「私の海外駐在記 ~ブラジル~ 中編」日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社 佐々木俊治

印刷

No.661 2019年2月

海外駐在記は、全号(No.660)に引き続き日立ジョンソンコントロールズ空調(株)R&Dイノベーション本部 主幹技師、佐々木俊治氏の駐在体験(中編)を掲載します。ブラジルでの駐在記を三号にわたりお届けいたします。

過去記事はこちらから

ドイツ駐在記(パナソニック 小林様)
インド駐在記(日冷工 波多野)
中国駐在記(日冷工 大井手)
インドネシア駐在記(パナソニック 菅沼様)
■ブラジル駐在記 前編後編(日立JC 佐々木様)
台湾駐在記(荏原冷熱 勇様)
中国マレーシア駐在記(日冷工 長野)
ロンドン駐在記(日冷工 笠原)
ノルウェー駐在記(日冷工 坪田)




4. 住居、食事と娯楽

アパートは前任者が住んでいたところを、家具類を含めて居抜きで引き継ぎしたので、ブラジルでの新生活の立ち上げは楽でした。広さは2LDKで単身赴任には十分な広さでした。15階建ての10階に住んでいて窓をあければ、風が入るため、エアコンも要りませんでした。


写真1:アパートの室内


アパートの敷地は塀で囲われていて、出入り口は二重扉で、交代で24時間常駐している警備員に扉を開け閉めしてもらう必要があり、少し面倒でした。近くには市民公園があり、休日にはウォーキングする人、ピクニックする人等でいっぱいでしたが、木陰でのんびりすることもでき、気分転換することができました。

この公園はブラジル人が世界で最初に飛行機を飛ばしたと信じているサントス・デュモン博士の名前がついていて、博士製作の複葉機の模型が展示されています。





写真2:街のレストラン



ケーブルテレビは日本語のNHK が見られるものを契約しました。12時間時差があると、日本の夜のニュースをブラジルでは朝に見る状況でしたが、日本の情報がすぐに入るので便利でした。現地の放送も入りますが、言葉がわからないので、サッカー等のスポーツ番組ぐらいしか見れませんでした。今までの人生で一番NHKを見た期間でしたが、ドラマやバラエティも結構面白く、お固い番組だけではないことを再認識しました。


食事は自炊と外食の併用でした。朝食はアパートで日本食の自炊で、ご飯(輸入のカルフォルニア米を購入)、味噌汁、目玉焼き他、昼食は工場の食堂でのブラジル食で、パサパサのご飯にフェジョン豆のお汁をかけたものに肉(主に牛肉)料理のおかず、夕食は外食が多くなり、バール(Bar)と呼ばれるブラジル居酒屋、普通の日本食レストラン、寿司屋、イタリア料理レストラン等と選択肢はたくさんあり楽しみでした。



写真3:日本食レストランにて




写真4:ハムがたっぷり入ったフランスパン



お寿司は日系人の方々の手が入りブラジル風のものがたくさんありました。日本人にとっては少しおかしなものになっていましたが、日本のものは違うと思いながら食べていました。


スーパーには食材はいろいろそろっており、現地のものを買っている限りは比較的安価に入手できました。特にフルーツ類は充実していて、亜熱帯特有の食べたことがないものも多数あり、いろいろ味わいました。また、パンは種類がたくさんありました(パンという言葉はポルトガル語です)。フランスパンにこれでもかというぐらいハムを詰め込んだサンドイッチは美味しく、よく食べていました。


休日に市中での昼食などでポルキロという、重さを測って値段を計算するビュッフェ形式の店をよく利用していました。いろいろなものを手軽に食べることができるので便利でした。

また、ブラジル人はお肉が大好きなので、牛肉のオイルフォンデュ(パンのチーズフォンデュのお肉版)という料理があり、珍しがってブラジル居酒屋等で美味しく頂いていました。


料理につきもののお酒は、カイピリーニャが有名です。これはサトウキビから作ったピンガという焼酎に、現地ではレモンと呼んでいますがカボスに近い果物をたくさん入れてつぶし、砂糖を加えた飲み物です。口当たりは非常に良いのですが、原酒をレモンの果汁のみで割っているので、アルコール度は高く、4杯以上飲むと腰が立つか保証の限りではありません。



写真5:日本人駐在員なかまと



数少ない娯楽としては、サンパウロの日本人駐在員にとっては、週末は日系ゴルフ場で一日過ごすのが定番でした。海外はゴルフ代が安価との情報でしたが、ここの日系ゴルフ場はプレー代が約2万円と日本と変わらないくらい割高でした。

私が住んでいたサンジョゼ市内には9ホールですがゴルフ場もあるスポーツクラブがあり、会費を1万円/月支払えばプレイし放題で、自宅アパートからも車で10分もあれば行けるところだったので、週末はこちらで日本人駐在者や現地日系人とプレイすることが多くなりました。


写真6:ゴルフ場のクラブハウス



ブラジルはサッカー大国ということで、競技場でのサッカー観戦も娯楽のひとつでした。サンパウロ州やブラジル国内のリーグ戦、南米選手権、ちょうどブラジルで開催されたコンフェデレーション杯、ワールド杯の試合を観戦できたのもいい思い出となりました。(日本戦も観戦しましたが、負けてしまったので残念です)



ブラジル人はクリスマスから正月の一週間程度の長い休暇となれば、海岸に宿泊して過ごします(ブラジルは季節が夏です)。海岸にはホテルのほかに貸別荘もあり、一日中ビーチで飲み食いしながらおしゃべりしている状況です。私も日本人駐在者や出張者と日帰りですけど近くの海岸へ出掛けました(近くといっても100kmぐらい先ですが)。ブラジルのビーチでの定番は、飲み物はビール、おつまみは焼きチーズ、焼き海老でした。もうひとつ分かったことは、ブラジルの女性用水着はビキニしかないことです。若い方からベテランまで皆さん一緒で、見ていて壮観でした。




写真7: お正月休みは皆ビーチで過ごす


以上次号(No.662)へつづく


topに戻る