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環境税案,一世帯あたり年間約3000円
―環境省が環境税の具体案を発表― |
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| 環境省は11月5日,温室効果ガス削減のための環境税の具体案を発表しました。それによると,課税対象はすべての化石燃料と電気で,家庭の電気・ガスにも課税,その負担額は一世帯あたり月額約250円,年間で約3000円としています。また,実施時期を2006(平成18)年1月としています。具体案の内容について紹介します。 |
| (編集係) |
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本誌の前号では,環境省などがその強化策の一つと考える「温暖化対策税(環境税)」の概況をみてきたが,環境省は11月5日,その環境税の具体案を発表した。
その導入に当たっては,環境税による税収を,各分野における温暖化対策の取組みをより一層促進させるための支援への活用など,企業や国民全員が温暖化対策に参加していく仕組みの構築を目指すとしている。また,従来から温暖化対策に取り組んでいる産業界の国際競争力の維持や低所得者・中小企業への配慮等の観点から,様々な軽減措置も工夫するとしている。
また,経済への影響としては,GDPを年率0.01%減少させる程度としている。
今回発表された具体案の概要は,以下のようになる。
(1)課税対象,課税段階
すべての化石燃料と電気を課税対象とする。このうち課税の段階は,上流課税するものとして,石油精製会社から移出する段階又は製品として輸入される段階で課税するものと,都市ガス,電気など消費時点で課税する下流課税とするものに区分して課税する(表1参照)。ただし,下流課税するもののうち石油,重油,天然ガスは大口事業者に課税する。なお,下流課税には,円滑な執行に十分留意する必要があるとしている。
表1 課税対象
| 上流課税するもの |
下流課税するもの |
揮発油(ガソリン)
軽油
灯油
LPG |
石炭
重油
天然ガス
都市ガス
電気
ジェット燃料 |
(2)税収額,税制
税収額は約4900億円で,各部門の課税額は,産業約1500億円,業務その他約2000億円,家庭約1400億円としている(運輸部門への課税は,業務その他と家庭に分配されている)。税収は一般財源とし,温暖化対策に約3400億円,企業活力の維持・向上(例えば,社会保険料の軽減など)に約1500億円を充てるとしている。
税率は炭素1トンあたり2400円で,これは8月の「温暖化対策税制とこれに関連する施策に関する中間取りまとめ」の炭素1トンあたり3400円より低くなっている。電気とガソリンの税率はそれぞれ0.25円/kWh,1.5円/Lとなる(表2参照)。
この課税よる家庭の負担は,一世帯あたりで年間約3000円,月額では約250円になるとしている。
表2 単位量当たりの税率
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税率(円/単位量) |
| 石炭 |
kg |
1.58 |
| 揮発油 |
L |
1.52 |
| 灯油 |
L |
0.82(*) |
| 軽油 |
L |
0.86(*) |
| ジェット燃料 |
L |
0.81(**) |
| 重油(A重油) |
L |
1.77 |
| 重油(C重油) |
L |
1.83 |
| 天然ガス |
kg |
1.76 |
| LPG |
kg |
1.96 |
| 都市ガス |
m3 |
1.38 |
| 電気 |
kWh(***) |
0.25 |
| (*) |
灯油,軽油については税率を一律1/2軽減。 |
| (**) |
航空用ジェット燃料のみに適用。
業務その他用ジェット燃料は1.61円/L。 |
| (***) |
電気にかかる排出量は,全電源平均をとったもの。 |
(3)税負担の減免措置
産業界の国際競争力の維持や低所得者・中小企業への配慮等の観点から,以下の減免措置を行うとしている。
○国際競争力の確保,産業構造の激変緩和等
| ・ |
鉄鋼等製造用の石炭,コークス,農林漁業用A重油等は,免税とする。 |
| ・ |
エネルギー多消費型製造業に属する企業が消費する石炭,重油,天然ガス,電気,都市ガスについて軽減を行う(生産額に占めるエネルギーコストが全国平均を上回るような業種を指定し,2割から5割程度軽減する)。 |
| ・ |
運輸事業対策として軽油等について軽減を行う(税率1/2)。 |
○低所得者,中小企業等への配慮
| ・ |
低所得者等に配慮し,電気,都市ガスについて免税点を設定する。 |
| ・ |
中小企業に配慮し,小口事業所において消費する石炭,重油,天然ガスは,非課税とする。 |
| ・ |
寒冷地や低所得者に配慮し,灯油について軽減を行う(税率1/2)。 |
○その他
| ・ |
ガソリン等の化石燃料の輸出免税,発電用石炭等の免税(電気等にかかる二重課税防止の措置)を行う。 |
(4)既存のエネルギー関係諸税との関係
歳入,歳出の性質が「石油石炭税」と一部類似することから,環境税収が温暖化対策の追加的財源に充てられることを考慮しつつ,所要の整理を行うとしている。 (5)税収の使途
その使途として先に示したように,「地球温暖化対策」と「雇用促進など企業活動の維持・向上」をあげている。
地球温暖化対策は,地球温暖化対策推進大綱の評価・見直しをふまえることとし,家庭部門を含めた幅広い主体の取組みを対象としている。具体的には次のようになる。
- 豊かで環境に優しい生活の実現
―家庭用省エネ機器の購入促進
―住宅の断熱向上
―太陽光発電装置,燃料電池の導入促進
- 環境設備支援と環境産業の育成
―オフィス用省エネ設備の導入促進
―ビルの省エネ改修(ESCO事業等)の促進
―太陽光発電装置の導入促進
- 世界最高水準のグリーンな交通の実現
―低公害車,低燃費車の購入促進
―鉄道へのモーダルシフトの促進
- クリーンエネルギーへの転換
―風力,太陽光,バイオマスなど新エネルギーの促進
―天然ガス火力の設備利用率の向上
- 緑の国づくり(森林対策)の支援
- 京都メカニズムの有効活用
- 代替フロン等3ガス対策の推進
なお,地球温暖化防止に資する技術開発や都市改造など,中長期的に効果を発揮する対策にも充てるとしている。 (6)地方公共団体への譲与
地方公共団体は住民に身近な存在で,家庭の取組みの支援や地域の森林管理などの地域に密着した対策を実施しているとし,地方公共団体の地球温暖化対策に充てる「環境譲与税」を設立,環境税収の温暖化対策分の2割程度を譲与するとしている。 (7)実施時期
2006年1月実施を提案している。 |