2023年 新年賀詞交歓会 来賓挨拶

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No.688 2023年1月

2023年1月13日、品川御殿山マリオットホテルにて当工業会の賀詞交歓会が開催されました。以下に経済産業省製造産業局産業機械課長 安田氏より年頭の挨拶を賜りましたのでご紹介します。



経済産業省製造産業局産業機械課 安田課長

新年あけましておめでとうございます。
ただいまご紹介にあずかりました経済産業省産業機械課の安田と申します。

本日は日冷工さんの賀詞交歓会にお招きいただきまして大変光栄でございます。
新年の開始にあたりまして一言お祝いのご挨拶をさせていただければと思います。

昨年はコロナ禍からの経済回復を図る一年でございました。そして今年もその流れをしっかり継続し経済を本格的に成長させる、そういう一年にしたいと考えております。

一方で昨年はロシアによるウクライナ侵攻、そしてそれに伴うエネルギー高さらには物価高、実質的な円安、そして半導体不足に骨材の不足といった様々な状況が皆様方のビジネスにも大きな影響を及ぼしたと認識しております。

そのような状況は今年度も継続しているというふうに考えておりますが、そうした国際情勢、さらには国内の状況も踏まえまして経済産業省といたしましては3つの軸で今年は政策に取り組んで参ります。

一つ目は、GX、グリーントランスフォーメーションです。二つ目はDX、デジタルトランスフォーメーションです。3つ目は、経済安全保障ということです。この3つの軸で、産業界の皆様とも連携しながら、政策を前に進めるという決意でございます。

GX、こちらは昨年から国内外ともに大きな動きがあります。そして皆様方ともぜひ連携したいことがございます。まず国内では日ごろから省エネ効果が高い冷凍空調機器の開発、そして普及に努めていただき誠に感謝しております。そうした省エネ効果の高い冷凍空調機器の普及に向けまして、昨年末補正予算が成立をしておりまして、そのなかで省エネ補助金も積み増しをされております。そのメニューのなかには一つ冷凍空調機器も補助対象となっておりまして、こうしたサポート策もぜひご活用いただきながら、国内で省エネ効率の高い機器の普及に努めていただければと考えております。
さらに工場への大規模な投資とういうことについてもサポートさせていただくメニューが新しく制度改正で追加されております。これまで補助金というのは単年度のサポートにとどまっておりましたが、今後の省エネ補助金につきましては、複数年度の投資につきましても切れ目なくサポートさせていただく枠組みができあがりました。こうした大規模な省エネ投資につきましてもぜひ使っていただいて、この補助金を活用いただければと考えております。

一方で海外に目を向けますと、ヒートポンプに対する注目が非常に集まっております。特にEUの市場においては、エネルギーの転換ということで日本のヒートポンプに対する期待が非常に大きいと私どものほうでもひしひしと感じており、そういった声が入ってきているところでございます。ぜひこれを大きなビジネスチャンスととらえていただきまして、日本の高いヒートポンプ、そして冷凍空調技術を世界に普及させていただく、そういう1年にしていただければ大変ありがたいなと考えております。

その際、欧州では今新しい規制、フッ素ガスの新しい規制が導入されようとしているという認識をしているところでございます、そのフッ素ガスの新しい規制の導入にあたっては、われわれとしては、地球温暖化対策もさることながら、安全対策、製品のライフサイクル全体を通じた安全対策、さらにエネルギー効率の向上、そして、地球温暖化対策、この三つがバランスが取れる形で新しい規制が導入されるということが非常に重要なポイントだと考えております。そういうこともありまして、ぜひ皆様方も欧州の産業界と連携いただき、私どもも欧州の政府関係者とことあるごとにそういった視点が重要だということを訴えていきたいと考えておりますので、ぜひ皆様方と連携しながらヨーロッパでの機器の普及に向けて、それが制度としても裏付けられる規制というように働きかけをしていきたいと思いますので引き続きご協力いただければ大変幸いでございます。

二つ目のDXにつきましては、ちょうど昨年HVAC&Rが開催され、私もそこに参加させていただいて、非常に多くのソリューションが展示されていたというふうに記憶しております。また来年HVAC&Rが開催されると認識しておりますけれども、ぜひそうした展示会におきまして、このユーザーのニーズに応える新しいソリューション、ビジネスを開発していただければ幸いです。
また、こうしたDXに向けた投資につきましても、昨年末の補正予算におきましてモノづくり補助金であるとか、そういったメニューがございます。そうした施策も活用いただきながら、進めていただければ大変幸いでございます。

ここでひとつ告知をさせていただければと思います。
経済産業省では福島の復興が重要な取り組みとなっております。それに向けまして昨年末に、東北地方の水産物の消費拡大ということを目指しまして「魅力発見、三陸常磐ものネットワーク」という名前の官民のプラットフォームを立ち上げました。これは政府機関と産業界の皆様とが連携して水産物の消費拡大をはかるという取り組みでございまして、皆様がた、主旨に賛同いただける企業様にはぜひこのネットワークにご助力いただいて、例えば社食であるとか、お弁当、そういった形で福島、三陸、常磐の水産物をご購入いただいて、福島東北地方の水産物消費拡大の取り組みを進めるということでご協力を賜りますれば大変幸いでございます。

昨年末には、経団連さんのほうから国内投資を拡大するという話もございました。今年はそうした投資を拡大しそれによってイノベーションを起こし、さらには生産性所得を向上させるというこの3つをつなげる好循環を目指していきたいと考えております。その好循環に向けて産業界のみなさまと連携しながら、先ほど申し上げましたような政策に取り組んでいきたいと思いますので、今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

結びになりますが、日冷工さん、冷凍空調業界のますますのご発展、さらには本日御列席の皆々様のご健勝と、本年がさらに素晴らしい年になるということを祈念させていただきまして、私からのお祝いのご挨拶とさせていただきます。本日は誠におめでとうございます。


以上

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