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工業会活動と独占禁止法
―日冷工研修会より― |
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2.独占禁止法の3つの柱
まず,独占禁止法,正式には「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」といいますが,この3つの柱について説明します。独占禁止法の“私的独占”というのは,非常に力の強い企業の,言葉を変えるなら,市場シェアが非常に強い企業が,自分のいうことを聞かない,あるいは新規に参入した業者に対してその経済力を乱用して排除する。これが私的独占で,これはわが国ではあまりありません。
その次に不当な取引制限というのがあります。不当な取引制限とは,カルテルです。価格カルテルあるいは受注業者のいわゆる暗合意。カルテルというのは,各事業者が自分たちで自由経済体制を破壊するわけです。お互いに話合いをして価格を決めましょう。お互いに話合いをして数量を調整しましょう。あるいはお互いに話合いをして受注予定者を決めましょう。せっかく法律が出来て,自由経済体制でありながら個別な業界がそういう形になると,私のとこも私のとこもと民間による統制経済という形になるわけです。なおかつカルテルの場合は,能率の良い企業の出荷価格,販売価格に合わせることはできないのですね。一番能率の悪い企業に合わせないと,一番悪い企業はついていけないわけですから,どうしても能率の悪いところで価格を決めちゃいたくなる。結果的には,一般消費者が品質の悪い,高いものを買うという形になります。ですから,そういう形で競争を制限するようなものは,これはやはり取り締まるという形になります。
3番目は,不公正な取引方法。これもやはり一般的には団体とか大きな企業が,とことんまで自分のいうとおり市場を支配するような場合。例えば,新しい事業者がその業界に入ってこようとした場合,自分の競争業者が増えるのは団体として好ましくない。それを入ってこさせないためにはどうするかというと,新しく入ってくる事業者に資材,商品等を供給する事業者に対して,「あなたがこういう新しい所と取引きをするならば,我々全体としては今までの取引きを全部止めますよ」と。そうしますと,今までの取引きを全部ほごにして,新しい取引きをするのか。これはどう考えたって無理です。結果的には,今まで通りやりましょう。新しいところには材料も商品も入らないようにしましょう。そういう取引きになるわけです。これもやはり問題があります。
この3本柱が,独占禁止法において規制されていることです。こういうものを規制することによって,事業者の創意発揮,事業活動の活発化,雇用・所得水準の向上という形になって,結果的には一般消費者の利益につながるし,国民経済が民主的で健全な発達になる。要するに,一般消費者あるいは取引先が自由に自分の選ぶ取引先あるいは商品を選ぶことができる。高くて悪いものを買う人は,まずいないわけですからね。当然ならそういう形になるわけです。ですから,そういうようなものを,阻害するようなものを,規制しなければいけないというのが独占禁止法です。
●以下,具体的な事例を入れて説明します。
<不当な取引制限の禁止>
カルテルというのは要するに,話合いによって価格とか受注業者を決めるということです。 従来は事業者団体でカルテルをやる場合が,非常に多かった。昭和40年代,50年代の初めぐらいまでは,事業者団体で総会あるいは理事会,あるいは役員会を開いて,例えば石油業界で,ガソリンの値段は1リットルあたり130円のものを150円にしよう,そういう形で組合の中でやる場合,非常に効果があるわけです。最近は,事業者団体ではそういう形はほとんどありません。ただ残念ながら若干残っているのが,お医者さんの業界ですね。お医者さんの業界に対して,特殊な業界といいましょうか,いわゆる行政庁と非常に密接な連絡,調整をしなければならない業界。我々の健康を見てくれるところ。そういう特殊な取引関係があることを利用して,病院等はボイコットをする場合がありますが,最近はやはり,事業者団体でやっているという形はあまりありません。
<私的独占の禁止>
私的独占は,非常に力の強い事業者がしてはいけないという形があります。これは,あまりご説明をする必要はない。今はないかと思いますけれど,最近の例としては,パチンコの1つの機械というのは,たくさんの特許でやっています。特許を持っている人たちが,お互いに特許を出し合ってパチンコの機械を作るという形をとっているのですが,その場合において,自分たちは特許を持っているからここには許諾しよう,他のところには許諾しないという形でパチンコの機械の市場を独占してしまう。だからこういうのは非常に特別なものです。
<不公正な取引方法の禁止>
不公正な取引方法というのは,要するに,事業者が競争を阻害するような行為を行う。ではどんなものが阻害するのかというと,公正取引委員会が指定をする行為,これが不公正な取引方法という形になっています。不公正な取引方法では,16もの行為を指定してあります。
| ●不正な取引方法の主な行為 |
(1) |
取引拒絶(ボイコット) |
(2) |
差別対価・差別的取扱い |
(3) |
不当廉売 |
(4) |
欺まん的顧客誘引と不当利益による顧客誘引 |
(5) |
抱き合わせ販売 |
(6) |
排他条件付き取引 |
(7) |
再販売価格維持行為 |
(8) |
拘束条件付き取引 |
(9) |
優越的地位の乱用 |
(10) |
取引妨害 |
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