)が使用されています。波数制御,位相制御は共に,マイコンからの制御信号(弱電)をフォトカプラと言う半導体素子を介して主回路のトライアック(半導体素子)に与え,主コイル,補助コイルに通電される電流を制御し,回転数を変化させる方式です。
波数制御は,電源周波数のあるサイクル分を1つの制御対象とします。例えば制御対象を 16 サイクルとすると,低回転(1サイクル ON/15
サイクル OFF)〜高回転(15 サイクル ON/1サイクル OFF)として,ON サイクルが多いほど回転数がアップします。
位相制御は,モータ巻線に通電する電流位相を制御する方法で,電源の0クロスからの通電タイミングにより,通電幅が長いほど回転数がアップします。
<4> PM(パーマネントマグネット:Permanent Magnet)モータの構造
DCモータの整流子などの機械的な接触部分を取り除き,非接触化することにより,機械的な騒音や電気的なノイズの発生がなく,また,機械的に摺りあう箇所がないので,磨耗がなく高速回転でき,かつ,寿命の長いモータです。
パーマネントマグネットモータは大きく分けて,ロータ(rotor:回転子)とステータ(stater:固定子)から構成されます。ロータは,永久磁石とシャフト,ボールベアリングからなり,また,ステータは,電機子巻線が巻き回された鉄心と軸受け,フレーム,ホール素子を搭載した基板組立組み込みからなります。カットモデルを図6.
18 に示します。
永久磁石のロータがあり,この廻りに電機子巻線が設けられています。この電機子巻線への通電を順次切換えて,永久磁石のロータを回します。DC モータの整流子に代わる機械的整流作用を半導体のスイッチング回路で置換えて,電機子巻線への通電を行います。モータの駆動は,磁気センサのホール素子などを用いてロータ・永久磁石の極の位置を検知し,この検知した信号をもとにスイッチング回路を制御して回転磁界を発生させます。
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| 図6.18 PMモータのカットモデル(モールドタイプ) |
[担当:古結勝美]

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