機関誌「冷凍と空調」 / 2007.2 (NO.549)
工業会レポート
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重大製品事故,10日以内に報告義務
―改正消費生活用製品安全法に関する説明会より―

 

6.Q&A

(1) これまでにあった質問について
 これまでの説明会で出てきたQ&Aを中心に,比較的質問の多かったものをいくつかご紹介します。

○重大製品事故の報告について


Q : 今回の法律に基づいて重大製品事故の報告を行った場合,例えば,製造物責任法(PL法)等の民事上の責任を負うことになるのでしょうか。
A : 今回の事故報告制度において,製造事業者又は輸入事業者が国へ事故報告を行ったという事実をもって,直ちに製品欠陥があるということを認めたことにはなりませんので,事故報告義務を履行したことをもって,直ちに民事上又は刑事上の責任を負うということにはなりません。これらはもう完全に別の問題です。
 
Q : 重大製品事故を知ったときは一体いつなのでしょうか。事業者が調査した結果,報告対象となる重大製品事故であることが分かった時点ということでしょうか。
A : 製造事業者又は輸入事業者の方が,重大製品事故の発生を知ったとき,すなわち会社の社員の誰かが重大製品事故だという第一報を受けた時点です。なお,これが重大製品事故にあたるのかどうかは,これは十分把握する必要があると考えています。
 
Q : 10日間以内に報告ということが義務になっていますが,10日間で分かる範囲でまず報告するということで良いのでしょうか。
A : 完全な情報を収集するために事故発生の事実を消費者に知らせるのが遅れて,結果的に事故の多発を招くようなことがあってはいけないと考えています。重大製品事故の発生を知った場合には,10日間の限られた期間の中で最大限の情報収集を図っていただき,10日以内に国に報告していただくことが重要です。なお,国に報告した後に,新たな事実が判明することが当然ありますので,追加でご連絡を送っていただきたいと考えています。いずれにしましても10日以内に報告するというのが法律上定められた義務ですので,その期間にまずは報告していただくということです。
 
Q : 製品の経年劣化によって発生した重大製品事故も報告の対象になりますか。
A : 当然なります。
 
Q : 製品の欠陥ではないが,製品の設置の際の電気配線のミスで火災に至ったような場合は,製造事業者の報告は必要なのでしょうか。
A : 電気配線のミスがその製品の構造等に全く起因しないとまで明確にいえない可能性がある場合には,当然これは製造事業者による事故報告は必要です。
 
Q : OEM,相手先ブランド製造製品については,誰が報告の義務対象者になるか。
A : 従来からの消安法の解釈と全く変わっていません。OEM製造において,原則,実質的に製造行為を行っている者がこの消安法における製造事業者です。ただし,単に製造行為を外注しているような場合には,当然委託元が製造事業者とみなされるわけで,そのOEMの実態を考えて個別に判断する必要があると考えています。
 
Q : 重傷は全治30日がひとつの目安になっていますが,全治30日とは一体誰が決めるのでしょうか。またその後で30日でないことが判明した場合,あるいは軽症で入院していたら最終的には死んでしまったというような場合はどうなるのでしょうか。
A: 基本的には,被害者の状況は,医師の診断によって判断をします。従って,その事故が発生した際には,その医師の診断で概ね何日かがわかりますので,それを目安にして判断することになっています。なお,軽症であったものがその後お亡くなりになられた場合,その時点で重大製品事故が発生したと知ることになりますので,お亡くなりになられたことを知った時点から10日以内に報告をしていただきたいと思います。他方,重大製品事故だということで報告を受けて,後々よく調べたら軽症であったという場合には,これは取り下げるようにしたいと思っています。

現在の事故報告制度は任意のものですが,niteのものと電気用品安全法に基づいた事故報告制度があります。今回の重大製品事故の場合は,国に直接報告をしていただくということで,これは新たな制度です。それ以外の軽微な事故についてはniteに報告をしていただきたいと思います。
電気用品安全法に係る事故報告制度については,家庭用品についてはこれを廃止し,業務用の電気用品についてのみ電気用品安全法に基づく事故報告制度―これは任意でありますけれども―を残したいということで,改めてこれも通達を出し直したいと考えています。

(2) 日冷工説明会Q&A

@重大製品事故の報告について


○輸入製品について


Q : 日本メーカーが日本には出荷してなくて海外には出荷しているもので,それを日本人が個人的に逆輸入して事故が起こった場合,そのメーカーはその義務を負うのでしょうか。
A: 今の例でいきますと,個人が輸入しているというところがポイントになると思います。個人が輸入を業としている場合には,その個人が輸入事業者にあたりますから,その人が報告義務対象者になります。ただ,今のお話ですと個人的に輸入して事故が起きたということですので,これはおそらく何の対象にもならない例になるのではないでしょうか。すなわち,メーカーが何か報告をしなければいけないという直接的な法律の義務が係っている例にはなりません。

○経年劣化の対象について

Q : 経年劣化といっても,どこまでを報告するのですか。
A: PL法の場合,民事上の罰則で時効が10年ですが,消安法の場合は,これは1つの特徴なのですけれども,基本的に時効という概念は全くありません。現在市場に出回っている製品で消費者が被害を受ける可能性がある,あるいはそういった拡大の可能性があるという場合には,すべて製品に問題があるということで,国が緊急に回収命令等々をかけるという考え方があるようです。従って,経年劣化の対象になるのは,通常であれば何らかの時効があって,ここから先は対象ではないという考え方ですけれど,その製品がある以上は劣化によって重大な製品事故が発生し,それがその製品の欠陥によって生じたものでないということがわからない,あるいはあきらかに欠陥であるというものについては製品事故に該当します。さらには,それで死亡・重傷という重大な事故が起きた場合,報告義務の対象になります。

○業務用製品の扱いについて

Q : スーパーのショーケースは設置等も事業者がいるわけですが,実際にその製品に触れるのは,一般のお客様が圧倒的に多いと思うのです。開店中にその製品が漏電して,お客さんが触れて感電死したという場合はどうなのでしょうか。
A: これは,業務用のスーパーで使える製品ですから業務用製品なので,この事故報告制度の対象外です。例えば自動販売機を道で使っていて感電されて死んでしまったという場合は当然対象外ですし,あるいは駅の券売機でなぜか知らないけど感電してしまって死んでしまったという場合も対象外です。従って,業務用のものについては一義的には対象外ですので,今ご質問があったものも当然対象外であります。

○重大製品事故―火災―について

Q : 重大製品事故の定義中の火災というところで,消防が火災として確認したものというのですけれども,具体的にいいますと,消防当局が何らかの決定をするということですか。
A: 火災の認定というのは通常,地元の消防署の方が実際に火災かどうかというのを確認するということになっていて,実際火災に遭われた場合には,都道府県では罹災証明,さらには消防,各消防本部から,各消防本部へ火災がありましたという火災の報告みたいなものを毎年やっています。
ボヤですとか単なる発火については,重大な製品事故には今回は該当しない軽微なものだということで,今回は事故報告制度の対象外としたいと考えています。

○火災の報告義務について

Q : 家が全焼したと消防からは特に連絡はないのですけれど,お客様から連絡が入った場合は,これは報告の義務はあるのですか。
A: どなたからでも重大製品事故が発生したという報告をメーカーの方が受けたら,ここでまず時計が動き出して,10日以内に報告をいただくことになります。その際,なかなか難しいわけですが,本当に全焼して,製品も何も跡形もなくなってしまってどうしようもない,証明もしようがない,本当にその製品が原因だったのどうかわからないといった場合については,最終的にはもう誰もわからないので報告のしようがないと思います。従って,そういう極めて稀な例については,それは報告の対象の外であろうと思います。ただいずれにせよ,だいたいどういうところから出火してどうだというのは,わかるのがかなりだというのが消防の見解でありまして,誰から報告を受けても,重大製品事故であると知った以上は,そこから10日以内に報告をしていただくということになります。

○報告義務の完了について

Q : 法規上の義務としては,一旦事故報告をさせていただいた時点で完了という受取り方でよいのでしょうか。
A: そこは内容次第だと思います。要は事故の内容が,「これもわかりません。あれもわかりません。だけど実際,重大製品事故のうち火災があったというのはわかります。だけど製品の型式はよくわかりません。どういう原因かもよくわかりません」というのだと,さすがにそれは,確かに10日以内に出したかもしれないけれど,完了だとはなかなか言えません。提出される情報の内容によるのだと思います。あとはやはり,その企業の方としてこういう製品事故が起きて,一体どういう再発防止策をとられるのかなども聞かないと我々としても完了とは言えないので,そこは一連のそういったプロセスを全部やって,この案件については一応終わるになると思います。

A事故報告の公表について

○ウェブサイトでの公表について


Q : ウェブサイトでの情報提供とありますが,新聞発表されたときにアクセスが殺到した場合に見たい人が見られなくなる,あるいは他のページにアクセスをするのに制約がされるとかいうようなことはないのでしょうか。
A : 確かに当省のウェブのイントラがあまり良くなく,実際に公表するという今回の制度でいくと法定義務になっていますので,ウェブサイトで必ず公表できるように,今,改良しているところです。確かにダウンロードしたりするのにすごい時間がかかるというのは,これはまたこれで問題ですので,そこはないように内部で詰めています。おそらくこの法律が施行されるタイミングまでには,問題は解決していると思います。
なお,この法律の施行については,12月6日に公布していますので,その公布の日から6か月を超えないタイミングで施行せよというのが法律上の規定です。その施行するタイミングは政令で決めるとなっているのですが,5月の中旬ぐらいをめどにこの制度を施行したいとに思っています。いずれにしましても,近いうちに施行日の政令について閣議決定をしますので,その際には当省のウェブサイトあるいは当然経産省広報や官報に掲載する予定です。

○公表リストの掲載期間について

Q : 事故リストの公表は改正してからのリストになるのですか。過去の事項,事例のリストも含めてになるのでしょうか。リストの掲載は累積でずっとになるのですか。
A: 事故のリストは基本的にはやはり,この制度に基づいて報告を受けたものを順次公表していくということになります。当然どんどん溜まっていきますので,そういったものもずっとウェブサイトで見られるようにおいておきます。それによって消費者の方々も,最近こういう製品の事故が多いねとか第三者の判断材料になりますから,1回公表したものについては,よほど間違いがあって取下げる場合は,これ取り下げですといって取下げる場合もありますけど,そうではないものは,基本的にはずっとそこに見えるようにしておきたいと思います。

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