 |
工業会活動と独占禁止法
―日冷工研修会より― |
 |
3.事業者団体の活動規制
次に事業者団体の活動規制,もちろん本日はこれがメインですが,この点の話をします。独占禁止法の規制の対象になるのは,事業者と事業者団体です。事業者団体というのは,それぞれの事業者の集まりです。事業者団体といった場合は社団法人だけでなく,任意の団体でもよいわけですね。事業者団体による事例は昭和40年代から50年代の初めぐらいまで,非常にたくさんありました。
<事業者団体の価格制限行為>
事業者団体の価格制限行為。競争を実質的に制限する行為。これは先ほどの事業者間カルテル行為と同じように価格協定とかそういう協定を結ぶというものです。例えば昭和40年代から50年代の初めぐらい,石油業界がカルテルを結んだ。要するに品物の源になるところがカルテルで価格を引き上げる。原油が高くなったことは事実なのですが,これを千載一遇のチャンス,そういった形でそれに上乗せした形で価格カルテル,価格を引き上げる,という形になった。わが国はパニック状態になって,例えば,トイレットペーパーがなくなる。トイレットペーパーを求めて主婦の方々が,スーパーを探し回るといった状態の中で社会不安さえ招いた。ですから,こういった事業者団体がカルテルをやることに対しては,強い規制をしなければならない。
<事業者の数量制限行為>
次に事業者の数の制限。数の制限というのは,非常に最近多いですね。私も歯医者さんに通っています。歯医者さんは我々虫歯を持っている人間というのはお客さんですね。ところが歯医者さんの隣に歯医者さんができるとなってくると,自分のお客さん,患者さんが取られる。どうするかというと,歯医者さんの団体が集まって,その新しい歯医者さんに歯医者さんに必要な機材,薬品,そういうものを取引きしているところに対して,あそこと取引きするならば我々はあなたのところと取引きしませんという形で数の制限をする。こういう場合は非常に多くあります。事業者団体がやはりやった場合については,これは排除しなければいけない。
<機能活動の不当な制限>
それから,機能活動の不当な制限があります。価格とか数量とか,そういう販売パターンについて,競争を制限するようになる場合には8条1項1号の競争を実質的に制限する行為で取り締まる。競争の制限にいかなくても,部分的な問題で,部分的な地域でやったような価格協定とか数量とか販売とかそういうものについて,本来ならばこの団体に入っていなければ自由にできるところを,団体に入ったために規制されるという形はやはり問題になります。こういう機能活動の不当な制限というのも公正な取引きではない。
<広告活動の規制>
皆さん方の業界ではないと思いますが,広告活動の規制が非常に多いのは,士(さむらい)のつく業界,弁護士,計理士,それから税理士などの団体です。過去の例では,税理士の業界で,駅から何メートル以内には看板もネオンサインもいけない。チラシや広告もダメ。お客さんがわざわざ来ても,看板を掲げていなければわかりません。そういうところまでも制限した。やはりこういうものも,規制しなければいけない。 |