牛と水牛の見分け方は顔つき!?
「私の海外駐在記 ~ インド ~ 後編」 国際部 波多野

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No.673 2020年11月

海外駐在記は、前編に引き続き、当工業会 国際部 波多野次長のインド駐在体験(後編)をお届けます。前編(No.672)はこちらから

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インドネシア駐在記(パナソニック 菅沼様)
ブラジル駐在記 (日立JC 佐々木様)
台湾駐在記(荏原冷熱 勇様)
中国マレーシア駐在記(日冷工 長野)
ロンドン駐在記(日冷工 笠原)
ノルウェー駐在記(日冷工 坪田)




1.インドの食べ物

① 紅茶について
インドといえば紅茶。勤務先の事務所に砂糖入りホットミルクが出てくるサーバーと、その横に紅茶のティーバッグが常備されていて、ミルクティーがいつでも飲めるようになっていました。これが私のお気に入りでした。
インドに通うようになってから、現地の人に教えてもらったのですが、ダージリンティーはストレートで味わうもの、チャイやミルクティーにすると良いのはアッサムティーだそうです。

勤務先のミルクティーがお気に入りと言いつつ、家で楽しむ時はストレート派の私は、高価なダージリンを試しに買って、安い物と飲み較べてみましたが、正直違いは判りませんでした(舌がポンコツ)。




写真1:お気に入りのミルクティー




② チキンティッカとタンドリーチキン
先ずは前菜。駐在員から、「インドの代表といえばコレ」と紹介されたのが、チキンティッカ。グルメではない私は「え?聞いたことない。」と言いながら食べてみるとタンドリーチキンそのまま。駐在員に「タンドリーチキンじゃないの?」と確認しても、「違う、これはティッカ。タンドリーチキンはメニューにちゃんと別に載ってるよ。」と言われ、まぁ美味しいからいいや、とその場を過ごしはしたものの、気になって後で調べてみたら、両者の材料・調味料・調理法は同じ。違いは、ティッカは骨を取って、小さめに切ったチキンを調理するのに対し、タンドリーチキンは骨付きの、大きめの肉を使うとのこと。骨無しで食べやすいティッカ、お勧めです。


③ カレーあれこれ
次にメインのカレー。我々外国人から見れば「カレー」なのですが、材料その他の違いで、それぞれ固有の呼称があります。

それぞれの呼称はほとんど覚えていませんが、唯一記憶しているのは、「バターチキン」その名の通り、チキンカレー。他に、豆のカレー、ホウレンソウのカレーなど多様です。それから、サイコロ状のチーズが入ったものもありますが、チーズらしい味がしなくて、豆腐の様な感じでした。


④ ナンとチャパティーとプーリ
(問)インドの主食はなんですか?-(答)そうです。(主食はナンですか?)
このオヤジジョーク好きなのですが、主食といえばナンよりも、チャパティーの方が一般的らしいです。

ナンは白くてふっくらしていて、タンドーリ窯で焼いたもの。この窯は一般家庭にはあまり無く、インドでもナンはレストランで食べるものだそうです。

チャパティーはうす茶色の円形の生地を、鉄板で焼いたもの。そして、チャパティーと同じ生地を油で揚げたものがプーリです。勤務先での昼食は毎日会社の食堂で定食(₹50≒75円)を食べていましたが、そこで供されるのはチャパティーとプーリでした。





写真2:勤務先でのランチ、美味しそうに写った奇跡の1枚
     左がチャパティー、右がプーリ





2.インドの交通

①通勤のタクシー

最初に書いた通り、宿泊はグルガオンのホテル。そこから職場であるジャジャールの工場まで片道40数kmの通勤は、会社が手配してくれるタクシーです。出張の都度の契約なので、毎回運転手(と、車両)が変わります。運転手さんそれぞれに拘りがあって、通るルートも運転手さん毎に違います。その甲斐あって、グルガオン周辺の道路に詳しくなりました。朝は1時間ちょっとで出社できますが、夕方の退勤時は渋滞のせいで2時間弱かかります。

インドのタクシーではしばしば、後席シートベルトのバックルが無いことがあります。シートカバーを掛けるとき、あるいは定員超え乗車のとき邪魔になるからなのか、シートの隙間に押し込んであります。シートの隙間に手を突っ込んで発掘できればラッキー。そもそもシートベルト(特に後席)はあまり使われていないためか、ベルト部分も砂埃で汚れがち。なので、ここでもウェットティッシュは必携です。


② 屋根にも乗るバス
我々はタクシーですが、現地の人々は主にバスの様です。現地のバスの特徴は、屋根にも人が乗ること。後部にちゃんと梯子が装備されています。




写真3:屋根にも乗ります





写真4:ちゃんと梯子が装備




③ 悪徳リキシャにつかまって
駅やショッピングモールのそばには、オートリキシャ(タイのトゥクトゥクの様な原動機付き3輪車)をよく見かけます。大部分は市民の身近な足であるのですが、観光地周辺には、不慣れな旅行者を狙う悪い連中もいます。


とある休日に、デリー市内に出張者3人(いつものおっさん2人組+応援に来てくれた若手技術者)で観光に出かけた時の話。最初の目的地のインド門までは地下鉄で行きました。駅についた途端にリキシャのドライバーが次から次へと声を掛けてきます。その後、世界遺産のフマユーン廟まで(3㎞ちょっとの距離)行きたかったので、声を掛けてくる一人と話をして、金額は忘れましたがそこそこリーズナブルと思えたので、利用することにしました。


リキシャに乗り込んで移動を始めると、やたら陽気に話しかけてきます。で、フマユーン廟に行け、と言っているのに、「いいところがある」と半ば強引に寄り道。降りてみると、土産物屋で、どうやらグルのよう。1人対3人の数的優位があっさり覆され、何か買わないとマズイ雰囲気です。相手を刺激しないように喜んでいるふりをしながら、3人それぞれ安い土産物を数点購入しました。そのあと、無事目的地まで連れて行ってくれましたが、最初に交渉した金額の数倍の請求。あれだけ陽気だった人物とは思えない冷たい目つきが怖ろしく、早く解放されたい一心で、相手の言い値を払い退散しました。ちょっと怖い体験でした。



写真5:悪徳リキシャに係わる前
後方がインド門




写真6:無事フマユーン廟に着きました




④ 独特のセンス、タタのデコトラ
都心部を少し外れると、大型のトラックが増えてきます。よく目にするのは、TATAのトラックで、各々装飾や塗装をした、いわばデコトラが普通です。塗装や装飾に、何か宗教的な雰囲気も感じます。 

このTATAのトラック、デザインした人には申し訳ないのですが、なんだか気味悪く怖ろしい。目が遠くを見ている様で、何か焦点が合っていない感じ、そんな生気が無い顔つきなのに、装飾によって有機的というか、生物的な要素が与えられて、なんだか怖い。これ全くの個人的見解です。




写真7:おでこ部分に三角停止板を

取付けるのが流行りの様です




写真8:手描きのイラストも独特の趣




3.出張時に持参すべき品々

① 靴磨き

グルガオンの市内、近代的なオフィスビルが林立していますが、歩道は余り整備が行き届いておらず、砂埃がたまっています。そして、雨が降れば水溜まり。郊外に出ればなおさらで、思いの他、靴が汚れます。高級ホテルには、靴磨きも備えがあるかもしれませんが、私達が利用していたホテルには残念ながら備え無し。で、100円ショップの靴磨き。便利です。

② 「流せるウェットティッシュ」
トイレに温水洗浄便座はありません。一方、マイルドながら、お腹の調子が悪くなる。となれば、「流せるウェットティッシュ」です。毎朝、事務所机の埃拭き取りにも流用できます。ドラッグストアの介護用品コーナーに「介護用おしりふき」として並んでいます。



4.帰国時の注意
空港に入るときにはエアチケットの提示が求められます。E-チケットの控えを印刷したものか、スマホ等でソフトコピーを提示する必要があります。空港ビルへの入り口で、軍人さん(?)が、一人ひとりチェックしています。

ある時うっかりして、e-チケットではなく、日本語の旅程表を持って入場しようとしたために、危うく追い返されそうになったことがあります。インドの日付表記は日/月/年。日本語の旅程表は年/月/日なので、チェックしていた軍人さんが肩にぶら下げたマシンガンに手をかけながら、「今日のフライトではないからダメ」といって追い払われそうになりました。必死で説明して事無きを得ましたが、気を付けてくださいね。



5.最後に
インドは一度訪れたあと魅了され大好きになる人と、全く合わず二度と行きたくないという人に、評価が極端に分かれる国です。私の場合、後者になりますが、業務上「嫌」は通用しませんよね。そんな中、嫌々ながらでも渡航を繰り返すうちに、最初の違和感も徐々に薄れ、自分の常識と違う事柄への寛容度が増しているのも事実で、ある意味、人を大きくしてくれる、そんな力がインドにはあるのかもしれません。


以上
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