機関誌「冷凍と空調」 / 2005.8 (NO.531)
資料紹介
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有害物質,マーク表示で情報提供を
―欧州RoHS指令と日本版RoHS指令―

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 8月12日,経済産業省と環境省はパソコンや家電製品を対象に,有害物質の含有をマーク表示などでの情報提供を当面の対策とするリサイクル率の高度化を進めるための対策をまとめました。「グリーン・プロダクト・チェーンの実現に向けて」と「製品の有害物質に起因する環境負荷の低減方策に関する調査検討報告書」の概要を紹介します。
(編集係)
 
<概要>
      
欧州連合(EU)の環境規制の状況
   EUでは,種々の環境規制が実施され,また現在準備中である。これは,EU条約により,環境の保護・向上が基本目的の1つとなっているためと思われる。
  現在日本で知られているものとして,WEEE指令(廃電気・電子機器指令),RoHS指令(電気・電子機器の特定有害物質使用禁止指令)があり,その影響はすでに企業などに大きく現れている。また,欧州政府はさらにフッ化ガス(F-gas)規制,EuP指令(エネルギー使用製品指令),REACH規則(化学物質登録評価許可規則)などを検討・審議中である。
   
RoHS指令の概要
   EU各国では,廃電気・電子機器の約90%が前処理を経ずに埋立てや焼却されており,埋立場や焼却場からの鉛などによる汚染が問題となっている。そのためEUでは,2003年1月27日に「RoHS指令」を制定,2月13日に公布,発効した。これにより,2006年7月1日から市場に上る製品にはRoHS指令による有害物質規制が適用されることになり,EU加盟諸国は国内法の整備を進めている。
  RoHS指令の目的は,電気・電子機器中の有害物質の使用制限に関する法規をEU加盟国間で統一のとれたものとし,人の健康の保護及び廃電気・電子機器の環境に影響を及ぼさない回収・処理を進めることである。このため,RoHS指令は,廃電気・電子機器の削減・再利用・リサイクルを目的としたWEEE指令とも密接に関係している。
 RoHS指令では,
 
  • 水銀
  • 六価クロム
  • カドミウム
  • ポリブロモビフェニル(PBB)
  • ポリブロモジビフェニルエーテル(PBDE)
  を対象6物質とし,適用除外として次のものをあげている。
 
  • ランプ1本あたり5mgを超えない範囲の小型蛍光灯に含まれる水銀
  • 一般目的用の直管蛍光灯に含まれる以下のものを越えない水銀
     −ハロゲン化リン酸塩 10mg
     −通常耐久性蛍光灯中の3リン酸塩 5mg
     −長期耐久性蛍光灯中の3リン酸塩 8mg
  • 特別な目的用の直管蛍光灯に含まれる水銀
  • RoHS指令の付属書に特に定められていないその他のランプに含まれる水銀
  • 陰極線管,電子部品及び蛍光管のガラスの中に含まれる鉛
  • 合金成分として,鋼材に含まれる0.35wt%までの鉛,アルミ材に含まれる0.4wt%までの鉛,及び銅合金の4wt%までの鉛
  • 高融点はんだに含まれる鉛(すなわち鉛含有率が85%を超える錫/鉛はんだ合金)
  • サーバー,ストレージ及びストレージ・アレイ・システムのはんだに含まれる鉛(2010年まで除外)
  • スイッチ/シグナル/電送用ネットワーク・インフラストラクチャー装置及び通信管理ネットワークのはんだに含まれる鉛
  • 電子セラミック部品に含まれる鉛(例,ピエゾエレクトロニック・デバイス)
  • 危険物質及び調剤の上市と使用の制限に関する指令76/769/EECの改正指令91/338/EECに基づき禁止された用途を除くカドミウム表面処理
  • 吸収型冷蔵庫中のカーボン・スチール冷却システムの防錆用としての六価クロム
    なお,代替品がないなどの理由から
 
  • 特別な目的用の直管蛍光管に含まれる水銀
  • サーバー等のはんだに含まれる鉛
  • 電球
  なども,RoHS規制の適用除外となっている。デカブロモジビフェニルエーテルについては,現在調査中であるという。
  対象製品はWEEE指令対象の電気電子機器としている。しかし,RoHS指令もWEEE指令も法的拘束力を持つものではなく各国政府に対する指令であるため,国により対象製品が異なる場合がある。
  対象製品は,以下の通り。
 
  • 大型家庭用電気製品(空調機器はここに含まれる)
  • 小型家庭用電気製品
  • 情報技術・電気通信機器
  • 消費者用機器
  • 照明器具
  • 電気・電子工具(大型の据付型製造業工具を除く)
  • 玩具,レジャー並びにスポーツ器具
  • 自動販売機
   
日本における状況
   本誌8月号で産業構造審議会・製品3Rシステム高度化WGの中間とりまとめを紹介したが,8月12日,「グリーン・プロダクト・チェーンの実現に向けて」の最終とりまとめが発表された。同日,環境省も「製品の有害物質に起因する環境負荷の低減方策に関する調査検討報告書」を発表した。
  我が国の使用済みの製品は,家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法),資源有効利用促進法(資源の有効な利用の促進に関する法律),廃棄物処理法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)等に基づいて回収・リサイクルされ,また廃棄物処理法に基づいて適正処理されている。このため,製品に使用されている有害物質に起因する環境汚染は顕在化していないが,一方で毎年多くの有害物質が市場に投入されており,これらの一部は回収されずに廃棄物として最終的には埋立て処分されている。これら有害物質からの環境汚染を未然に防ぐため,有害廃棄物管理等の措置を講じる必要があるとしている。
  両報告書では,対象有害物質をEUの「RoHS指令」で指定されている6物質とし,対象製品を大型家電製品やパソコンとしている。また,有害物質の含有情報の開示を求め,その方法として製品等への「含有マーク」の表示やウェブサイトへの表示をあげている。
   
対策の概要
   製品中の有害物質に関する情報が流通,販売,購入・消費等の各段階の関係者に伝達されるよう,有害物質を一定割合以上含有する製品について,当該製品の製造事業者及び輸入販売事業者に情報開示を求める。
  情報開示・伝達方法として,以下の方法が考えられる。
 
  1. 製品本体や包装箱への対象有害物質含有を示すマークの表示
  2. 製品カタログや取扱説明書,製品ウェブサイトにおける対象物質の含有箇所,含有量等の表示
   
 
<含有マーク>
<グリーンマーク>
 
含有している場合(規定)
含有していない場合(参考)
   
表示対象物質
   国際整合性や製造事業者等の自主的な取組みの実態・対応可能性を勘案し,当面の措置としては,RoHS指令で対象としている6物質とし,また,6物質の情報開示を求めない濃度についてもRoHS指令の最大許容濃度と整合を図る。
  対象6物質は以下の通り。
 
  • 鉛及びその化合物
  • 水銀及びその化合物
  • 六価クロム化合物
  • カドミウム及びその化合物
  • ポリブロモビフェニル
  • ポリブロモジフェニルエーテル
    (デカブロモジフェニルエーテルを除く)
   
  <対象物質の記号及び含有率基準値>
 
対象物質
含有表示に
用いる記号
基準値算定の対象となる
化学物質
含有率基準値
wt%
鉛及及びその化合物
Pb
0.1
水銀及びその化合物
Hg
水銀
0.1
カドミウム及びその化合物
Cd
カドミウム
0.01
六価カクロム及びその化合物
Cr(VI)
六価カクロム
0.1
ポリブロモビフェニル
PBB
ポリブロモビフェニル
0.1
ポリブロモジフェニルエーテル
PBDE
ポリブロモジフェニルエーテル
0.1
   
表示対象製品
   国際的な検討状況,廃棄物としての排出量及び製造事業者等の対応可能性等を勘案し,当面,主要な大型家電製品やパソコン等を対象とする。
  具体的品目は以下の通り。
 
  • パーソナルコンピュータ
  • ユニット形エアコンディショナ
  • テレビ受信機
  • 電気冷蔵庫
  • 電気洗濯機
  • 電子レンジ
  • 衣類乾燥機

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