機関誌「冷凍と空調」 / 2006.11 (NO.546)
工業会レポート
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工業会活動と独占禁止法
―日冷工職員研修会より―

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 工業会では10月27日,講師に(財)公正取引協会の客員研究員である片桐益榮(ますえ)氏を招き,工業会活動と独占禁止法についての研修会を行いました。1時間半ほどの講義の後,質疑応答が行われました。研修会の内容を抜粋して紹介します。
(文責:編集係)


1.独占禁止法の概要


<経済における憲法>
 独占禁止法は,昭和22年7月に施行された法律です。その3カ月前には憲法が5月3日に施行されています。独占禁止法は,憲法と並行して検討されたわけです。なぜかと申しますと,わが国は自由経済体制をとっていますが,どのような国であっても,その国の経済政策を推進する,あるいは維持するためには,経済法は必要なのです。わが国は,戦前は統制経済でしたが,戦後,民主的な形で経済を運営するためにはどうしたらいいか,という形で検討されたのが独占禁止法です。憲法もまさしくそうです。
 この独占禁止法は,わが国の最後の帝国議会で成立した法律です。いわば経済における憲法で,どの業種でも適応される法律です。国の各省庁はそれぞれの所管業務だけやればいいのですが,独占禁止法はそうではありません。すべての業務,例えば皆さん方の業界あるいはサービス業,鉄道から飛行機,ルームサービス,コンピュータ,国際的な取引き,すべての分野にわたる法律なのです。
 なぜそうなるのかと言いますと,一般消費者の利益を確保することを目的としているからです。一般消費者というと誰か。今私は皆さんの前でお話をしていますけれども,一面では一般消費者なのです。みんな一般消費者なのです。一般消費者ではないわが国国民は,天皇陛下は一般消費者ではないかもわかりませんけれど,すべて一般消費者です。

<自由経済体制を守る>

 わが国は先ほども申し上げたとおり自由経済体制です。自由経済体制というのは,他の事業者よりもより良い商品,より良いサービスを提供した事業者が,当該業界において発展する。事業を大きくしていくことができる。しかしながら,そうでない事業者は,残念ながら当該市場から排除されていくということです。ですから,各事業者とも不断の努力が必要なのです。そうしないと自分たちは取り残されてしまう。結果的には会社がなくなる場合もあるということです。見方によっては非常に厳しいですけれども,これは経済活力を生むには非常に必要なことなのです。これは歴史的にもお分かりになると思います。例えば北朝鮮と韓国とでは,あれだけの経済格差ができている。もっともこれは,すべてが自由経済体制と全体経済体制の差というわけにはいかないかもわかりませんけれど,経済的に言えばそうなのです。要するに,統制経済をとるよりも,各事業者,民間の事業者の創意工夫がその経済発展につながったのは間違いないのです。
 特にわが国のように資源がない国は,原材料を外国から輸入して,それに付加価値をつけて製品として外国に輸出する。本来,他の外国と同じことをやっていれば,輸入コスト,製品の輸出コストがかかるわけですから,とても外国において太刀打ちできないのですが,実際はそうではない。各業界の努力,それから国民の勤勉さによって,そういうようなハンディを乗り越えて,全世界にわが国の製品が売られて行く。ですから自由経済体制というのは非常に活力が必要で,それを排除するようなものを取り締まる。それが独占禁止法という法律なのです。
 独占禁止法というのは,あれをやってはダメ,これをやってはダメと制限するのが目的ではなくて,活力を生むための法律であるとご理解をいただきたいと思います。

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