機関誌「冷凍と空調」 / 2005.2 (NO.525)

海外短信

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第3回最優秀技術革新賞,AHR EXPOで授賞式

 最優秀技術革新賞は,AHR EXPOに出品された数千にのぼる出展品の中から,各分野別に最も革新的だと見なされる技術を駆使した製品を選び表彰することにより,今後の技術革新を推進する目的で制定された。ASHRAE,ARI及びAHR EXPOのプロデューサ役でありオーガナイザである国際展示会社(IEC)が共同後援しており,それぞれ専門分野ごとの知識を有するASHRAEのメンバーがその革新性,応用性,顧客に対する有効性,市場への影響度等を勘案して選定を行っている。今回表彰されたのは,次の製品である。

○冷房部門:コープランド
 対象製品は,この会社が新たには発表した次世代型スクロール圧縮機で,従来品に20を超す技術改良を加え,申請中の9つの特許を使用している。スクロールとシール部の設計を極限化し,圧縮機効率を7%改善している。さらに過熱防止装置,大型軸受,部品の標準化等により品質及び信頼性の向上を図り,ケーシングを再設計することにより,従来機より騒音を50%も低減することに成功した等の点が評価された。

○冷凍部門:ダンフォス
 対象なったのは,昨年10月に発売されたICV(Intelligent Control Valve)で,本体からフランジをなくし溶接可能な鋼鉄製としたことにより,重量が従来の鋳鉄製と比べ半減した。ガスケットが不要になったことで、フランジ部からの漏洩が解消した。内部には交換可能な一体モジュール構造を採用し,磨耗面を最小限にとどめている。

○暖房部門:Trsシステムズ
 この会社が新たに発表した制御機器「RC2100」は,室内各所の温度と外気温を測定するセンサとエネルギー管理機構とをワイアレスで結ぶという業界初のシステムである。ワイアレスのため設置の時間が短縮,費用も低減し,改修も自由に行うことができる。装置内にはインテリジェント・センサ・リーディング・コントロール・アルゴリズムが内蔵されていて,不要なエネルギーを消費させないようにしている。これまで4つのゾーンシステムの改修に2〜4日間を要したものを,わずか1時間で終えることができるという。これらの点が評価の対象となった。

○IAQ(室内空気質)関連部門:ムンタース
 昨年2月に発売を開始した「H2Oリキッドエア」は,冷却コイルから滴下する凝縮水を良質の飲料水にする装置である。多湿の環境下では良質の水が得がたかったが,この機器により脱湿と飲料水作りが同時にできるようになった。

○換気部門:ハードキャスト
 これまでダクトの継ぎ目のシールには刷毛塗りのタイプが使用されていたが,今回同社が開発したスプレー式の「フレックス・グリップ550」は,より均一なシールが短時間で行える。ダクトに限らずあらゆる空調機器のシール材として利用可能である。

○ビルディング・オートメーション部門:インビジブル・サービス・テクニシャンズ
 この会社の「ISTモニター」は,最新のマイクロプロセッサセンサとインターネット技術を駆使した住宅及び軽商業ビルの冷暖房システムの遠隔監視・故障診断システムである。顧客の機器に設置されたセンサが異常を検知すると,その情報がセンターに送られ,同時にサービス業者に異常内容とその対処法が通知される。これにより,サービスマンは到着以前に対策及びそれに要する部品を準備でき,人材を効率的に活用できる。

○工具部門:グッドウエー・テクノロジーズ
 冷却塔清浄装置「CTV-1500」は稼働中に冷却水を浄化する装置で,水質を常に清浄に保てるためチラーを高効率に維持し,レジオネラ症等の発生を抑えることができる。さらに定期的な保守のための冷却塔停止も必要なくなる。

○ソフトウェア部門:ライトソフト
 「ライト・ラディアント・プラス」は輻射暖房用のループの設計や負荷計算を自動的に行うシステムで,CADを利用して結果を自動的に画面に作成することができる。また,要求の変更にも容易に対応することができる。製図と同時に必要資材のリストアップ,コスト計算を行う能力も備えている。

[Air Conditioning, Heating and Refrigeration News Jan. 24]


アメリカ陸軍,CO2システムに焦点

 アメリカ陸軍はHFC冷媒の環境問題を契機に,戦闘用車両に積載する新型CO2冷却システムの開発に乗り出した。2003年に陸軍開発・技術司令部(RDECOM)はモダイン社と,湾岸戦争で大活躍した武装多車輪兵員輸送車「ハンビ」用の冷却システムの開発契約を135万ドルで結んでいる。ハンビは重武装の兵員を乗せ,極端な高温下で輸送することを目的に開発された車両である。兵員に加わる過大なストレスを早期に解消するには,急速な冷却が欠かせない。
 第1期の結果に満足した陸軍は,車両スペースの確保と軽量化を目的としたグレードアップを目指し,総額297.5万ドルの第2期発注を決定した。昨年7月にはアリゾナ州スコッツデールで開催された「SAE代替冷媒シンポジウム」でこの試作機を発表,デスバレー国立公園で3日間にわたって47℃という過酷な外気温下で行われたテストでも好結果を収めた。
 モダイン社は既に10年以上にもわたってCO2システムの開発に従事しており,ヨーロッパにおけるHFC冷媒のカーエアコンへの使用禁止(2011年)を視野に入れ,開発に傾注している。同社では,今回のプロジェクトにより一般車両用への応用に対する信頼性が高まったと喜んでいる。

[RAC−REFRIGERATION AND AIR CONDITIONING January]

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