機関誌「冷凍と空調」 / 2004.9 (NO.520)

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キャリア,アテネオリンピックの空調設備で金メダル級のシェア獲得

 アテネで開催された第28回夏季オリンピック競技会で,アメリカのキャリア社は,その43%を受注するという快挙をなし遂げた。全体で635台のチラー,3600台以上のファンコイルユニット,パッケージユニット22台,スプリットシステム1150台,ダクトユニット47台等で総額8億ドルを獲得し,金メダル級の成功であった。
 最初の受注は2004年オリンピック競技本部建物用の合計容量3728kWのチラー3台で,それ以降多数の受注に成功した。
 16000名の競技者,役員が宿泊するオリンピック村は4区画に分割されているが,その一つに555台の30RAアクアスナップ・ジュニア型チラーと約2800台のファンコイルを納入した。残りの3区画は,地元のメーカが施工している。このほか村内のクリニック向けに3台,メディカルセンター向けに6台,近接するビル向けに12台のチラーと合計760台のターミナルユニットが納入された。
 観客75000名を収容するメインオリンピックスタジアムには,容量2350kWのヒートポンプ5台が設置され,40℃を超すギリシャの夏に備えた。その他,今回キャリアが供給した主な施設とそこに設置された機器は次のとおり。

  • 国際放送センター(面積7万m2)…全設備容量23451kWグローバル型チラー21台
  • オリンピックホール(テニス,体操用,面積3.2万m2)…ターボ冷凍機3台
  • パンクリチオスタジアム(サッカー競技用)…グローバル型チラー1台
  • オリンピック馬術競技センター(面積2.1万m2)…チラー4台
  • 射撃センター…グローバル型チラー3台
  • テニスコート…スクリューチラー2台

 以上の他にもカヌー・カヤックスラローム競技設備,セントアンドリュー通信記者村,競技者用のスポーツセンター41カ所,パンテサリオンスタジアム,オリンピック役員用ホテル等にもキャリア製品が採用された。
 競技用設備のみに止まらず,市中心部と南部のベイ地区とを結ぶトラムリンクではオフィス及びターミナルの冷房設備も担当し,合わせて競技者や観衆を競技施設に輸送する150台のバスの空調設備も納入した。
 このような成功を収めた大きな理由として,キャリアはその優れたサービス能力を挙げている。すべての設備に対して3年間の保証条項が付けられており,ゲーム期間中は故障に備えて全機器を遠隔監視し,対策チームが待機する態勢を採った。

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大手企業,続々と自主設備を脱フロン設備に転換

 オゾン層破壊係数(ODP)と地球温暖化係数(GWP)が緊急の課題となって以来,各社はその対策に追われている。すでに本誌でもネッスル(2002年2月号),マクドナルド(2003年6月号)の対策について紹介した。
 ネッスルでは,80年代まではフロン冷媒を使用してきたが,1985年モントリオール議定書が発効すると脱フロンの方針を固め,対策を実施してきた。2000年までに8か所の冷凍プラントをCFC冷媒からアンモニア冷凍設備に変換し,CFC/ODPを90%削減した。95年にはGWP対策として,イギリスのヘイズにある深冷乾燥コーヒー製造設備をR-22からアンモニア/炭酸ガスカスケードシステムに転換した。この方法はアンモニアを機械室内に限定し,その充てん量を最小に保つことができる。この成功を基に,日本の工場も同様に変換された。
 マクドナルドでも,環境問題に厳しいグリーンピースの圧力を受けて非HFC化を決定,デンマークのレストランで炭化水素系冷媒「グリーンフリーズ」を使用した設備を採用している。
 最近ベルギーのブリュッセルで開催された「自然冷媒会議」において,主要エンドユーザと環境保護主義者団体が出席し,HFC冷媒の使用を削減するための方策と,これを推進するための意見交換が行われた。
 席上,グリーンピースの代表から独自の調査結果として,現行のままHFCの使用を継続すると,HFCによるGWPへの影響は現在の1.5%から2050年には8.6%まで増大するとの報告がなされた。
 アイスクリーム製造の大手ユニレバーはHFCに代替する冷媒として炭化水素系を選択,2005年から非HFC冷媒に転換し,今年末までに使用中の200万台のフリーザ中8万台をHC冷媒に転換する計画であるという。
 コカコーラからも会社の方針として冷媒ガス,発泡材の両方に対して,商業的に調達可能でコスト効果のある代替冷媒による非HFC冷媒化が宣言された。同時に,2010年までにコカコーラが新たに調達する設備は,現在のものよりもさらに40〜50%もエネルギー効率が改善されるとも発表している。同社幹部は「もし代替冷媒がHFC冷媒よりもエネルギー効率が悪ければ,存在理由はない。我々は,現行のHFC冷媒のエネルギー効率を是認できないし,エネルギー効率の悪い代替冷媒も受け入れられない」と述べている。
 同社が目下テスト中のCO2システムは,同社が最も多く購入する中低温,大容量に適しており,そのエネルギー消費量は同等のHFC冷媒よりも少なく,同社の「2010年エネルギー目標」の達成を可能にすると見られている。

[RAC−REFRIGERATION AND AIR CONDITIONING AUGUST]

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