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病院内でのIAQ(室内空気質)について−伝染病や生物化学兵器等への対応
各種伝染病,特に世界的規模で流行する伝染病や生物化学兵器による被害の危険が,これまでにないようなレベルに達している。特に病院関連の業務に携わる空調業者にとっては,これらに対する正確な認識が欠かせない。もちろん,業者には病理学的に完全な知識は必要ではないが,病院や介護施設等で適切に業務を行うためには,この問題に対する十分な認識が必要である。ASHRAEやアメリカ・ヘルスケア技術学会(ASHE)は共同で「2004年度IAQ大会」を開催し,啓蒙活動を行っている。
●院内感染の防止
人体に影響を与える伝染病には結核,天然痘,帯状疱疹,風疹,昨年大流行して問題となった重症急性呼吸器症候群(SARS)等がある。これらの蔓延を防止するには,隔離や負圧室,空中浮遊菌隔離室等の設備が有効である。各種菌類も大きな影響を及ぼす存在で,施設解体時に大量の有害菌類が周辺に放散される。これはなにも大々的な改修工事でのみ生じるのではなく,ファンコイルの断熱材を交換するような簡単な作業でも発生するので注意を要する。
この問題の権威ミネソタ大学のストライフェル教授は,負圧隔離室関連の作業について次のような注意点を挙げている。
- 負圧隔離室内でHEPAフィルタを使用する際には,不用意にコーナーを切断してはならない。
- ビルの統合換気システムへの流入空気よりも負圧隔離室からの排気により注意をおくこと。ドアの開閉に伴って生じる汚染物質の放散を防止するため,可搬式の負圧前室を設けることが必要である。
- 確実な保守管理と現場に即応した書面による教育の実施。
- フィルタの適切な設置と保守。これは簡単に見えるが,不適切な例が多く見られるので注意を要する。
- システムを設計基準限度内に保つ。
- システムの運転,保守について従業員に教育を徹底する。
●生物化学兵器
生物化学兵器は製造が容易であるのに対しその効果は絶大であることから,テロリストにとって大変に魅力ある存在となっている。
2001年にアメリカ上院議員ダッシェル氏の事務所に炭疽菌の入った郵便物が配達され,開封した担当者が死亡している。この種のテロは合計22件で,そのうち5名が死亡している。
このケースでは,このビルの空調換気システムが単一方式であったため,すぐにこれを停止した結果,被害を最小限に止めることに成功した。
●高被害伝染病
A級の伝染病は公衆の健康に大きな被害をもたらし,炭疽病と天然痘はそのトップに上げられる。炭疽菌は地中に存在し,紫外線を当てない限り無限に生存する。この病気が厄介なのは検出に時間がかかること(普通40〜63日)と,その汚染除去に費用がかかること,予防処置が限られていることである。
さらに厄介なのは天然痘で,これは人から人へと感染し,死亡率が非常に高いにもかかわらず現状ではなんら予防処置が準備されておらず,ワクチンも十分に用意されていない。どこかで発症すれば,世界中を大恐慌に巻き込んでしまう。この場合,洗練された空調システムを有効に活用することが期待されている。
●蛍光殺菌灯の取付け位置
結核菌は飛沫により伝染し,ウィルスや菌類の胞子は空気流に乗って飛散する。特定の病室内での菌類の動きはコンピュータで解析できるので,この流れの中にフィルタを設置することが肝要であるが,使用するフィルタは非繊維で合成樹脂又はグラスファイバ製が望ましい。また,これらの浮遊物は上方に吹き上がり壁面の上部に付着するので,これまでのように蛍光殺菌灯をエアハンドラのコイル部ではなく,隔離室や手術室の壁上部又は天井部に取り付けるのが望ましいと指導している。
[Air Conditioning, Heating and Refrigeration News May 17]
フェリス州立大学に建設・空調技術センターオープン
フェリス州立大学に建設及び空調関連の教育センターとして新にグレインジャー・センターが開設され,5月7日に約300名のビジターの前で献呈のためのセレモニーが行われた。今回オープンした建物はこれまでの建物を超近代的に改修したもので,地熱利用システム等数種類のシステムを設置し,ビル全体が教育設備となるよう開放されており,学生はこれらをすべて自由に使用することができるようになっている。4つの部屋には読書席,教室の他に「環境テスト室」が設けられていて,学生自身によっていろいろなシステムを使って冷房,加熱の操作を行えるようになっている。
同校では,この新設備を若い学生の興味をかき立てることに有効に活用してほしいと期待している。
[Air Conditioning, Heating and Refrigeration News May 24]
ミニスプリット型,米国でも浸透
アメリカではこのところ,ミニスプリット型のダクト不要,運転の経済性等が評価され,これを取り扱うメーカーが増えてきている。製品に不慣れであった顧客,コントラクタも次第にその扱いやすさ,性能の良さを認識し始めてきており,アメリカ,カナダでもこの10年間に15%の伸びを示し,大手のキャリアの他,日本の三洋電機,韓国のLGエレクトロニクスが力を入れている。
[Air Conditioning, Heating and Refrigeration News June 21]
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