機関誌「冷凍と空調」 / 2004.9 (NO.520)
資料紹介
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電気料金,平均5.21%の引下げ
 ―東京電力が10月1日より実施―

 

 東京電力(株)は9月3日,経済産業大臣に電気料金引下げの届出をし,10月1日から実施されました。電気料金は一般家庭で平均5.2%引き下げられ,標準的な家庭(夫婦と子供2人)で月額337円安くなるとしています。東京電力の料金メニューより,主な料金と計算方法を紹介します。
(編集係)

 

 東京電力(株)は9月3日,経済産業大臣に電気料金の引下げに関する届出を行った。徹底した経営効率化の成果と今後の成果を織り込んだことによる改定とし,自由化の対象である高圧500kW以上をのぞき,電灯で平均5.49%,電力で平均4.78%,電灯・電力合計の平均で5.21%の引下げとなった(表1参照)。なお,電気料金の算出には,消費税は含んだ単価は用いないため,表内の金額はすべて税抜きの金額である。

表1 改定単価と改定率
  新単価(円) 旧単価(円) 改定率(%)
電灯計 20.74 21.94 ▲ 5.49
電力計 16.32 17.14 ▲ 4.78
電灯・電力計 18.72 19.74 ▲ 5.21

 主な電気料金は,次の式で求められる。

基本料金+電力量料金+消費税
*消費税=(基本料金+電力量料金)×0.05

 以下,主要な種類の中から「従量電灯B」「低圧電力」「業務用電力」を中心にみていく。

表2 電気料金月額と軽減率
契約種別 改定料金
(月額)
現行料金
(月額)
軽減額
(月額)
軽減額
(年額)
軽減率 試算の前提
従量電灯B 6,142 6,479 ▲ 337 ▲ 4,044 ▲ 5.2 (一般の家庭)
 契約容量:30A
 月平均使用量:290kWh
低圧電力 16,722 16,722 ▲ 542 ▲ 6,504 ▲ 3.2 (商店など)
 契約容量:10kW
 月平均使用量:700kWh
業務用電力 541,000 577,000 ▲ 36,000 ▲ 432,000 ▲ 6.1 (事務所ビルなど)
 契約容量:150kW
 月平均使用量:33千kWh
1.従量電灯B
 一般家庭の多くがこれに当たり,交流単相2線式又は3線式100V,200Vで供給され,契約の大きさは10〜60Aの範囲で各家庭が決める。基本料金と電力量料金は以下のようになる。
  基本料金
契約電流(10A〜60A)別の基本料金は表3のとおりで,今回基本料金は変更されていない。

表3 従量電灯Bの基本料金
  基本料金(円)
10A 260
15A 390
20A 520
30A 780
40A 1,040
50A 1,300
60A 1,560

  電力量料金
120kWh以下,120kWh超300kWh以下,300kWh超の3段階料金は表4のとおりで,kWh当たり0.96〜1.50円引き下げられた。

表4 従量電灯Bの電力料金と計算式
  1kWhあたり 電力量料金計算式
現行料金
(円)
改定料金
(円)
120kWh以下 15.78 14.82 14.82×電力使用量±燃料費調整額
120kWh超
300kWh以下
20.87 19.66 14.82×120kWh+19.66×
(使用電力量−120kWh)±燃料費調整額
300kWh超 22.63 21.13 14.82×120kWh+19.66×180kWh+
21.13(使用電力量−300kWh)±燃料費調整額
 今回の改定により,契約容量30A,月平均電気使用量290kWhの標準的な家庭(夫婦と子供2人)の電気料金は,現在の月額6479円から6142円と337円の減額,年額では4044円,5.2%の引下げとなる(表2参照)。

<参考:時間帯別電灯>
 夜間の電力量料金を割安に,昼間を割高に設定しており,ヒートポンプ給湯機や電気温水器,蓄熱式床暖房など,夜間蓄熱式機器の使用に適している。8時間型(夜間時間:23時〜翌朝7時,昼間時間:7時〜23時)と10時間型(夜間時間:22時〜翌朝8時,昼間時間:8時〜22時)の2種類あり,8時間型の昼間の電力量料金は25.00円(第2段階料金)で従量電灯と比べ約30%の割高だが,夜間は6.05円で約70%の割安である。また,10時間型は,昼間が27.70円(第2段階料金)で約40%割高,夜間は6.35円で約70%の割安となっている。

2.低圧電力
 低圧電力は,標準電圧200V(交流三相3線式)で送られる電気で,契約電力((1))が原則として50kW未満の商店など向けとなる。低圧電力の基本料金と電力量料金((2))は次のようになる。

基本料金:次の式による。今回基本料金は,変更されていない。
  1020円×契約電力×(185-力率)

100

電気量料金:次の式による。
  「夏季」又は「その他季」の料金単価×使用電力量±燃料費調整額

(1)   契約電力は電気機器の力率によって決まる。力率とは,交流の電気の中の有効電力(実際に使用できる電力:W)の割合のことで,力率改善を勧めるため,力率85%を基準としてそれより力率の良いものは90%,悪いものは80%に設定し,それぞれ基本料金を5%割引,割増している。

  力率=有効電力×100

皮相電力
   
  *皮相電力(VA)=電圧×電流

(2)   電力量料金は,7月1日から9月30日までが「夏季」,10月1日から翌年6月30日までが「その他季」と2段階になっており(表5参照),今回それぞれkWh当たり0.76円,0.81円引き下げられた。

 例えば,契約電力量10kW,月平均使用量700kWhの商店などでは,現行月額料金16722円が16180円と542円で3.2%,年額で6504円の引下げとなる(表2参照)。

表5 低圧電力の基本料金と電力量料金
  改定料金(円) 現行料金(円)
基本料金
(1kWあたり)
1,020.00 1,020.00
電力量料金
(1kWh)
夏季 9.98 10.79
その他季 9.07 9.83

<低圧蓄熱調整契約>
 低圧電力は,低圧蓄熱調整契約(氷蓄熱式空調システムなどにより夜間へ移行された電気使用量に対する料金割引サービス)と併用することで,蓄熱割引を受けることができる。

蓄熱割引額=低圧電力の夏季料金又はその他季料金×蓄熱電力量×蓄熱割引率
蓄熱割引率 夏季   0.665
    その他季   0.631

3.業務用電力
 平日の昼間に電気の使用が多い業務用ビルや商業施設向けで,契約電力は実量値である実際の最大需要電力((1))に基づき決定する。業務用電力の基本料金と電力量料金((2))は以下のようになる(表6参照)。

表6 業務用電力の基本料金と電力量料金
  改定料金(円) 現行料金(円)
基本料金
(1kWあたり)
1,560.00 1,560.00
電力量料金
(1kWh)
夏季 11.08 12.21
その他季 10.07 11.12

基本料金:次の式による。今回基本料金は,変更されていない。
  1560円×契約電力×(185-力率)

100

電気量料金:次の式による。
  「夏季」又は「その他季」の料金単価×使用電力量±燃料費調整額

(1)   最大需要電力とは,30分ごとに計量した使用電力うちの月間で最も大きい値のことをいい,契約電力は,当月を含む過去1年間の各月の最大需要電力のうちで最も大きい値となる。
(2)   電力量料金は低圧電力同様,夏季とその他季に分けられている。今回それぞれkWh当たり1.13円,0.15円引き下げられた。

 例えば,契約電力150kW,月平均使用量3万3000kWhの事務所ビルなどでは,現行月額料金57万7000円が54万1000円と3万6000円,6.1%の引下げとなり,年額では43万2000円の減額となる(表2参照)。

<業務用蓄熱調整契約>
 業務用電力はまた,業務用蓄熱調整契約(蓄熱式空調システムなどよる夜間への負荷移行に対する電気料金の割引メニュー)とあわせて契約することで蓄熱割引が受けられる。

蓄熱割引額=業務用電力の夏季料金又はその他季料金×蓄熱電力量×蓄熱割引率
蓄熱割引率 夏季   0.707
    その他季   0.678

 この他,工場向けの高圧電力Aは約3.0%,オール電化住宅など向けの季節別時間帯別電灯は4.8%の値下げとなった。
 東京電力の他にも料金引下げを公表した電力会社もあり,来年1月には中部電力の大幅な料金改定が予定されている。

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