機関誌「冷凍と空調」 / 2004.1 (NO.512)

海外短信

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ハノーバIKKでの注目新製品

 毎年ハノーバで開催される国際展示会IKKは,今年は例年参加していた著名なメーカ30社が不参加という事態となったが,その代わりに躍進するトルコ,中国などが参加し盛況となった。特に目についた出品を紹介しよう。

●CO2高圧密閉型圧縮機ユニット(ダンフォス)
 ダンフォスは,現在HFCに代替するとして注目されているCO2を冷媒とする新密閉型圧縮機ユニットを出品し,多くの関心を集めていた。
 CO2は冷媒として低価格,不燃性でしかもオゾン層破壊能力を持たないことから環境面で優れていることで知られているが,その作動圧力が非常に高いことがネックとなっていた。ダンフォスでは,この高圧に耐える圧縮機と各種コンポーネントの開発を進め,製品化のめどを得た。
 ユニットの運転圧力はほぼ130barで,圧縮機吐出圧力はさらに高くなる。
 試験機の容量は蒸発温度−10℃で0.5〜1.2kWで,テスト結果は在来の冷媒のものと比較して,より優れたエネルギー効率を示したという。この試験機の成功により,同社では自動販売機などの大型業務用冷蔵設備にも応用可能だとみている。
 環境保護主義者グループなどは,この技術により地球温暖化ガスを駆逐できると大いに期待しているが,同社ではCO2はどこででも使用できるものではなく,特殊な分野で既存の技術を代替することができる技術であるとPRしている。近々,ごく小規模な商業生産を開始することになっている。

●大型スクロール圧縮機(コープランド)
 スクロール圧縮機は高効率,高信頼性,小型,低騒音,低振動などの特徴から,小容量分野で往復動型に代わって採用されてきた。
 今回コープランドは所要動力40〜60Hp(単機),80〜120Hp(タンデム)とう巨大スクロールを出品した。今回の出展品は空調用であるが,全負荷時のエネルギー効率だけでなく,部分負荷時にも良好な特性を示したという。同社では,続けて冷凍用についても開発を行っていると発表している。
 今回開発したユニットは,水平密閉型で中央にモータ,両側にスクロール圧縮機をセットし,保守の際にはエンドキャップを外すだけで内部点検が行えるので,サービス性が大幅に向上したと述べている。試験機は,現在もベルギーの技術センターで試験が続けられており,近い将来,ヨーロッパで生産を開始すると発表している。

[RAC-REFRIGERATION AND AIR CONDITIONING November]


ACCA省エネキャンペーンを展開

 エアコンディショニング・コントラクターズ・オブ・アメリカ(ACCA)の調査によると,現在アメリカでは年間1360億ドルという巨額なエネルギーを消費しているという。このうち冷暖房関係では約55%を消費しているが,そのうちの15〜30%は無駄に浪費されているという。この点に着目した同会では「この浪費を改善すれば短期的なエネルギー不足に対処できるばかりでなく,長期的にも安定供給が保てる」として,“アメリカ人の生活:永続性ある快適のためのキャンペーン”と題して5項目の法規制計画を提案することにした。その内容は:

  • 住宅・ビルのオーナーに,所有する旧型空調システムを高効率のものに転換した場合に税クレジットを与える。
  • 空調システムに“清浄・点検”のための保守を実施した住宅のオーナーに,50ドルの税クレジットを与える。
  • 住宅や業務ビルの所有者が代わったり大規模な改修を行った場合に,全体のエネルギー監査を要求する。
  • 空調システムの定期的な保守と同時に,適切な機器選定と設置を行うよう大々的なユーザ教育を実施。
  • HFC冷媒の取扱いを検定合格者のみに限定し,有害ガスの大気放散を削減する。

 同会では以上の提案を実施することにより,現状のエネルギー不足に起因する価格の高騰によるダメージから脱却し,国家の反映を図るべきだと政府,議会筋に対して訴えてきている。
 この動きに対して政府,各種団体(ARI,GAMA,PHCC,原子力エネルギー協会,アメリカ・ガス協会など)が賛同する意向を示している。

[Air Conditioning, Heating and Refrigeration NEWS Oct. 13]


キャリア社,シラキウスの製造施設を閉鎖

 キャリアはこのたび,ニューヨーク州シラキウスにある同社の主要製造設備のうちコンテナ冷凍設備及び往復動圧縮機の製造施設を閉鎖し,今後は同所を新技術の研究開発のセンターとして拡充していくと発表した。
 この結果,現在2800ある職場のうち1200が失われることになる。製造工場の移転は困難を極めるが,同社では,これは市場の要求によるもので,会社の競争力維持と発展のために必要不可欠なものだと述べている。現在,コンテナ市場はアジアに集中しており,現に同社の製品の80%もアジア向けに出荷されている。そのため製造拠点を市場の近くに置くことがメリットを生むとして,既存の製造設備があるシンガポールに移転することにしたものである。
 一方,半密閉型往復動圧縮機は大半がロータリー型に代わり,残りも特定のメーカが担当するなどのため過去3年間で需要は半減しており,今後もさらに減少することが予想される。そこで残りの需要に対しては,ジョージア工場及び中国の工場でまかなうことに決したものである。

[Air Conditioning, Heating and Refrigeration NEWS Oct. 13]

 

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