機関誌「冷凍と空調」 / 2006.11 (NO.546)
工業会レポート
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工業会活動と独占禁止法
―日冷工研修会より―

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4.事業者団体ガイドライン

 事業者団体の規制の行為ですけれど,事業者団体の規制の行為の具体的な内容については,事業者団体のガイドラインがあります。

<原則として違反となるもの>

価格制限行為
   先ほど申し上げたように,価格の制限行為,要するにカルテル行為ですね。価格でのそういう行為について,原則として,価格の決定は違反であるということです。
 価格制限行為について,事業者団体で話合いをし,それに伴っていろいろ手段を考えれば,これは独占禁止法では“いかん”という形になります。チラシについても,「原油が上がりました。だから我々はコストが大変です」。そこを訴えること自体は特に問題はないのですが,「我々の業界としては,原油はこの製品を作るには,どれぐらいの割合になっている。これは大変だから,価格引き上げを個々の事業者がお願いに行きます」というようなところまでいくと,これはやはり問題になる可能性があります。だからそういうのは注意を要すると思います。
 
数量制限行為
   これもいろいろな団体にいきますと聞かれます。例えば各会員さんから過去の製品ごとの売上量,数量を徴収して業界全体としてのトータルを事務局がまとめて,トータルベースの数字だけを公表するのであれば特に問題はないわけですけれども,個々の会員さんの数量を含んだ場合は問題になる。
 それから,需要予測というのがあります。過去の各会員さんの実績をもとに,年度別の統計で分ける。あるいはわが国の経済,あるいは世界経済を見ながら需要予測をする。これは特に問題にはならない。ただし,非常に寡占な状態,例えば当該商品を3社とか2社しかメーカーさんがいない場合,需要予測を決めてそれを定期的な形で公表するとなりますと,場合によっては問題になる可能性があります。2社とか3社の需要予測だと,これは結果的には生産計画とかのいわゆる調整とかなにかになる可能性が強いということです。
 
参入制限行為等
   参入制限行為等は,商品又は役務の供給制限。ここに売ってはいけないというような場合,あるいはいわゆるアウトサイダーの製品を売ってはいけませんとみんなで決めて,それを自分の販売先等に言った場合,排他条件付取引または拘束条件付取引に類した形になりますので,これはやはり問題があります。
 それから,商品又は役務の取扱い制限。これは,わが国の場合は,最近は非常に多く輸入品が入って来る。そうするとその自己の取引先等に対して,輸入品は取り扱わないでくださいというような形です。これは新規商品でもそうですが,こういう場合もやはり参入制限に該当することになります。
 不当な加入制限。加入制限というのは,そこに加入しないと非常に不利な立場になるというような場合に,加入制限する手段として過大な入会金等の徴収する。こういう場合はやはり問題があるということになります。
 店舗の数の制限等,これもあります。あまりたくさん店舗やらないでくださいと。それから競合関係にある事業者の了承等,これは推薦状が必要だとか。国籍による制限をかける。そういう新しい加入制限というのは,これは法文上からいくと8条1項4号の機能活動の不当な制限になるということになります。
 
不公正な取引方法
   次に,不公正な取引方法というのがあります。普通は不公正な取引方法というのは事業者がやる行為です。ところが事業者がやる行為を利用した団体が,会員さんにやらせる。これは少ないのですが,例えば共同の取引拒絶,共同のボイコットなどです。取引条件等の差別,事業者団体における差別は,本来なら等しく情報を流すところを情報を流さない,というような取扱いのことです。

<違反となるおそれのあるもの>

種類,品質,規格等に関する行為
   特定の商品と開発・供給の制限。これは,今はあまりないと思いますが,新製品の開発を一時期止めよう。これだけ在庫が余っている。だからこれを全部売るまでは,新製品はもう売ることは止めましょうというようなものです。今言ったことと全く同じことかもわかりませんけれど,新製品が出るともう旧製品が全部だめになってしまうというような場合,もう開発をしないようにしよう,といったことです。
 それから,規格の標準化に関する基準の決定。これは団体において,例えば,国の規格があって,国の規格以上の規格を団体で定める場合があります。それは特に問題にはならない。ただし,その国の決めた規格以上の規格が一般化されて,一般消費者から重要視されてくるようになった場合に,会員さんだけにその規格を提供して,アウトサイダーには与えなかった場合には問題になるかもしれない。
 それから自主規制の強要,自主認証・認定等の制限。これは,利用の制限です。一つの利用の基準を作ること自体は特に問題はない。それをなおかつ,オープンにした場合についても,特に問題にはならない。ただし,その規格が社会的に認知されるような場合,誰でもその規格が使えるようになった場合に,特定のものに認証を与えるというような形をとった場合,やはり問題が出てくるということになります。
 
共同事業
   各団体が共同的な形でやる環境問題とか安全問題とかがあります。環境問題についてはいろいろな問題がありますけれど,こういう環境を汚染するような商品を作らないようにしよう。あるいは原材料にそういうものを入れないようにしましょうということを団体で決めても,それはただちには問題にはならないのですけれども,それも程度問題があるわけですね。
 一番簡単な例で,ビニール袋があります。いろいろと化学物質,問題がある物質が入っている。特に,色をつけた場合に問題がある。しかし,少しなら問題にならない場合に,色物のものを全部禁止しましょうとなってきた場合に,それは場合によっては問題になる可能性がある。

 以上,事業者団体については,規格などについてやること自体はいいのですけれど,行き過ぎた場合は,場合によっては問題になる可能性があるということだけは覚えておいてください。

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