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2003年アメリカ空調業界の主要トピックス
2003年のアメリカ空調業界を巻き込んだ幾つかのトピックスについて,業界紙AHRNがまとめている。
第1は「カビ」騒動である。この問題の火付け役になったのは,シカゴで開催されたASHRAE冬期大会の「住宅及び中小ビルにおける湿度とカビの制御」と題する講演である。この講演を契機にARI,SMACNA,ACCA等6つの大手団体は,この問題について必要な合衆国基準,法規制等を制定するよう働きかけることを決めた。我々の生活環境はカビの生態系と一致しているだけに,この予防についての一般業者レベルへの啓蒙が欠かせないからである。
第2は,冷媒問題である。HFC冷媒の長期的な展望についてのオープンな議論や炭酸ガス,R410Aに多くの注目が寄せられた。R22を用いた新製品の生産が2010年をもって停止されることから,R410A,R407C等の代替冷媒が登場してきた。また,オゾン破壊係数(ODP)及び地球温暖化係数(GWP)がない自然冷媒CO2が復活登場した。
第3は,厳しい経済事情から企業の吸収合併が目立ったことである。昨年初めにエンコンパス・サービスは,組織再編のためにサービス部門のRSGをニューヨークベースの企業に売却している。7月にはブルー・ドット・サービスが負債の削減を目的に6つの営業拠点を売却し,負債を2000万ドルから1000万ドルに圧縮することに成功している。10月にはアメリカン配管・機械社(AMPAM)が倒産予防組織に対し,企業再編を行い,今後は住宅及び業務用の機械システムの据付けに特化していくことを表明している。また最近になって,かつてエンロンが所有していたリンクグループをGIパートナーズが買収している。リンクグループはこれまでに1400名のスタッフを抱え,15000軒の顧客にサービスを提供。年間1億7000万ドルを売り上げていた。
その他,団体の合併も目立った。北米暖房・冷凍・空調卸売業者協会(NHRAW)と冷凍・空調卸売業者国際協会(ARWI)が合併し,新たに暖房・空調・冷凍ディストリビュータ国際協会(HARDI)が発足した。これにより,傘下に17カ国,450の卸売業者と300を超える製造団体,140名の製造業者代表を持つ巨大な組織となり,会員全体で空調製品の販売高の80%を占める存在となった。
以上の他,保険料や天然ガスの高騰,製造業者によるブランドの多様化,キャリアとシアーズの販売提携による販売ルートの変化,全土を襲った自然災害などが続いている。
[Air Conditioning, Heating and Refrigeration News Dec.
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2003年国際空調・暖房・冷凍展(AHR Expo)優秀出展に技術革新賞
AHR Expoの組織委員会はASHRAE,ARI,国際展示会社(IEC)と共同で,2003年度のAHR Expoに出展された数千点の展示品の中から最も多くの注目を集めたものに対して技術革新賞を授与することにし,今年度アナハイムで開催される展示会で最初の賞が贈られることになった。
対象製品は8つのカテゴリー(暖房,冷房,冷凍,換気,室内空気の品質,エネルギー管理,工具及び計器,ソフトウェア)に分けられ,各分野に豊富な経験を持つASHRAEの技術者たちにより選定が行われた。
- 暖房:
- リーム社の“コンツアー・コンフォート・コントロール”付きの“90-プラス・モジュレーティング・アップフロー”ガスファーネスが受賞。この型には単段又は2段のサーモスタットを装備することができ,市場の他のファーネスが100%,65%又は70%の2段の負荷制御しかできないのに対し,40〜100%まで連続制御できる唯一のものであることが評価された。
- 冷房:
- ヨーク・ユニタリー・プロダクツ・グループのルーフトップ型“サンライン・マグナドライ”がその栄に輝いた。この型は他の製品と異なり,対象スペースを過冷却することなく最適な除湿を行うことができることを特徴としている。このため,室内の温度を大幅に変化させることなく高度の除湿を行うことができることが評価された。
- 冷凍:
- 最近流行りの炭酸ガス(R744)を冷媒としたダンフォス社のTN型密閉圧縮機が選ばれた。この圧縮機は,炭酸ガスサイクルが持つ超高圧(2000psi)に耐え,しかもコンパクトにデザインされており,容量0.4トンまでの軽業務用及び温水ヒートポンプ(温水温度200F[93.3℃]まで可能)への応用に適している。
- 換気:
- ebmパプスト社の“ECジャイアンツ・モータース”が受賞。これは在来のEC型を拡張したもので,エクスターナル・ローター・モーターのフランジに羽根車を直接取り付けてあるため,軸,ハブ,セットビス等が不要,バランスが取り易い,小型化が可能等の利点を持っている。
- 室内空気の品質:
- リンダブ社が開発した“スピロ+Agイオン”ダクトシステムが受賞した。この製品はこれまでのスプレーによるものと異なり,抗菌コーティングを施した鋼板を使用しダクト全面が保護されているため,微生物,カビ等の生育を抑制できるので,毎年数百万ドルにも及ぶビルや資産の損害を防止することができる。
- エネルギー管理:
- エナジーLLC社の分散蓄エネモジュール“アイス・ベア50”が受賞。ピーク時に備え,オフピーク時にコイルの表面に氷の状態で蓄冷するシステム。冷房負荷の増大,送電線網の錯綜により停電事故の多発に苦しむ米業界の救いの主として評価されたもの。
- (工具及び計器,ソフトウェアについては省略。)
[Air Conditioning, Heating and Refrigeration News Jan. 12]
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